昨日、長野でのふれあいコンサートの会場に辿り着くまでの経緯を報告しました。
今回の演奏会は、東京音楽隊の自主広報ではなく、長野地方協力本部を通じた、長野市防衛協会・長野商工会議所共催による「自衛隊ふれあいコンサート」への協力という形になりますので、演奏会に先立ち、長野市防衛協会会長様からのご挨拶がありました。昨今の我が国周辺の緊迫した国際軍事情勢に触れ、国内、特に国会議員の間に危機感が全く感じられないことを憂いておられました。
続いて、長野地方協力本部長の林秀彦・1等陸佐よりご挨拶があり、自衛隊に馴染みの薄い長野県では、新隊員の募集が難しい実態を吐露され、会場に向かい、理解と協力が求められました。そこで、会場入りする際の長い列で私の前におられたご婦人方の会話を再び思い出しました。「人数はすごく多いけど、若い人はあまりいないわね」「ほんと、年配者ばかりで・・・、本当は入隊してくれるような若い人に来て欲しいんだろうけどねぇ」・・・耳が痛い言葉ではあります(≧∀≦)
ご挨拶が終わり、以後の進行が東京音楽隊に委ねられる前に、運営側のアナウンスがありました。
「ただいまから国歌の斉唱を行います。ステージ上、国旗が入場いたしますので、会場の皆様はその場にご起立ください」
そして右袖から、陸上自衛官に護持された国旗が入場、同時に左袖から橋本晃作さん、三宅由佳莉さんのお二人がその順番でステージ上に登場されました。お二人による国歌「斉唱」なのか、会場の皆も歌う斉唱なのか、どっちかな、と思っておりましたら、アナウンスが「会場の皆様は声は出さなくて結構ですので、心の中で一緒に斉唱していただけたらと思います」とのことでした。これもウィズコロナならではの配慮なのでしょうけど、私は久しぶりに大きな声で歌いたかったな(≧∀≦) それはさておき、三宅さん、橋本さんのお二人による国歌「斉唱」は、心が澄み渡るような本当に素晴らしいものでした。この時点ではまだ、場内撮影禁止などのアナウンスはされていなかったので、しれっと撮影すればよかったと思いました(≧∀≦) いつも後知恵です。
国歌斉唱が終わり、お二人が左袖へ、国旗が右袖へそれぞれ退場した後、それぞれの楽器を手にした隊員の皆さんが両袖から次々と入場してこられると、会場からは大きな拍手が送られました。今回の演奏服は、タキシードタイプの演奏服でした。2022年7月29日に東京オペラシティで開催された「音楽の『たまて箱』」でお披露目となった新演奏服の冬服(黒)だと思います。
■第1部
隊員の皆さんが席に就かれたところで、ステージ左奥のパーカッションエリアから、吉田佳奈恵さんがマイクを手に進み出てこられました。
(この写真は、2019年の東郷の杜音楽祭でMCを務める吉田佳奈恵さんです)
いつものように素敵な笑顔で滑舌良く「みなさんこんばんはー」と呼びかけられると、会場からも大勢の方から「こんばんはー」と反応が返ります。大ホールならではのこの感じがいいですね(╹◡╹)
ちなみに、吉田さんは、2019年の東郷の杜音楽祭(上の写真)のほか、先日横浜みなとみらいで開催されたフリートウィーク野外演奏会でのMCも見事にこなされてましたね。以前、練習艦隊音楽隊に派遣されていた際には、海外での演奏会で英語を交えたMCもされてました。滑舌がとても良いので聞きやすく、ちょっと抑え気味の茶目っ気が垣間見えて、それが独特の魅力になっています。今後もMCの機会が増えていくのでしょうか、楽しみです。
「これからのひととき、海上自衛隊東京音楽隊の演奏をお楽しみください」…(はい、そうします(╹◡╹))
吉田さんは、今年が海上自衛隊創設70周年、そして東京音楽隊開隊70周年に当たることなどを紹介された上で、「最初にお送りするのは・・」と曲紹介を始められましたが、ステージ中央の指揮台の上には誰もおられない状態なので、ちょっと「あれ?」と思いました。
