前回、「横須賀音楽隊長岡公演・とりあえずの報告」という記事を書きました。2月8日に新潟県長岡市で開催された横須賀音楽隊の演奏会に足を運んだ、チーム「スペリア」からの報告を元に、想像力をたくましくして書いたものですが、あくまでもフェイクです。現場にいなかった私には、あれが限度でした(≧∀≦)
この記事でも触れましたが、「スペリア」代表(勝手に指定(≧∀≦))の斎藤さんが、現地で実際に見聞きされ、感じられたことをレポートしてくださいました。「とりあえずの報告」は、いただいた速報から自分なりに想像力を働かせて書いたものなので、事実関係の誤認も結構あったようです。その辺の修正も含めたレポートになっています。
ご自身が趣味で歌を歌われており学ばれてもいることから、その内容は音楽的素養に裏打ちされたしっかりしたものです。感覚だけで書いている私のレポートとは説得力が違います。読ませていただいて「なるほど、そういうことか…ってどういうことよ」の繰り返しでしたが(≧∀≦)、なんかすごいことだったんだなということはよくわかります、スペリア・リアルレポートをお楽しみください(╹◡╹)
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いつの間にか、ブログチーム「スペリア」の代表?になってしまった(笑)齋藤から、2月8日の横須賀音楽隊長岡公演について、「横須賀音楽隊長岡公演 とりあえずの報告」(以下、「とりあえずの報告」と略称します)を補足する形で報告させていただきます。
2月8日、「スペリア」が長岡市立劇場に着いたのは、開場3時間半前の午前9時30分頃でした。かぴたんさんも、よく書かれていますが、早く着くと、いいことがありますね。そう、「雪見酒」でも書かれているとおり、赤嵜尚子さんと遭遇して、楽しくお話しできたことです。
その後、赤嵜さんに案内していただき、一般受付の一番前らしきところまでたどりつき、横に腰掛け用のソファがあったので、座っていたら、またまた幸運なことに、あの木更津の演奏会でのディキシーバンドのメンバーの一人の男性隊員が歩いてこられました。彼によれば、この日も、木更津と同じ曲でのウェルカムコンサートがあるということで、本公演のプログラムも木更津のときと重複している曲が多いということでした(ということは、ウェルカムコンサートでは、三宅由佳莉さんの歌があるということで、本公演では、「パプリカ」があるということ)。「スペリア」としては、この重要な事前情報を有効活用しない手はありません。開場して、最前列真正面(「パプリカ」のときのセンター三宅さんの真正面)の席は確実に確保できました。次に、ウェルカムコンサート対応としては、2月17日の木更津から数えると3回目なので、今回は、客席ではなく、客席に入る前にディキシーバンドが一時待機するロビーで待つことにしました。
1階奥の楽屋からデキシーバンドの面々が、2階ロビーに上がってきて、まず、メンバー全員の集合写真撮影があり、そのあとは、数分間でしたが、三宅さんを囲んでのにわか撮影会になり、たまたまロビーにいたちびっ子たちとも、三宅さんが「はい、チーズ」と言いながらカメラに収まったり、女性陣と三宅さんでスマホでの自撮りをしたりしていました。「とりあえずの報告」の1ページ目に載っている3枚の三宅さんの写真は、いずれもこのロビーで撮影されたものです。一番最初の写真でハンズフリーマイクが三宅さんの顔の左側にあるように見えているのは、この写真だけが自撮り写真だから(鏡と同じで左右逆に写る)です(前髪の分け方向が、この写真だけ、他の2枚と異なり逆になっていますね)。ハンズフリーマイクのピンクのモフモフは、木更津のときと同様、「パブリカ」のときまで、ずっと三宅さんの顔の右側にありました。
