あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

クリスマスプレゼンント

 12月ですね。

 時間の流れはいつも一定のはずなのに、12月になった途端に「もう12月なの?」と毎年思います。また、何もできないまま1年が過ぎ去ろうとしていることに「ハタ」と気づくからなのかも知れません。

 皆様にとって、今年はどんな1年だったでしょうか。

 思いもかけない、歴史的かつ世界的な、新型コロナウイルスの惨禍が遍く猛威を振るう中、それぞれの人生を懸命に生きてこられたに違いありません。まずは「無事に」この1年を締めくくれることを慶び合いたいと思います。

 私にとって今年は、このブログを開設して以来初めて、重要なテーマである音楽隊の演奏会が殆ど「ない」という事態に直面するという特異な年でした。その意味では、三宅由佳莉さんが御自身のインスタグラムに次々とサプライズ投稿をして下さったことは本当に救いでした。というか、インスタグラムを通じて、三宅さんが従来の殻を打ち破って行く様を皆さんと共に目撃していくプロセスだったように思います。あんなに驚いた「空手家の子」も、今では三宅さんの一部として、すっかり定着したような気がします。

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 あのインスタグラムサイトの存在は実に大きかったですね(╹◡╹)

 同時に、各音楽隊がそれぞれの趣向を凝らした動画をyoutubeにアップしてくれたことも思い出されます。

 特に、コロナへの取り組みがまだよく見えない頃にリリースされた大湊音楽隊の「パプリカ」動画が、個人的には印象深いです。

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 この動画を皮切りに、各音楽隊がyoutubeにリリースする動画のことを紹介する記事をたくさん書きました。演奏会が開催されないことで、音楽隊の皆さんの演奏を聴くことができず、悶々としている私たちへのプレゼントだったのでしょうけれど、音楽隊の皆さんにとっても、聴衆の前で演奏することができないフラストレーションを発散する場だったのかも知れません。本当に興味深い動画がたくさん誕生しました。

 それでも、ウイルス感染対策に対するノウハウや心構えが一般に浸透したことも一助となっているのか、最近ようやく、様々な制約はあるにせよ、ホールでの演奏会がチラホラと開催されるようになってきました。

 私も、幸いなことに横須賀音楽隊の「ふれあいコンサート2020」や先日の「3自衛隊音楽コンサート」を会場で楽しむことができましたし、演奏会の報告記事を書く喜びを久しぶりに味わうことができました。

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 そして思ったことは、「やっぱりライブはいいなぁ」ということなのです。生の感動という意味で、ライブに勝るものはないでしょう。

 でも、と最近は思うんです。

 音楽隊のホールでの演奏会は、いつだって掛け値なしに素晴らしいです。演奏技術はもちろんのこと、会場に詰めかけた聴衆をいかに楽しませるかに心を砕いておられることがよく判るからです。私が「でも」と思うのは、あんなに素晴らしい演奏会を聴くことができる人が本当に限られた数しかいないということなのです。

 ですから、日本に限らず、多くの人々にその演奏を楽しんでもらうために、以前から動画配信によるサービスの提供ができればいいなぁとは思っていたのですが、図らずも、新型コロナウイルスのおかげで、各音楽隊が、それこそ趣向を凝らした各種動画を次々とリリースすることとなった今年は、画期的な年だったと言えるかも知れません。

 ただ、制約は多いとは言え、ホールでの演奏会が次第に再開の方向に向かい出すのと機を一にして、動画の配信ペースが落ち始めたような気がします。それはそうでしょう、入場者数が限られるからといって演奏会の準備に何ら違いはありませんし、コロナ対策も加わるわけですから普段以上のロードがかかります。それと並行して動画配信を行うのは至難の技でしょう。

 とは言え、音楽隊としても、動画配信という手法に手応えを感じている部分もあるのではないでしょうか。今後の広報演奏の新たなジャンルとして有力であることは間違いないでしょう。

 長々ともっともらしいことを書いてきましたが、それは1本の動画をご紹介したかったからです。このブログをお読みの方であれば、少なからず既にお気付きかとは思いますが、昨日、海上自衛隊の公式チャンネルに横須賀音楽隊の動画がリリースされました。

 山下達郎による不滅の名作とも言える「クリスマス・イブ」のカバー動画です。しかも、男女デュエットバージョンです。そう、三宅由佳莉さんと藤沼直樹さんによるこの曲のデュエット動画が、華々しくもリリースされたのです。何故か埋め込みができませんので下の写真をクリックしてみてください。海自サイトの動画に飛ぶことができます。 

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 角田鈴音さんによるピアノにのせて、三宅由佳莉さんと藤沼直樹さんが美しいハーモニーを響かせてくれるこの動画、これまでの音楽隊の動画とは一味も二味も違う世界を醸し出している気がします。まだご覧になっていない方は是非尋ねてみてください。さもないと後悔しますよ(^^)

 撮影会場となった田戸台分庁舎の歴史あるシックな佇まいもこの動画に、何とも言えない雰囲気を添えてくれます。 

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 田戸台分庁舎は、帝国海軍時代に横須賀鎮守府長官(現在で言えば横須賀地方総監)の官舎だった施設で、歴史的価値のある建物ですし、様々な催しの会場としても提供されています。

 今回ご紹介した動画の後半では、そのようなことが横須賀音楽の長岡隊長から紹介されてもいました。

 そして、長岡隊長からのメッセージには「メリークリスマス」の他に「良いお年をお迎えください」とありました。つまり、この動画は、横須賀音楽隊が提供する、本年最後の動画ということなのでしょう。

 1年が終わろうとしていることを改めて感じるとともに、一年の締めくくりとして、このような素晴らしい動画を「クリスマスプレゼント」として提供して下さったことに、心から感謝申し上げたいと思います。