■1曲目:波に映るは暁の色
「最初にお送りするのは、海上自衛隊創設70周年を記念して作られた委嘱作品、『波に映るは暁の色』です。作曲者は、『艦隊これくしょん』通称『艦これ』に多くの作品を提供してこられた亀岡夏海さんです。亀岡さんによれば、この作品は3つの部分から成っており、最初は勇ましいファンファーレの中艦艇が出航していく様が、続いて洋上でのひと時の静寂に包まれる艦の佇まいが、そして最後に艦上から発進する航空機の躍動感と浮揚感が表現されているそうです。」ここで、左袖から長岡・前横須賀音楽隊長が登場されたので「お」と思っていると、吉田さんが「指揮は、東京音楽隊副長、長岡英幸・1等海尉です」と紹介されたのです。
長岡1尉は、今年(2022年)9月に横須賀音楽隊長から東京音楽隊副長に異動されていたのでした。図らずも、久々に長岡さんの指揮を拝見する機会が得られました。
この曲を収録した動画はないものかと探してみましたが、どうにも見つかりません。まだ初演から日が浅いので、公式チャンネルにもアップされていないのでしょう。
多分こんな感じかなー、と想像しながら心の中に流れるメロディを楽しんでみてくださいね(無理か(≧∀≦))
演奏が終わり、会場からの拍手喝采に深々と礼をされた長岡副長は、指揮台を降りて左袖へ退場されます。
ここでちょっと、ステージ上のことに触れておきますと、いつもと「全然違う」配置になっていたのがグランドピアノです。ステージ前面の左端に据えられているのですが、客席に背を向けて演奏する形で置かれています。このような設置の仕方を私は初めて見ましたが、どうなんでしょう、よくある方法なんでしょうか? 私たちファンからすれば、太田さんが演奏される様子、鍵盤の上で華麗に踊る手指の動きがよく見えるので、とても嬉しいことなんですが、観客に背を向けて演奏するのって太田さんにとってはやりにくいんじゃないかなぁとちょっと思いました。また、オルガンがグランドピアノの向こう側に置かれていたようで、太田さんが時々そちらに移られて演奏し、また戻ってくるという動きになっていました。zubizubizhyさんによると、松本公演では、ステージ余積の都合なのでしょうけど、オルガンがピアノから離れたステージ中央に据えられていて、太田さんがダッシュで(^ ^)移動されていたとのことです。いろんな工夫をしながら良い演奏を聴かせてくださってるんですね、ありがとうございます。
■2曲目:スピリティッド・アウェイ〜「千と千尋の神隠し」より
日本が世界に誇るジブリアニメ、中でも巨匠の名を縦にしている宮崎駿監督による金字塔とでも言うべき作品が「千と千尋の神隠し」でしょう。そして、Spirited away とは「神隠し」の意味で、「千と千尋の神隠し」の英語タイトルでもあります。
ここからは、東京音楽隊長、植田哲生・2等海佐の指揮となります。長岡副長の指揮は1曲目だけとなりましたが、副長としての指揮デビューということだったのでしょうか、曲の紹介の後に登場されたのも、その辺りを考慮したことなのかも知れません。
この演目は、作品中で使用されている楽曲を巧みに組み合わせ、メドレイとして編まれたものです。出だしは「千と千尋」の摩訶不思議な世界観を下支えする、微かな不安感を伴った無機質であるが故に心に漣が立つようなサウンドを、赤嵜尚子さんとMC吉田佳奈恵さん、お二人のマレットが奏でていきます。次第にオーケストラの音が乗ってきて、重厚なサウンドに膨らんでいきます。そして、多彩な音が織りなすちょっと不安を煽る「千と千尋」の世界が描かれていきますが、一転、「いつも何度でも」の優しい旋律が聴く者に安心感をもたらしてくれます。ここでも、赤嵜さん吉田さんのマレットが美しいメロディを奏でていきます。お二人とも、楽器を離れた時のにこやかな笑顔とは打って変わってシャープに研ぎ澄まされた表情で演奏されていました。
