あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

「自衛隊ふれあいコンサートin長野」に行ってきました(その1)

 昨日、「長野へ行くぞ(╹◡╹)」という記事でも書きましたが、東京音楽隊の長野遠征二日目は、長野市ホクト文化ホールでの「自衛隊ふれあいコンサートin長野」でした。

■長野への途

 午後休暇を取って、北陸新幹線に乗るため東京駅へ向かいます。首都圏以外で開催される東京音楽隊の演奏会に足を運ぶのは初めてですから、ちょっと旅気分も入り、気持ちが盛り上がります。

 東京駅で長野までの往復乗車券と自由席特急券を購入し、ホームに上がると、今まさに発車しようとする列車のドアが閉まろうとしていました。北陸新幹線を利用するのは始めてですから勝手が良く分からないまま、車両側面の表示板に見えた「長野」の文字を頼りに「えい!」と飛び乗りました。

 幸い多くの席が空いていましたので、3人掛けの窓側に座り、悠々と出発の様子をショート動画としてアップロードしました。

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 長野まで楽しい列車の旅を楽しもうと、座席の背もたれに深々と身を預けて満足感に浸っていたのですが、間も無く流れてきた車内アナウンスにギョッとすることになります。

 私が乗車した列車は「かがやき」という新幹線で、何と「全席指定です。自由席はございません」だって…、そんなこと発車する前に言ってよ! あ、ギリギリで飛び乗ったんだった(≧∀≦)

 仕方なく、最初の停車駅・上野で降りましたが、東京から上野まで新幹線で移動する人はまずいないのでしょう(そりゃそうだ^ ^)、ホームから乗車しようとしていた方々が、まさかの降車客が出てきたので、びっくりされてました(╹◡╹)

 上野で調べてみたところ(最初に調べろ💢)、「かがやき」は全席指定ですけど、金沢まで行く「はくたか」と、長野が終点の「あさま」は自由席列車があるようです。ホームの表示を見ると、次に来るのが長野終着の「あさま」でしたので、そいつに乗ることにしました。乗り過ごす心配はありません(╹◡╹)

 20分ほど時間がありましたので、昼食を取ろうと構内を歩いてみましたが、コンビニしかありません。せっかくの旅なので、久しぶりに車内販売の弁当でも食べてみることにしました。

 「あさま」の自由席は1号車から5号車です。my「あさま」が到着し、私は3号車に乗車しました。下りですので、1号車が最後尾になります。

 車内販売の弁当を買おうと通路側の席に座り、「さぁ来い!」と気合を入れていたのですが、またしても車内アナウンスです。「この列車では車内販売は行なっておりません」…、そんなこと発車する前に言ってよ! おそらく、運行距離の短い「あさま」では車内販売は採算が合わないということなのでしょう。事情はどうあれ、空腹の私にとっては「がっかりだよ!」な現実でした。

 長野着は1645頃ですし、開演は1830ですから、十分過ぎるくらい時間があります。長野に着いたら、まず信州そばでも食することにしよう。蕎麦処の信州・長野ですから、駅前には美味しい蕎麦屋がたくさんあるに違いありません(╹◡╹)

 そうと決まれば、また旅気分。

 車窓からの眺めをショート動画でアップしながらの旅程となりました。

(↓↓軽井沢駅に停車する際の様子です)

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  長野の一つ手前の停車駅・上田を出たところで、突然スマホがブルブルと震え出しました。ディスプレイを見ると、極めて珍しい電話の着信!zubizubizhyさんからです。おそらく何時頃着くのかの問い合わせだろうと思いましたが、座席で電話に出ることはできませんので、すぐにLINEで、間も無く長野に着くことをお知らせしました。

 いつもLINEで連絡を下さるのに、何故電話なんだろう、と訝しんでおりますと、LINEに返信がありました「ブログ読みましたが、開演時間は、1800です!」

 「え?」・・・・「ええ?

 マジかー(≧∀≦)

 ブログには「1830開演」と書きましたし実際そう思い込んでいました∑(゚Д゚)

 でも、「まもなく長野なら安心です!」との追伸に、「あ、そうだった、もう着くんだった」と胸を撫で下ろしたのでした。早めに出てきて良かった(^ ^)

 長野まで移動するだけなのに、事件多すぎでしょ(≧∀≦)

 ようやく長野に到着した時には、もう夕焼け時、魅惑的な茜色の空の下、残照に浮かび上がる街並みと遠くの山並みが美しい風景を醸し出していました。

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 と、しみじみしている暇はあまりありません。開演時間が30分早まった(私の中では^ ^)ことで、十分な余裕があるとまでは言えないからです。

 早く蕎麦を食べなければ!(そっちか(≧∀≦))

■信州そば

 ところがです、長野駅の周囲にたくさんあるはずと思っていた蕎麦屋が全く見当たりません∑(゚Д゚) そんなバカな、蕎麦王国信州・長野ではないのかΣ(-᷅_-᷄๑)

 諦めずに歩き回ったところ、駅ビル内にありました。

 信州そば「ナカジマ会館」!

