あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

フリートウィーク野外演奏会に行ってきました(╹◡╹)

 

photo by MONSTER

 3年ぶりの音楽まつりも終わってしまいましたが、ここでちょっとバックデートして、今更ながらのフリートウィークの話題です。いえ別に、自分が音楽まつり観に行けなかったから話を逸らしているって訳じゃないんです(≧∀≦)

 2022年11月5日、横浜市の赤れんがパークで開催された、フリートウィーク野外演奏会に行ってまいりました。前日の横須賀芸術劇場での演奏会は、国際開催ということもあり、ちょっといつもとは勝手が違いましたが、野外演奏会の方は、いつも通りのカジュアルな感じでとても馴染みやすいです。

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 とはいえ、今回、私は演奏予定時刻を勘違いしており、危うく東京音楽隊の演奏を逃すところでした。本当は、米海軍第7艦隊音楽隊の演奏のところから聴くはずだったのですが、私が会場に着くと、ちょうど米海軍の演奏が終わり、しばらく休憩に入るという、何となくカオスな感じの時でした。このタイミングで到着したおかげで、何とか椅子席が並ぶエリアの脇に立つことができたのでした。ちょっとでもタイミングが遅かったら、多分、全くステージが見えないところから音だけ楽しむことになったでしょう。 

 だって、振り返ってみるともの凄い人垣ができていました。コロナの影響で演奏会がほとんど行われていなかったことや、3年ぶりのフリートウィークということもあるのでしょうけど、やはり、三宅由佳莉さんと橋本晃作さんの揃い踏みとなるこのコンサートへの関心が非常に高かったということだと思います。凄い人気ですね。

 とはいえ、お陰様でステージが見える位置を確保することができたのですが、ふと、目の前の椅子に座り、三脚にスマホをセットして開演を待っている方を見下ろすと、その頭頂部に見覚えがありました。ですから、100%の確信はないものの声をかけてみました。振り返った顔はやっぱり「いかづちさん!」奇遇なものです。

(動画の中にも一部「いかづち」さんの頭頂部が映り込んでいます、悪しからず)

 こんな感じで演奏会にぎりぎり滑り込んだものですから、他には「天気が良かったねー」くらいしか開演前のエピソードはないんです。

 でも、椅子席のすぐ後ろをキープできたお陰で、演奏会の最初から最後まで撮影することができました。それが何よりです(╹◡╹)

 さて、前日の横須賀芸術劇場での演奏会では、竹中晶子さんが司会進行役を務めておられたことは前回の記事で報告しましたが、今回のMCは、パーカッションの吉田佳奈恵さんでした。2019年の東郷の杜音楽祭でも司会をされてましたね。着実な進行の中にも、茶目っ気をうまく織り込んだ軽妙な語りが魅力です。

 演奏会が始まるまでの僅かな時間に、ステージのセットもそうですが、音響の設定等の細々とした準備作業が一気に進められていきます。観ている方は、何がどんな段取りで行われているのか全くわかりませんが、受託した運営側と音楽隊の担当者、特にコンサートマスターの近藤悟史さん(お帰りなさい!)とのやりとりがひっきりなしに行われていました。

 そんな中、男性ヴォーカルの橋本晃作さんがステージ前に現れて、スタッフの皆さんと何やらやりとりした後、突然マイクに向かってテノールの歌声を披露されたものですから、会場は驚き、そして直後には喝采が巻き起こりました。そう、ヴォーカルのマイクテストです。突然始まったものですから、私は撮影することができませんでしたが、YouTubeに動画をアップされている方もおられるんじゃないでしょうか。橋本さんの撮影はできませんでしたが、おかげで、三宅さんのマイクテストに備えることができたという訳です。

 下の動画は、演奏会の様子をフルで録画したものですが、冒頭には開演前の三宅由佳莉さんによるマイクテストの様子を入れてあります。

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 上の動画は結構長いので、全般をざっくり観たいという方は下のダイジェスト版をご覧ください。

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 この演奏会は、私もフルで動画を撮ることができましたし、他にも多くの方が様々な動画を上げておられますので、演奏会の内容についてあれこれ書くのは野暮というものでしょう。でも、ちょっとだけ(^^)

 三宅由佳莉さんが今回歌われたのは、MISIAさんの「明日へ」です。2年前に横須賀芸術劇場で開催された、横須賀音楽隊の「ふれあいコンサート2020」では、当時横須賀音楽隊所属の三宅さんが出演され、ウェルカムコンサートを含め、4曲もの歌を披露して下さったのですが、その中には前日の国際観艦式演奏会でも披露された松田聖子さんの「瑠璃色の地球」と、MISIAさんの「Everything」が含まれていました。

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 これはもう随分前から書いてきたことですが、30代に入ってからの三宅さんは、入隊以来というよりは、世間に知られるようになって以来、自身が纏わされ続けてきたお仕着せの「殻」あるいは「仮面」を破って、表現者としての幅をどんどん広げて来られたように思います。

