あれこれdiary

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三宅由佳莉さんの咆哮

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 今回のタイトルは、ちょっとどうかと、少しだけ躊躇しました。猛獣でもあるまいに「咆哮」はないだろう。

 でも、敢えてこの言葉を使います。

 今回ご紹介するのは、「息吹〜独唱と吹奏楽のための交響的カンタータ」という曲を歌う三宅由佳莉さんです。

 この曲は、東京音楽隊委嘱作品、つまり、東京音楽隊が部外のアーティストに製作を委嘱した、オリジナル作品ということです。

 最初にこの動画を見たときは、本当に驚きました。15分ほどの曲なのですが、一本のオペラを観ているかのように、曲調は大きな抑揚をもってドラマチックに展開します。三宅由佳莉さんは、様々な歌唱法を惜しげもなく次々と披露され、また、場面場面に相応しい多彩な表現で、この曲に熱い命を吹き込みます。

 この曲は、その歌詞を見ればわかるとおり、大変メッセージ性の高い作品だと思います。「たった一つの命」の大切さ、そして、その命が、「遠い過去から自分の体を通り抜けて未来に繋がっている」不思議、「命をつなぐ場」としてのふるさとや国の大切さといったものを、深く内省して書かれた詞だと思いました。 

 そのメッセージを、体全体を使って力強く歌い上げる三宅由佳莉さんは、終始迫力に満ちています 。そして、特に後半のダイナミックな歌唱をお聞きになれば、何故私が「咆哮」という言葉を使ったかお分りいただけると思います。

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 私は、この曲を聴いて、心底、三宅由佳莉さんに惚れ込みました。

 これまでご紹介してきた、いろいろな曲も、もちろん素晴らしいし、どれも私のお気に入りです。でも、この曲は、何か特別な気がします。

 もちろん、三宅さんの魅力を全部引き出そうという意図で書かれた曲なのだと思いますが、三宅さんも、その能力を遺憾無く発揮されていますね、この企画は見事に当たりだと思います。

 そして、思うのです。

 三宅由佳莉さんは、本来、こういう世界で生きている人なんだということを。