(この件につきましては、jubijubizhyさんから写真が「左右反転」しているとのご指摘を受け、「たしかに!」と思っていたのですが、斎藤さんの説明で「なるほど」と思い、さらに撮影者から「ラインカメラミラーをONにしていたみたいだ」との報告を受け、「なっとく」しました(≧∀≦))
(上の写真、右がノーマル、左が「ミラー」です。三宅さんは左右逆転してもほとんど印象が変わりませんね(╹◡╹))
さて、私齋藤は、三宅さんと、ディキシーバンドが客席に入る直前のほんの少しの時間お話をしましたが、そのとき、三宅さんから「今日は、(木更津のときとは練り歩く)コースが違うんですよ。」とこの日のコース(今回の動画と木更津のときの動画をご覧になればすぐにお分かりになると思います)の説明をしてもらいました。最初は、三宅さんの後ろについていくことも考えましたが、それはやはり「マズイ」のではないか、と思い、先回りして、少し下の段から、上の段で歌う三宅さんを撮影することにしたのです。ところが、先に下の段に行って振り返ると、三宅さんは、前列側の席に背を向けて後列側の客席に向かって歌っているではないですか!。おかげで、三宅さんの背中の写真が増えました(笑笑)。でも、後列側に座っている方は、ステージで演奏する三宅さんや隊員の方々の顔は、遠くてよく見えないので、こうしてウェルカムコンサートで後列側のお客様にも近くに感じてもらうということは、素敵な演出だったと思います。ウェルカムコンサートの様子は、語るより動画をご覧いただくのが一番!、この日も、はじける三宅さんを含め、すっごく楽しい「ウェルカム」でした。
本公演に移りますが、まず、本公演の主催者である長岡市自衛隊協力会の事務局長から、プログラムと一緒に配られていた「協力会入会申込書」のご案内がありました。そのあと、同協会の会長である長岡商工会議所会頭からご挨拶があり、その中で横須賀音楽隊のことを「今日は、自衛隊の中で一番素晴らしい音楽隊にお越しいただいた。」と紹介がありました。
まず、第1部です。いつもの演奏会の流れなら、指揮者(隊長)が登場したら、1曲目の演奏がすぐに始まり、1曲目の演奏が終わってから、MCが始まるのですが、この日は、違っていました。1曲目演奏の前に、MC用のマイクのところに、何と三宅さんが現れたのです。
「みなさま、こんにちは。本日は海上自衛隊横須賀音楽隊演奏会にお越しくださいまして、まことに有難うございます。暖冬から一変、突然の寒気の影響で、ここ新潟も一面真っ白な雪景色になりましたね。本日はクラシックや、ジャズ、テレビでおなじみの曲など様々なジャンルの音楽を、わたくしたちの寒さに負けない心温まる演奏でお楽しみいただけたらと思います。第1部進行役の私、3等海曹三宅由佳莉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。さあ、演奏会の幕開けにお送りするのは、横須賀音楽隊の委嘱作品マーチ「海の護りびと」です。四方を海で囲まれた日本を守る船乗りたちと、海原を行く艦艇を描いています。指揮は、横須賀音楽隊副隊長2等海尉森田信行です。」
……で始まりました。私齋藤の記憶では、三宅さんが(この日は第1部だけでしたが)MCを務めるのは、2015年10月17日の観艦式フリートウィーク中の横浜赤レンガ倉庫ステージでの東京音楽隊の演奏会以来だと思います。三宅さんの美しい声と美しい日本語、繊細に抑揚をつけ。言葉をつないでいき、包み込まれるように心が魅かれる話し方、歌だけでなく、MCも、4年半前より、数段進化し、ちょっと大げさかもしれませんが、MCだけでも一つの作品と言えるような雰囲気がありました。そのMCがこの日は、4回も(普通4曲演奏の時は、2曲目冒頭からの3回ですが、上記のとおり、1曲目冒頭からのMCでしたので)聞かれて本当に幸せな気持ちでした。会場の皆さんもきっと同じ気持ちだったと思います。