お二人の息のあった、精密な演奏が光りましたね。
YouTubeから、動画を埋めておきます。
3曲目は、ジャコモ・プッチーニの有名な歌劇「トゥーランドット」からの1曲「誰も寝てはならぬ」です。架空の時代の北京を舞台に展開されるこの歌劇は、絶世の美女であるトゥーランドット姫に求婚する数多の諸侯に対し、結婚の条件として姫から出される三つの難問に答えられる者が現れない中、名を伏せた某国王子カラフは見事にこの難問をクリアしたにも関わらず、首を縦に振らないトゥーランドットに対し、明日の朝までに私の名を明らかにできれば結婚を諦めこの命も捧げよう、しかし明らかにできなければ姫は私のものだ、との挑戦を突きつけます。そこでトゥーランドットは、全国民に対しかの王子の名を明らかにするまで「誰も寝てはならぬ」と命じ、明らかにできぬ場合は国民全員皆殺しだと宣言します。北京では、昔も今も、そして架空の世界でも、同じようなことが繰り返されますね。そして、劇中でカラフが歌い上げるのがこの「誰も寝てはならぬ」というわけです。
この曲を、東京音楽隊のパヴァロッティとも言われる(私見です^_^)橋本晃作さんが歌い上げます。
今年(2022年)7月に行われた「音楽の『たまて箱』」でも披露され、聴衆を驚かせたのですが、今回は更にグレードアップした豊かな声量で、大きなホールの隅々まで、優美なテノールのアリアを響きわたらせ、聴衆の皆様を歌劇の世界へと引き込んで行かれました。実に素晴らしい歌唱でした。会場の皆さんも、期待を大きく上回る筋金入りの声楽家のパフォーマンスに驚きそして満足されたのでしょう、惜しみない拍手喝采が続きました。橋本さんも、歌い切ったという満足感が表情に現れていました。橋本晃作の名を長野の地に刻むこととなった長野公演、橋本さんの今後の更なる成長の糧となることでしょう。これからが本当に楽しみな人材ですね。
■4曲目:Sea of Wisdom /知恵を持つ海
次の曲ですが、吉田さんの説明によると、清水大輔さんが、和歌山県のある中学校からの委嘱により手がけられた作品なのだそうです。冒頭、コンサートマスターの近藤悟史さんらが何やら手のひらサイズの楽器でカモメの鳴き声を出されていました。そんな長閑な雰囲気から始まるこの曲ですが、美しいだけでなく力強く、また私たちを生かしてくれる恵の海から感じ取られる様々なイメージが織り込まれた曲ではないかと思います。
私は初めて聴く曲でしたが、力強いメロディーが大変印象に残ります。
フィルハーモニック・ウインズ 大阪の演奏動画がありましたので、埋めておきます。
この演奏が終わったところで15分間の休憩に入りました。
さて、第1部での岩田有可里さんはどうだったのでしょう、気になってる方も多いんじゃないでしょうか。岩田さんはコントラバス奏者としてステージ右端の定位置で演奏されていたのですが、私の席からはコントラバスのネックしか見えませんでした。ネックの上を忙しくかつ美しく渡り遊ぶ左手の優雅な動きは見えるのですが、お姿はほぼ見ることができませんでした。
そして、休憩時間に入り、隊員の皆さんは両袖からはけて行かれますが、赤嵜さんはいつものとおり、パーカッションエリアの確認などをされるためでしょうか、暫くステージ上に残っておられました。また、岩田有可里さんも、コントラバスのチューニングと、2部で演奏されるエレキベースのチューニングをされていたので更に長い時間ステージ上に残っておられました。
