前回の続きです。
正直言って、こんなに長い報告になるはずではありませんでした。東京音楽隊の様子を軸に、簡単にまとめようと思っていたのですが、国旗や国歌に対する吹浦忠正さんや新藤昌子さんの真摯な思いというものが、このコンサートを通じて静かに、でも深く伝わってきたんだと思います。記憶にある限りのことを全部書きたくなってしまったんです。大変冗長になってしまいましたが、ご容赦ください。
前2回の記事で、演奏会の内容について書いてきましたが、構成をうまく整えられず、紹介できなかった出演者の方々がおられます。
ステージの紹介の中で何度かグランドピアノについて触れましたが、ピアニストが出てきませんでしたよね。
今回のコンサートでメインのピアノ演奏を勤めたのは気鋭のピアニスト、鼓緒太(こおた)さんでした。
ちょっと厳つい感じの風貌ですが、美しい演奏を聴かせてくださいました。
そして、特別出演でピアノ演奏を聴かせてくださったのが、新垣隆さんです。かつてある事件がきっかけで脚光を浴びるようになりましたが、才能溢れる作曲家としても有名ですね。
2017年11月12日に放送された新垣さんのラジオプログラム「People」に三宅由佳莉さんが出演されたこともありました。懐かしいな。
そして、このコンサートを終始大声量で支えたのが、国歌合唱団「コール・アンセム」の皆さんです。一般からの公募で、半年くらい前から時間をやりくりしながら練習会に参加し、この日のために準備を進めて来られました。
国歌の合唱は全て原語ですから、それらを歌いこなすまでには大変な苦労があったのではないかと思いますが、ステージ上の皆さんのお顔を一人一人拝見しますと、どなたもとても素敵な表情で、それぞれの国歌を一言一言大切に歌われているのがわかりました。
そんなコール・アンセムの皆さんも、このコンサートの大きな魅力の一つだと思います。次の機会があったら応募してみようかな、とも思いましたが…
音痴だし、やっぱ無理か( T_T)\(^-^ )
それにしても、このような大がかりなイベントから東京音楽隊にお呼びがかかるこは、ファンとしては嬉しい限りです。防衛省として、というより政府として多人数が集まるイベントの開催を極力抑制している中、陸海空とも音楽隊の演奏会は全て中止となりましたが、このコンサートについては、主催者側から防衛省のトップレベルまでの粘り強い働きかけにより例外中の例外として認められたようです。
このご時勢、ステージの上に、樋口隊長はじめ東京音楽隊の皆さんの姿を見ることができたこと、そしてその力強い演奏を聴くことができたことは本当に幸いなことでした。
感動の余韻に浸りつつ、私たちは東京音楽隊の皆さんを見送るべく、楽器運搬車のあたりに移動しました。私は通常、演奏会が終わるとさっさと帰ってしまうのですが、今回は、今後しばらく東京音楽隊の皆さんの姿を見る機会もないんだなという思いもありましたので、お見送りさせていただくことにしました。初めてのことです。
楽器運搬車の周りには、普段目にすることのないこの車両を見たり写真を撮ったりする方が結構集まっていました。車両が横須賀音楽隊から借用したものだったこともあり、「東京音楽隊なのに横須賀にあるの?」という声も上がっていました。外国人と思しき男性も一人スマホを準備して立ってましたので、隊員のどなたかの姿を追っているファンなのかもしれません。
搬出口のシャッターが上がり、トラックへの楽器の積み込みが進んで行きますが、何人かの隊員の方がマスク装着の姿で歩道上に展開して歩行者の安全誘導に当たっていました。そのお一人が、フルート奏者の田中英暢さんでした。昨年、カナダのハリファックスで行われたロイヤル・ノヴァスコシア・タトゥーでは安倍晴明役を演じられました。今回初めて二言三言、言葉を交わす機会があったのですが、ステージ上では迫力のある存在感が半端ない田中2曹が、失礼な物言いになるかもしれませんが、ちょっと可愛いキャラクターに感じられました。ステージを下りると、素の自分に戻られるのかもしれませんね。
楽器の積み込みが行われる中、突然、中川麻梨子さんが登場されたものですから、あたりは俄かにざわめき始め、自然にフォトセッションのような流れになりました。たくさんのシャッターが切られてましたが、もちろん私も何枚か撮らせていただきました。いい笑顔です。
中川さんは、決してフォトサービスのために出てこられた訳ではありません。大事な任務があったのです。
昨年12月に館山で行われた横須賀音楽隊のクリスマスコンサート終演後、三宅由佳莉さんが楽器運搬車の助手席に乗って会場を後にする動画を記事で紹介させていただきましたが、何と今回は、中川麻梨子さんが、全く同じ車両の助手席に乗り、運転補助員として会場を後にされたのでした。FUJI20171118さんの動画をご覧ください。
偶然とは言え、この短期間に二人の歌姫の同じようなシーンを見ることになるとは思いもしませんでした。因みに、トラックの向こう側で出庫警戒に当たっているのは、今回コンサートミストレスを勤められた清水恭子さんです。皆さん、何でもこなします。
トラックを見送り、「ハイOK!」で終わりかと思いましたら、まだ続きがありました。長くなりましたので、今回はこの辺で。