さて、1曲目のマーチ「海の護りびと」ですが、大海原を意識したダイナミックで、すごくカッコいい、海上自衛隊にふさわしい曲でした。
2曲目のバルトーク作曲「ルーマニア民族舞曲」、私齋藤、クラシック曲はかなり聴いているはずなのですが、この曲知りませんでした。
三宅さんのMCの説明では、
「バルトークは、24歳のときに、音楽人生において運命的な出会いをしました。それが「民謡」といわれるものでした。その地に歌い継がれる民族色のある素朴な歌、そんな「民謡」に魅了されたバルトークは、小さな村を訪ねては、口伝えでしか残っていないメロディを楽譜に書き起こしました。後に、それが彼の代表曲となり、「民謡」を媒介した独自の作品を多く残すことになりました。これから演奏する曲も、バルトークが収集した「民謡」を使った作品で、棒踊り、帯踊り、踏み踊り、角笛の踊り、ルーマニア風ポルカ、速い踊りの6つの「民謡」から構成されています。ピアノ独奏のために作曲されましたが、人気が高まり、様々なアレンジで演奏されています。今日は、木管楽器のかなでる温かく、エキゾチックな演奏をお楽しみください。」
演奏は、正確に記憶していないのですが(真正面にいて情けない)、「とりあえずの報告」で紹介されている「尚美ウインドオーケストラ」の演奏とは異なり、6人の木管楽器のみの編成での演奏でした。小編成であったからこそなおさら、本当にヨーロッパの古き良き田舎のあったかーい感じのする、私たち日本人にとっても何かなつかしいものを感じさせてくれ、木管のハーモニーが素晴らしい、素敵な演奏でした。
(斎藤レポートに沿って、「とりあえずの報告」とは打って変わって、木管のみの動画を貼らせていただきます)
3曲目は、(ウェルカムコンサートのときの「歌のおねえさん」的ではなく)まさに、「ソプラノ歌手」三宅由佳莉が歌う「夢のあとに」です。「スペリア」が聴くのは木更津(二日連続)から3回目になりますが、この日は、木更津のときとは異なり、譜面台がありませんでしたので、三宅さんの歌っているときの全身の動きがよく見えました。そのせいなのかもしれませんが、一層、声の出も響きも、そして感情表現も素晴らしく、心が揺さぶられました。
第1部の最後、4曲目、今年生誕250年を迎えるベートーヴェン作曲のピアノソナタ「月光」です。皆さんご存じかと思いますが、この「月光」は、ベートーヴェンが名付けた曲の副題ではなく、後世の評論家が名付けたものです。
三宅さんのMCの説明では、「楽譜には『即興で自由に演奏するという意図を持つ幻想曲風ソナタ〛としか書かれておらず、〚月〛を意味する単語は書かれていません。しかし、冒頭の静かでどこかおぼろげな曲想が、水面(みなも)に浮かんだ月を連想させるのも、この曲の魅力でしょう。第2、3楽章に移ると、うってかわり、強弱のコントラストのついた技巧的で激しい表情を見せ、エンディングへと向かいます。次第に音が聞こえなくなっていく逆境の中でも、常識を打ち破り、新しい様式を模索し続けたベートーヴェンの情熱がうかがい知れるのがこの作品。今回は、この名曲に吹奏楽の伴奏をつけた協奏曲形式で、第1楽章と第3楽章をお聴きいただきましょう。」
ピアノは、昨年入隊したばかりの角田鈴音1等海士です。登場したときから、ものすごく緊張していることが最前列の「スペリア」には、ひしひしと伝わってきました。しかも、角田1士も慣れ親しんできたピアノソロではなく、ピアノ協奏曲「月光」という特別な演奏形式です。