いつもなら、赤嵜さんや岩田さんの近くまで行って挨拶するのですが、今回、コロナ禍の中での開催であり、更に滅多に開催の機会がない長野での演奏会ということもあって、地元の聴衆の皆さんが東京音楽隊のコロナ対策に疑念を持たれるようなことがあってはならないと考え思いとどまりました。でも、久々に岩田さんのチューニングを生で拝見することができました。しかも、ベースのポジションは、他の隊員の皆さんが着席したとしても私の席からよく見えそうです。第2部では岩田さんが演奏する姿も拝見できそうです(╹◡╹)
■第2部
15分の休憩はあっという間に終わり、第2部の開幕となりました。
■5曲目:鎌倉殿の13人 メインテーマ
第2部のスタートは、今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メインテーマです。
音楽隊の演奏会では、これまでも毎年、その年の大河ドラマのメインテーマ曲を演奏してきました。テレビ離れ、NHK離れが進んでいるとは言われていますが、未だ高い視聴率を誇っているのが大河ドラマであり、多くの国民にとって愛着のある楽曲であるからこそ、音楽隊が毎年取り上げているのだと思います。私の知る限り、本年も7月のたまて箱、9月の第64回定例演奏会、そして前日の松本公演に続き4度目の演奏となります。例年はもっともっと回数が多いです。
私は見ていませんが(物理的に見れない(╹◡╹))、大変面白いドラマだそうですし、この曲を聴いていると何か心に火がつく感じがしますね。
■6曲目:中央フリーウェイ
この曲、私の年代だと青春真っ只中における、ヒット曲などという軽い存在ではなく、もう時代のベースを形作る楽曲の一つだったような気がします。松任谷由美さんがまだ荒井由美として活躍されていた頃の作品ですが、軽妙かつどうしようもなくお洒落な曲ですよね。吉田さんのMCです「今年は松任谷由美さんがデビューしてから50年の節目の年」「私たちも中央フリーウェイつまり中央高速道を通ってここ長野までやってまいりました」なるほど、様々な縁を繋いで楽曲選定が行われているんですね。それにしても、松任谷由美さんのデビューからもう半世紀になるのかと、ちょっと驚いた次第です∑(゚Д゚)
東音の動画はなかったので、陸自東部方面音楽隊のランチタイムコンサートでの演奏動画を埋めておきます。
■7曲目:地上の星
吉田佳奈恵さんによると、中島みゆきさんは、今年て70歳なのだそうです。びっくりです。松任谷由美さんのデビュー50周年にもびっくりしましたが、それ以上に驚きました。つまり、海上自衛隊と同い年ということですね。それもあって中島みゆきさんの、ある種代表曲でもある「地上の星」が選曲されているのでしょう。実はこの曲、今回の長野公演で初めて演奏されたわけではありませんん。naturalさんがこのブログにレポートを書かれた、ミューザ川崎での第64回定例演奏会で披露されているのです。naturalさんのレポート内容と今回の演奏を突き合わせると、おそらく同じアレンジではないかと思われます。
この曲、歌唱付きです。誰が歌った? もちろん、我らが歌姫三宅由佳莉さんです。
それにしても驚きました。こんな三宅さん見たことないです。
演奏会前に、jubijubizhyさんが、「恐ろしい歌です、眠れなくなりますから気をつけてくださいね」と仰っていた理由がよくわかりました。
左袖から登場された三宅由佳莉さんは、いつものとおり満面の笑顔で観客席に手を振りながらステージ中央よりの立ち位置に向かいますが、イントロが始まると表情は一変、仁王立ちする鬼神のごとき迫力と、今にもレーザービームを照射しそうな鋭い眼光で会場を睥睨します。
そして、キレのいい身のこなしと共に、ソプラノ歌手とは到底思えない凄みの効いた低音の歌い出しで「ハッ」とさせられます。「誰が歌ってるの?」と一瞬意味不明の混乱に陥りました。目は三宅さんの歌う姿を捉えているものの、脳内で整合が取れるまでに時間がかかったのだと思います。いやびっくりです。
