あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

赤いきつねと緑のたぬき

 マルちゃんの「赤いきつね(うどん)」と「緑のたぬき(そば)」

 テレビCMでもおなじみのカップ麺ですが、おそらく食べたことのない人はいないんじゃないでしょうか。

 どちらも、安くて手軽で美味しいのですが、個人的な好みで言いますと「たぬき」の勝ちです。もちろん「そば」が好きだということもあるのですが、「赤いきつね」が熱湯5分なのに対し「緑のたぬき」は熱湯3分! 2分の違いは大きいです(╹◡╹)

 あのサクサクのかき揚げ天ぷらを、どのタイミングで投入すべきなのか、議論の分かれるところですが(大げさ(≧∀≦))、私は麺を半分くらい食べたところで「えいっ」と投入します。いや、投げ込むわけではなく、そっと入れるんですけど(╹◡╹)そうすると、食べ終わるまで、サクサク感が失われないので気に入ってます。

「赤いきつねと緑のたぬき」の画像検索結果"

 と、唐突な話題で申し訳ありません。でも、ピンと来ている方も結構おられるんじゃないでしょうか、以前にも何度か、ちらっと書いたたことがありますから。

 先日「O先輩からの便り」という記事で、「すぎ」さんが、謎のインスタグラムサイトに、三宅由佳莉さんのインタビュー記事の写真が2枚掲載されていることを報告してくださったことを紹介しました。

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 記事では触れませんでしたが、「すぎ」さんの報告には続きがありました。

 

 この記事に三宅さんの写真が載っていますが胸の防衛記念章が7つになっていますね。去年6月ころ、かぴたんさんがこうなると図示されていたとおりの配置ですね。

 

 去年6月頃の記事というのがこれです。遠洋練習航海での初寄港地であるホノルルで開催された演奏会での写真で、三宅さんが着用されている防衛記念賞が一つ増えていたものですから、そのことを話題にしました。

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 その中で、おそらく東京音楽隊離任時に授与されたと思われる5級賞詞が加わって、防衛記念賞が4つから5つに増えたけど、遠洋練習航海が終わると、海外訓練参加の防衛記念賞が増え、更には10年勤続表彰の時期も重なるので、11月以降は7つになるよ、と紹介しました。

 左が記事で紹介した予想図、右が今回の写真からの切り取り(一部襟で隠れています)ですが、全く同じ配置であることがわかると思います。でも、何しろそのように装着するように決められているので、実は予想でもなんでもないんです(≧∀≦)

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 防衛記念賞には、一つ一つ番号が付けられていて、それぞれ「第・・号防衛記念賞」と呼ばれます。ただ、結構な頻度で新たな記念賞が制定されており、それらが、同類の記念賞の番号のそばに割り込んでくるものですから、後ろの方になればなるほど、どんどん番号が大きくなっていきます。そのように不安定なものなので、個々の記念賞を番号で認識している人はいないと思います。

 ただ、防衛記念賞は、その番号順に装着することになっているので、第何号かはわからなくても、どっちが先なのかは把握しておく必要があります。

 さて、上の図で、一番シンプルな防衛記念賞がこいつです。

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 これは、10年勤続表彰に伴い着用資格が得られるものです。

 三宅由佳莉さんは、昨年、入隊から10年の節目を迎え、勤続表彰されたことに伴いこの防衛記念賞の着用資格が得られました。この防衛記念賞には兄弟がいます。

 こいつです。全く同じデザインで色だけが違います。

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 これは、25年勤続表彰に伴い着用資格が得られます。

 ここまでくれば、もうお分かりですよね。

 そうなんです、この二つを自衛官は「赤いきつね」と「緑のたぬき」と呼び習わしています。誰が言い始めたのかはわかりませんが、おそらく全国の部隊で自然発生的にそう呼ばれるようになったのではないでしょうか、非常にしっくりと定着しています。

 おそらくですけど、他の記念賞が何からの功績に対して授与されるのに対し、この二つはちょっと性質が異なり、永年務めたことで着用資格が得られること、そしてそのデザインがかなりシンプルであることから、自嘲気味にそう呼ばれているのではないかと思います。いえ、永年勤続は、表彰されるくらいですから立派な功績なのですが、どちらかと言えば消極的表彰だとの捉え方が強いんだと思います。

 海上自衛隊ではもうちょっと違う言い方もされます。

 25年勤続の「緑のたぬき」を付けると、「お、お前も両舷灯が灯ったな」などと言われたりします。両舷灯とは、鑑、あるいは航空機の右舷(緑)と左舷(赤)の航海(航空)灯のことです。両舷灯が灯ったことで、お前もいよいよ本当のベテラン(老兵)になったな、ということです。

 左舷灯が灯った三宅由佳莉さんの、円熟の活躍が期待されますね(╹◡╹)

 さて、昨年一気に3個の防衛記念賞を得た三宅さんですが、もう暫くは新しい授与はないのでしょうか。

 実は、今年もう一つ増える可能性があると考えています。そう、オリンピックです。新型コロナウイルスの影響で開催への懸念も囁かれ始めていますが、予定通り開催されるとすれば、間違いなく自衛隊の音楽隊は支援演奏を行いますし、国歌の独唱はさておき、歌姫の皆さんにも出番があるはずです。

 そうなると、「国家的行事への参加」に伴い着用が認められる防衛記念賞が授与される可能性が高いと思われます。こいつです。
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 昨年の御即位御列の儀において、赤坂御所正門前で「新祝典行進曲」を演奏した東京音楽隊の皆さんも、きっと着用されていると思います。

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  もし、そうなった場合には、今年の秋から三宅さんが着用する防衛記念賞はこんな風になるはずです。

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  防衛記念賞については、もう少し書きたいことがありますので、次回の記事に続けたいと思います。