(仲道郁代さんが演奏される動画へのリンクです。写真をクリックしてください)
(新人ピアニストの方は「角田鈴音」さんと仰るんですね、しっかり覚えました。仲道さんのこの動画は「とりあえずの報告」でも候補に上がったものの、埋め込み再生ができないものですから使用しませんでしたが、このレポートで斎藤さんが触れられていますので、こちらを貼らせていただきました。動画の最後には「ソナタ」の解説もあり、勉強になりますよ(╹◡╹))
私齋藤は、そのデビューから30年間応援しているピアニスト仲道育代さんの「月光」を生演奏で10回以上聴いていますが(「とりあえずの報告」でも紹介されている辻井信行さんにも見られますが)、演奏中、顔を上下前後左右に振ったり、空いている手を動かしたり、様々な形で曲の持つ意味や感情を表現されます。仲道さんの場合は、一つの表現方法としてメロディを口ずさみながら感情移入して演奏することがよくあります。
この日の門田1士は、おそらく、そんな余裕はなかったのでしょうね。とにかく、極限の緊張の中で全身全霊精魂込めてピアノを弾くというその1点に集中しているようで、その弾き様に、「スペリア」は感動しました(演奏後、「あの緊張の中でも弾けるのはすごいよね」と「スペリア」の中で話しました)。ピアノ協奏曲「月光」は、ピアノソナタとはまた違った意味で、新たな「月光」の情景を感じさせてくれました。
実は、この「月光」、2月28日の横須賀音楽隊定期演奏会のプログラムの一つになっています。このブログをお読みになっている方の中にも演奏会に行かれる方は結構おられると思いますので、これ以上、ピアノ協奏曲「月光」の印象を伝えることは、ネタバレになるので控えます(なお、余談ですが、この日のピアノは現代ピアノとして一番よく使用されているスタンウェイでしたが、今仲道さんが演奏会で使用している最新のヤマハCFXは、また少し違った音色があります。私齋藤としては、みなとみらいホールに今あるピアノにも注目したいと思っています)。門田1士は、この日、ステージでの本番を経験できたので、定期演奏会のときは、もっともっと自分らしさを出したさらに素晴らしい演奏をしてくれると期待しています。
(これは楽しみですね、ワクワクしてきました(╹◡╹))
ここで15分間の休憩に入り、休憩の間に、5分間くらい長岡出張所自衛官の方3人(陸・海・空それぞれ1名)が登壇し、自衛官募集の広報活動の一環として、自衛隊の魅力について話がありました。
第2部は、いつものように、MCからではなく、演奏から、そう、「相棒」オープニングテーマの演奏から始まりました。演奏後に米満さんのMCが始まりました。3曲目の嵐メドレーも4曲目のユー・レイズ・ミー・アップも、昨年の館山や今年の木更津での演奏会と重複していて、今回の「とりあえずの報告」も含め、すでに、かぴたんさんが、しっかり書かれていますので、そちらを読んでください(「スペリア」として付け加えることはありません)
2曲目の「パプリカ」については、「とりあえずの報告」の補足ということで、少し触れさせていただきます。センター三宅由佳莉3曹、ステージに向かって左に、いつもノリのいい、男性のあわずよしのり3曹、右に、渡辺彩乃3曹というダンスチームでのパフォーマンスは、この日も「サイコー!」でした。
三宅さんは、「パプリカ」のときは、「歌のおねえさん」的でも「ソプラノ歌手」でもなく、アニソン用の超かわいい発声で歌われます。あらゆるジャンルの曲を、それぞれのジャンルにあった発声で、感情豊かに表現でき、華がある、とにかく凄いです。まさしくスーパー歌姫でしょう!!