そして、途中で何度か途轍もない高音域での歌唱が突然入り、度肝が抜かれます。
演奏前の紹介で、「歌姫三宅由佳莉2曹が、この歌を、今年て10万59歳を迎えたあの閣下のバージョンでお送りします」的な紹介をされていました。naturalさんのレポートでも、いかづちさんのメモとして「アレンジがデーモン小暮閣下バージョン。すっかり閣下モードで歌い上げます。本当にゲームチェンジャー三宅!健在です。」とありました。これ読んだだけじゃよく意味がわからなかったのですが、今回よーくわかりました。
最後に高笑いをされるというオプションもありではないでしょうか(ないか(≧∀≦))
例のインスタグラムで、お仕着せのイメージの殻を徐々に破り、最後は木っ端微塵にして、自らを解放された三宅由佳莉さん。今ではすっかり伸び伸びと表現者としてのご自分を満喫されているのかと思いきや、まだまだ進化(いや革命か?)の途上にあるようです。
眼光鋭いままで歌い終わった三宅さん、パッと笑顔に戻り身のこなしも柔らかく喝采に応えて、またにこやかに会場に手を振りながら退場されました。
もうフォローしきれない速さでトランスフォームして行かれますね、三宅さん(^^)
とは言え、この歌の歌詞にご自分なりの考察を加えてその意味を深く理解された上でこの歌に臨まれています。これもいつものことだとは思いますけど。
naturalさんのミューザ川崎レポートからの抜粋です。
三宅由佳莉さん、Twitterでご自身なりの歌詞の解釈をされています。
3オクターブの音域を使う挑戦的なアレンジで歌の持つ世界観を表現してみました。
ペガサス=男
ヴィーナス=女
空=憧れ
氷=消えて無くなる物
つばめ=プロジェクトX(無名の人々に光を照らした番組)
照らすまでもなく輝いている地上の星(あなた)へ
これを見事に表現されたと感じました!由佳莉さん、本当に素晴らしいです!👏👏👏
いや、お見それしましたm(_ _)m
この曲については、動画は埋めません。どんな動画を持ってきても、三宅さんのあの歌のイメージに近づけるわけないですから。
■8曲目:ホワイト・クリスマス
デーモン三宅の破壊的なエネルギーが充満した会場は、軽いパニック状態でザワザワしていましたが、吉田佳奈恵さんが、「ここからは、クリスマスナンバーをお送りします」と紹介され、ちょっと会場も落ち着きを取り戻します。
そして、クリスマスナンバーの最初に演奏されたのが、極めてオーソドックスな「ホワイト・クリスマス」でした。鎮静剤的な役割でしょうか。
■9曲目:jing, jing, jing(ジング・ジング・ジング)
吉田佳奈恵さんのMCです「次にお送りするのは『ジング・ジング・ジング』です。皆さんの中には『え?シング・シング・シングじゃないの?』と思われた方もおられるのではないでしょうか。実は、『シング・シング・シング』と『ジングル・ベル』をミックスして編曲されたナンバーとなっています」
ということで、このナンバーもよく演奏されますし、とても楽しい楽曲です。
私が初めてこの曲を生で聴いたのは、2018年12月にすみだトリフォニーホールで開催された東京音楽隊第59回定例演奏会(ハートウォーミングコンサート)でのことでした。その時は、静寂の中、いきなり爆弾が破裂したのかと思うような、中村圭吾さんの凄まじいドラムの音から曲が始まりましたので、今でも強い印象が残っています。
今回はそのような爆発的なスタートではありませんでしたが、やはり素敵で楽しい楽曲であることには違いありません。
