一昨年のこの日、1本の記事を書きました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災から、7年が経っていました。多くの方が、「もう7年も経ったのか」「まるで昨日のことのようだ」という感慨に襲われたのではないかと思います。
2018年の3月11日は日曜日でした。
私は普段テレビを見ませんのでわかりませんが、おそらく多くの特集番組が組まれているのだろうなと思いながら1日を過ごしたのを覚えています。
記事を書くことには逡巡もありました。
まだ、あの時の自分の感覚や思考が咀嚼し切れていはいなかったことに加えて、震災以降、「祈り」という歌を通じて被災者を始め多くの国民を勇気付けてこられた三宅由佳莉さん・東京音楽隊の活躍を遅れ馳せで追体験し始めたばかりの頃でしたから、「あの震災」を自分がどう捉えているのかを書き切る自信がなかったからです。
ですから、記事が書きあがったのは本当に一日の終わり頃でした。
それでも、書いておいてよかったと思います。わずか2年ではありますが、この間に私の中では「あの日」が少しだけ歴史に近づきました。忘れることは決してないだろうけれど、自ら感じたものが次第に整理され、記憶という形になって収まっていきます。そのように整理された記憶ではなく、まだライブの感覚として残っていたものを書き残したことで、2年前のこの日に自分が何を感じていたのかを、心の中に再現するよすがにはなっているからです。
さて、「あの日」から9年が経過した我が国はいま、全く類の異なる脅威に晒されています。目に見えない脅威ですから、不安が先立つのも仕方ないかもしれません。
でも、人間は強い存在です。
そのことを思い出させてくれたのが、今日という日でした。