さて、「スペリア」も最前列で座ったままですが、「パプリカ」顔晴って踊りました。演奏後、MCの米満さんが「前で完璧に踊られた方、フーリンのメンバーの方ですか?」と言って、会場から笑いがこぼれました。さらに米満さんが「この中で振りは大体大丈夫よ、という方どれくらいいらっしゃるんでしょうか」と投げかけたら、「スペリア」も、もちろん自信をもって(???)手を挙げましたが、会場内もかなりの人が手を挙げたようで、米満さんが、「結構いらっしゃいますね。ありがとうございます。」(確か、三宅さんも「たくさーん」と言っておられたように思います)、「また長岡で横須賀音楽隊の演奏会がありましたら、今度はステージに上がっていただいてみんなで踊りたいと思います。」と言われて、会場笑いに包まれました。
(「スペリア」のステージ、見て見たいですね(^ ^))
第2部最後は、「スウィングしなけりゃ意味がない」です。おっとその前に、米満さんがいつも話されるのですが、
「私たち音楽隊は、このようにお客様の前で演奏し、たくさんの拍手をいただくことができますが、私たちと同じ多くの自衛官が、皆様の目の届きにくい海の向こう、空のかなた、そして、それぞれの基地でさまざまな任務についています。昨年は台風15号、19号の災害派遣、そして現在は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、帰国邦人等に対し、医療支援、生活支援等を実施しており、私たち横須賀音楽隊からも隊員を派出しています。この演奏会を通じ、私たちの活動を知っていただき、これからも防衛省自衛隊の活動に対し、皆様のご理解を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます」
……との発言があり、会場から盛大な拍手がありました。そういえば、今日の横音のメンバーはいつもより少なかったようにも見えました。
(国家の安寧、国民の生命・財産を護るのが自衛官の本務です、音楽隊員も勿論同じです。)
「スウィングしなけりゃ意味がない」は、米満さんのMCの説明では、「ビッグバンドジャズのスタンダードで、デューク・エリントンが作曲し、全米で大ヒットしました。今にも踊り出したくなる、スウィングジャズの名曲をお楽しみください」ということでした。海上自衛隊音楽隊のジャズ演奏は、いつもいいですねえ、自然に体が動きます(さすがに、「スペリア」も、もう踊りませんけど・・・)。
(踊って!)
この後、隊長に花束の贈呈がありました。贈呈者は今年度自衛隊に入隊予定の帝京長岡高校の女子高生でした。ちなみに、「スペリア」は、演奏会後にバスを待っている間に、入隊した女子高生(花束贈呈した人かどうかはわかりませんが)に会って、「顔晴ってください」と声をかけたんですよ。
(演奏を楽しむだけでなく、そういう心配りが「スペリア」のスペリアたる所以です)
さあ、お待ちかね? アンコールです。私が舞台の左袖に一瞬目をやると、三宅さんが出ようと待機している姿が目に入りました(「スペリア」の開場前の予想では、震災記念ということだったので、「祈り~a prayer」を歌うのかなということでしたが、本編ではなかったので、アンコールかな、と思っていました)。でも、長岡には、ふさわしい震災記念曲があったんです。私齋藤忘れていました。平原綾香さん(以下、本人も使っている愛称「あーや」を使います)の2003年12月のデビュー曲「ジュピター」です。経緯は、「とりあえずの報告」に、かぴたんさんが、書かれている、まさにそのとおりです。
(「スペリア」の予想は「祈り」だったんですね、確かにそれもありだな)
三宅さんのジュピターの感想を書く前に、少しわき道にそれますね。あーやと三宅さんには、共通点があります。まず、二人とも「がんばる」を書くときに必ず「顔晴る」と書きます。この言葉から、二人の歌や生き方に対する姿勢もよく似ています(ブログを読まれるみなさんは、三宅さんの歌や生き方に対する姿勢を考えてみてください。それがあーやにも当てはまるところがあります)。三宅さんは、声楽家ですから、クラシック曲やミュージカル曲を歌うのは、三宅さんの本分です。でも、あーやもクラシック曲を自分で歌詞をつけて歌い、ミュージカルにも、3本出演しています。といった具合です。ちょっと横道にそれすぎましたかね。
(いいんです、脱線常習者の私が許可します(╹◡╹))
「エブリディ」と三宅さんの低音の声が、聞こえてきたとき、私齋藤は、もう涙が出ていました。ずーっとずっーと聴きたかった三宅さんのジュピターのソロの生歌です。私齋藤は、この10年来、毎年ツアーコンサートで、あーやの生歌のジュピターを聴いています。私が、その生き方を尊敬する2人のスーパー歌姫の1人である三宅さんが、あーやのジュピターを生で歌ってくれる日をずっと待っていました。
(よかったねー、斎藤さん(T_T) )
ジュピターは、すごく音域が広く、オリジナルの楽譜では、1オクターブ低い「lowF」(Fとはファの音)から1オクターブ高い「hiF」の音まで、1曲で、2オクターブの音域を使います。
(なるほど、そういうことか…ってどういうこと?)