特筆すべきは、清水恭子さんのクラリネット・ソロでしょう。ステージ中央に出てこられて、体を小刻みにスイングさせながら、とても楽しそうに演奏されている姿はとても素敵でした。清水さん、ちょっとイメージが変わったような気がします。髪型でしょうか、より洗練された知的ビューティという感じです。その演奏とも相まって、またファンが増えそうですね(╹◡╹)
そして、この曲では岩田有可里さんのベースがズンズンと心地よく腹にまで響いてきました。私の席からは、このノリのいい曲を楽しみながらベースを弾いておられる岩田さんの姿が真正面から見えますので、第1部とは打って変わって、演奏される姿もあわせてベースの響きを楽しむことができました。演奏後、隣席に座っておられたギャラリーさんも「岩田さん、カッコよかったですねー」と大満足されてました。ほんと、かっこよかったです、あ、いつものことか(╹◡╹)
■10曲目:クリスマス・キャロル・ファンタジー
吉田佳奈恵さんが「早いもので、次にお送りするのが最後の曲となってしまいました」と紹介されました。クリスマスナンバーの最後、そしてこの演奏会の最後の曲目は、クリスマス・キャロル・ファンタジー、定番のクリスマスキャロルをメドレイ風にアレンジされたもので、聴いているとクリスマス気分が自然と盛り上がってきます。この時期の演奏会の締めくくりとしては最適ですよね。
2017年12月にすみだトリフォニーホールで開催されたクリスマスコンサートでの演奏動画が海自公式ページにありましたので、それを埋めておきます。
演奏が終わり、大きな拍手が鳴り続ける中、植田隊長は観客席を振り返り、深々とお辞儀をして左袖に退場されました。
会場からは「アンコール!」の声もかかり、拍手は鳴り止みません。
と、意外と早く植田隊長が再び登場されたのですが、ここで場内アナウンスが入り、地元の生徒さんから花束の贈呈があるとのことでした。
植田隊長と、コンサートマスターの近藤さんがお二人の女子学生からそれぞれ花束を受け取られます。
■アンコール
学生さんたちが退場されたところで、植田隊長が指揮台に上がられました。「軍艦」だなと思っていると、左袖から三宅さんと橋本さんが出てこられました。え?歌唱付きの軍艦? いや、自主演奏会でもないのに、それはやらんだろうと思っているうちに植田隊長のタクトが振られ演奏が始まりました。・・・全然知らない曲です。
それもそのはず、長野県歌「信濃の国」という曲だったのです。
私たちは知りませんが、地元長野の皆さんにとっては馴染み深い郷土の歌です。会場から大きな手拍子が聞こえてきました。おお、なんだこの一体感(*'▽'*)
地元の皆さんに馴染みのある歌はとても大切ですね、いい感じでした。
「信濃の国」で皆さんが盛り上がり、拍手喝采を受けて、植田隊長が「もう1曲ね」というジェスチャをされ、またステージに向き直ります。
今度こそ「軍艦」でしょう。
当たり!(そりゃ当たるわな)
この曲も、もちろん皆さん大きな手拍子で参加します。最後の「軍艦」はやっぱり文句なしに盛り上がりますね。最高です。最高なんですけど、この演奏が終わったら、演奏会も終わってしまうんだな〜と思いながらの盛り上がりなんです。盛り上がってるんだけど、ちょっと寂しい。そんな感じです。
演奏が終わり、大喝采の中、植田隊長は皆さんに深々とお辞儀をされ、左袖に退場されようとしますが、途中で立ち止まり、手招きで三宅さんと橋本さんを呼びます。
お二人が登場して会場に向かって手を振り、お辞儀をすると、会場はまた一段と盛り上がりました。女性ボーカリストだけでなく男性ボーカリストを加え、東京音楽隊の2枚看板にするという構想は大当たりだと思います。
さらに表現の幅も奥行きも広がった東京音楽隊の、今後の一層の活躍に期待して良いと思います。音楽隊の皆さん、お疲れ様でした。そして素敵な演奏をありがとうございました(╹◡╹)