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 「瑠璃色の地球」やMISIAさんの楽曲というものを歌われるのは、もちろん音楽隊として検討した結果ではあるのでしょうけど、おそらく三宅さんの意向が反映されている分野なのではないでしょうか。

 音楽隊の皆さんはミュージシャンではありますが、いわゆるアーティストではありません。音楽性を研ぎ澄ますことは目的ではなく手段です。研ぎ澄ました音楽性を武器に使命を達成するミュージシャン集団が音楽隊ということです。そしてその使命とは、自衛隊員の士気を高揚させること、自衛隊の厳格なる威儀の保持に寄与すること、そして自衛隊に対する国民の理解と支持という防衛基盤の拡充に寄与すること、という3つの任務を通じ、我が国の防衛に資することです。

 ですから、音楽隊はあらゆる分野の音楽に平素から取り組んでいますし、三宅さんや橋本さんが歌われる歌のジャンルも際限がありません。とはいえ、ミュージシャンである以上、やはりコアになる音楽性というものがあるはずで、それを大切にし、育て、伸ばしていかなければならないのではないかと思います。

 そのようなコアになる音楽性というものが、三宅さんの場合、すべてを包み込み、赦し、慈しむ大いなる愛というものなのかも知れません。

 さて、演奏会自体は動画のとおり、短い時間にも関わらず盛りだくさんで、会場を埋め尽くした聴衆を十分に満足させ、翌日に迫った国際観艦式に向けての機運を弥が上にも盛り上げつつ終演となりました。

 3年前の「幻の観艦式」に際して開催されたこの演奏会では、終演後にベースの岩田有可里さんとお話する機会があり、一緒に写真も撮らせていただきました。

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 前回と違ってコロナ禍ということもあるし、聴衆の数も多いですし、なかなか隊員の皆さんと直接お話しするのは難しいんじゃないかと思いました。というか、皆さんそう思っておられるのが、終演後にも名残惜しそうに屯しておられる皆さんの佇まいからも窺われました。

 とはいえ、会場と楽器運搬車の間を行き来する隊員の方の何名かは、ファンの皆さんとの会話に応じておられたので、厳しい制限が課されているわけではないようでした。

 そんな中、ふとステージ脇のフェンスの内側に目をやると、赤嵜尚子さんがすぐ近くにおられたものですから、「あ、赤嵜さん」と声を掛けると笑顔で挨拶をしてくださいました。ただ、側におられる植田隊長への報告があったらしく、お忙しそうでしたので、すぐにおいとましましたが、短時間でもご挨拶ができたのは幸運でした。

 その後、楽器運搬車への楽器の積み込みの様子などを撮影してから、ぶらっと歩き始めると、ちょっと先で「いかづち」さんが、女性隊員の方と立ち話をされていました。後ろ姿でしたけど、すぐに岩田有可里さんだとわかります(「いかづち」さんは筋金入りの有可里ストですし(╹◡╹))

 私も合流させていただき、短時間でしたけど久々に会話をすることができました。

 コロナ禍が続いてきたことは確かですが、それとは別に、最近岩田さんの姿を見る機会がなかったことが気になっていたので、「最近姿が見えなかったですよね」とお聞きすると、どうやら半年ほど横須賀教育隊で、新隊員の面倒を見る「班長」をされていたそうです。教育隊の班長といえば、厳しさと深い愛情をもって「朝から朝まで」新隊員を見守り育て、そして巣立たせる姉貴分的存在です。「朝から朝まで」ですから、それは大変な職務ではありますが、お話を聞いて、私は「岩田さんに向いてるなぁ」と思ったのでした。新隊員にとって、自衛隊で初めて深く接するのが「班長」です。新隊員への影響力が途轍もなく大きく、「こんな自衛官に自分もなりたい」という目標になることも多いんです。その意味で、素晴らしい目標だったに違いないと思ったのでした。

 案の定、この演奏会にも、多くの教え子達が来場していたとのことです。みんなきっと岩田さんのようにクールでプロフェッショナルな自衛官として育ってくれることでしょう。

 ちなみに、岩田さんは、「ベースの音ちゃんと聴こえたましたか?」が、1番の心配事だったようです。岩田さんによると、最初ベース側のボリュームを絞ったままで演奏を始めてしまって、途中で気がついて上げたらしいんですが、演奏中で音響スタッフの方と連携する術もなく、どうなっていたのか気になっていたようです。いかづちさんが「ちゃんと聴こえてましたよ」と仰ると、とても安心されてました。

 クールな岩田さんの、ちょっと「やっちまった」話が聞けたのも大きな収穫だったような気がします(╹◡╹)

 あ、写真撮らせてもらうの忘れてた、またやっちまった(≧∀≦)

 

※挿入写真は、モンスターさんからご提供いただきました。