あーやは、私齋藤は、「奇跡の声域」と勝手に呼んでいますが、その声域の広さはすごいです。特に女性には難しい低音の響きは、本当に感動・感嘆するものがあります。ジュピターは、あーやが得意の低音部から始まるので、感情移入としても、そこが重要になります。
三宅さんの低音の響きは、素晴らしいものでした。ゾクゾクと身震いするほどの感覚でした。赤嵜さんがこの日の朝、きっと冗談でおっしゃったと思うのですが、「もう明日死んでもいい」という言葉、私齋藤、この時、一瞬そう思いました。2番の「愛を学ぶために孤独があるなら、意味のないことなど起りはしない」のパートは、低音域で歌う場合と、1オクターブ高い高音域で歌う場合があります。あーやの場合は、低音域で歌い、コーラスが高音域で入りますが、三宅さんは高音域で歌われました。ここも、圧巻の響きとともに、三宅さんの被災者の方々への想いなどを一気に開放するような力強さを感じさせてくれました。(実はほんのちょっと残念な部分があったのですが-それは三宅さん自身が一番分かっておられると思います-そこは置いておいて)最後の「望むように生きて輝く未来を・・・」のパートへ至るまでの盛り上がりから、素晴らしい高音のロングトーンでのエンディングまで、もう、感動、感動でした(個人的な感想が多くてすみません。でも、この日、三宅さんの「ジュピター」を聴かれた方は、中越大地震被災地のある地域の方々がほとんどだったと思うので、歌唱後の、「ブラボー」の声などからしても、皆さん感動してくれたと確信しています)
(このくだりは、斎藤さんの想いがよく伝わりますね)
もちろん最後の行進曲「軍艦」は、何も言うことはなく、最高の演奏会の締めになりました。
実は、演奏会後、「スペリア」は、長岡駅行きのパスを待っていたのですが、まだ少し時間がありそうということで、横須賀音楽隊の楽器車と隊員用のバスが止まっているであろう場所に行ってみることにしました。雪でべちょべちょの中を歩いて、ホールの横の裏手に行ってみると、ありました、ありました、楽器車と隊員用のバス。「三宅さんかな」と思って近づいていくと、三宅さんも「スペリア」に気づいてくれたようで手を振って迎えてくれました。そこで、私齋藤は、三宅さんに「ジュピター素晴らしかった」と直接伝え、「毎年長岡花火でジュピターが演奏されることとかで、ジュピターだったの?」と聞くと、「そうです。」と答えてくれました。三宅さんや他の隊員の方にお礼を言って、「スペリア」は帰りのバスが来るバス停に向かいました。外はすごく寒かったですが、最後の最後にもいいことがあり、良かったです。
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如何でしたでしょうか。スペリア斎藤の熱い想いが込められた素晴らしいレポートでしたね。スペリア斎藤は、演奏会取材の合間に時々弁護士もやってますので、結構忙しい方なのですが、このような詳細なレポートを短期間で仕上げてくださったことに、感謝したいと思います。
記事中で取り上げられていた、ピアニストの門田すずねさん、28日に開催される横須賀音楽隊の定期演奏会のプログラムにも「月光」が入っていることから、その素晴らしい演奏が聴けるのではないかとのことでしたね。
そこから敷衍すると、ひょっとしてですけど、定期演奏会の第1部MCが三宅由佳莉さんということもあり得るのではないか、と、ちょっとだけ期待が膨らんでいます。
でもね、東京音楽隊もそうなんですけど、予想すると大概外れるんですよね。だったら予想すんなよ? 仰りたい気持ちはわかりますが、それが人情というものでしょう。