昨日、戦後初めての「緊急事態宣言」が政府から出されました。法律条文の不備もあり、発出には時間がかかった面もあるようですが、強制力はないとはいえ、そもそも政府としてこのような意思表示を明確な形で出すことの影響は非常に大きいため、そのタイミングを決定するのは、側で見ているほど簡単ではないと思います。
私がいつも利用する駅の前に、4月1日に開店したばかりの蕎麦屋さんが、緊急事態宣言を受けて今日から5月6日までの1ヶ月間営業停止となりました。つい先日華々しく開店したばかりなのに、気の毒で仕方ありません。
仄聞するところでは、カラオケチェーン大手のビックエコーや人気のスターバックスコーヒーも当分の間営業停止となるようです。他にもたくさんの人気店が営業停止になっていることでしょう(パチンコ店はどうかな?)。
私の会社も本日から、職員をA班とB班に分けて、一日交代での出勤となりました。
同じように、社員をなるべく自宅待機にするよう努めている事業所が多いのではないかと思います。もちろん、社員の身を守ることもありますが、ひとたび感染者が発生すれば、その事業所は閉鎖の上消毒措置が取られますし、多くの事業所がテナントとして入居しているようなオフィスビルであれば、いずれかの事業所で感染者が発生すれば、全テナントが閉鎖に追い込まれる可能性があり、その影響は計り知れません。
ですから、ここは本気で感染拡大を抑え込むことに全ての人が集中しなければならないと思います。
緊急事態が宣言された社会は、戦時動員が行われたのと似たようなものです。何しろ現場に充当できる人員が半減するのですから。
他方、戦時動員とは違い、生活者の頭数が減っているわけではありませんから、従来通りの生活を維持するため、また、この事態に対処するため、特定の業種には増員も含めて事業継続が求められています。
そうです、医療関連の現場です。病院だけでなく、薬局やドラッグストアなど、医療に連なる現場は戦闘モードに入っているようです。
また、国民の生活を維持するため、スーパーなどは営業を維持することが求められていますし、そこに物資を途切れることなく送りつつけるためには、製造業と流通業のみなさんも、必死で頑張っておられます。
そんな皆さんの頑張りのおかげで、日々の生活は維持されていますし、医療体制もなんとか踏みとどまっています。
SNSなどを見ていますと、ドラッグストアなどで、「おい、マスクはないのか」「どこかに隠しているんだろう、早く出せ!」などという心無い言葉も聞かれるそうです。もちろん、事実関係は確かめようもありませんが、そのような書き込みが多数あるということは、実際に起きているのであろうと思われます。
このような時期だから、という前に、「俺は客だぞ!」という態度がそもそも、気に入りません。どんなに金を持っていたって、物を作り、流通管理し、売ってくれる店がなければ何も買えないのです。社会の一員としての教養を疑います。
その辺のことについて以前書いた記事がありますので、興味のある方は読んでみてください。
そんな、心無い言葉を吐く者もどうかと思いますが、このほど、緊急事態宣言が発出されたことに反対し「勝手に決めるな」との怒りの集会・デモ行進が行われたとのこと。
は?何言ってんの?
悠長に議論している暇がないから「緊急事態」なのではありませんか? だから、政府にその宣言を行う権限を予め与えているのが緊急事態対処法です。それを「勝手に決めるな」と言っている異常さが分からないのでしょうか。しかも、感染爆発の危機を社会が一丸となって抑え込もうとしている矢先に「集会」とかあり得ないでしょう。
つまり、日本の社会において感染爆発を起こしたい人たちがこのような活動を行なっていると判断するしかないと私は思います。
遊びじゃないんだ、ふざけるな!