 いわゆる立ち食い系のフランチャイズのようですが、蕎麦王国信州・長野で、敢えて「信州そば」を標榜しているのですから期待が高まります。時間も気になりますが、入店決定です(╹◡╹)

 私が注文したのは天たまそば(420円)ですが、麺が見えないほどの大きなかき揚げです∑(゚Д゚) 

 空腹と寒さを一挙に解決してくれた信州そば、美味しかったです(╹◡╹)

 東京から持ち込んだ空腹問題が解決したので、会場へ向かいますが、とてもわかりやすい経路で、10分ほどで到着しました。

■会場入り

 驚いたのは、会場入り口から長い長い人の列が続いていることです。

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 入館する際にわかったことですが、検温と手指の消毒のためのゲートがチョークポイントになってしまい、長い列ができていたようです。ウィズコロナならではの光景ということでしょう。

 列に並んでいる際、私の前におられたご婦人方の会話が耳に入ってきました。

「すごい人数ねぇ」「なんか、東京音楽隊の演奏会は、どこに行ってもこんな感じみたいよ」

 私も内心、「そうなんですよ、いつも大入りです」と相槌を打っていました。

 検温ゲートを抜けると、真正面に怪しい集団が・・・

 海自の迷彩服に身を包んだjubijubizhyさん(定番コスチューム)、当ブログの顧問弁護士・斉藤さん(勝手に任命)、横須賀地方総監部ギャラリーさん(今日もダンディー)のお三方です(^ ^)

 みんなで揃ってチェックインしましたが、チェックインゲートの前に、陸自の偵察隊用バイクが展示されていました。

 偵察のことを英語でreconnaissanceと言いますので、偵察部隊は通称「レコン」と呼ばれています。機甲部隊に置かれていますが、練馬の第1師団に第1偵察戦闘大隊が新編されたのを皮切りに今後偵察戦闘部隊として再編されていくようです。陸自は、近年、あらゆる面で、鍛える組織から戦う組織への変貌が著しい気がします。  さて、私を加えた怪しい集団は、入り口で手渡されたパンフレットの内容や前日の松本公演での演目などから、今日はどんな展開になるのだろうか、など会話を交わしましたが、松本公演もご覧になっているjubijubizhyさんと斉藤さんは、ギャラリーさんと私がサプライズを楽しめるようにと、言葉を選んで話されてました。本当は、驚いたこと、感動したことを喋りたかったんだろうなー、と演奏会を観てそう思いました。それほど素晴らしかったですよ、でも詳細は後ほど(╹◡╹)

 ホール内に入ると、すでに多くの方々が席についておられます。収容人員は1500名と聞きましたが、かなり大きなホールです。私たちの席は前から6列目の左端の方でしたので、ステージがとても近くに感じられます。ステージ上でチューニング等をされている方もおられませんでしたが、開演まではまだ時間がありましたので、例によって隊旗の撮影をさせていただきました。ちょっとステージも入れて・・

 コントラバスが置かれてますね、岩田さんの演奏が楽しみです(╹◡╹)

 

・・・・演奏会場に辿り着くまでにちょっと長くなってしまいましたので、演奏会自体の報告は、次回にしたいと思います。

 「え?結局そば食った話だけかよ!」という声も聞こえてきそうですが、どうかご容赦のほどm(_ _)m

長野へ行くぞ(╹◡╹)

長野市ホクト文化ホール


 未だコロナの話題が絶えない昨今の状況ではありますが、全世界を鳥瞰するに、ゼロコロナ政策で殻に篭り続ける中国を除けば、コロナ以前の生活を徐々に取り戻しつつあるように思えます。

 音楽隊の演奏活動も例外ではありません。以前のようなダイナミックな活動が徐々にと言うよりはもう少し早いペースで復活しつつあるようです。

 コロナ禍が始まっても、陸空のセントラルバンドが地方公演をなんとか開催する中、海自の東京音楽隊だけは、ちょっとしたタイミングの違いで中止が相次ぎ、多くのファンの皆様が落胆される場面が多かったように思います。

 そんな中、昨日から、東京音楽隊の長野遠征が行われています。

 昨日は、松本市まつもと市民芸術館において「ふれあいコンサートin松本」が開催されました。

 浜松から会場に足を運ばれたjubijubizhyさんによると、「三宅さんが凄かったんですが、ネタバレになるので黙っておきます」とのこと。

 そうです、本日1830から、長野市ホクト文化ホールで開催される「ふれあいコンサートin長野」に私も行くんです。二日連続のコンサートですから、おそらくほぼ同じセットリストになると思われ、そこを慮って、jubijubizhyさんは「黙っておく」との配慮を示して下さったと言うわけです。

 これまで、地方公演には応募もしなかった私ですが、今回は、zubizubizhyさんが、同伴者を私にして応募し、見事に当選されたため、初めての地方公演を聴けることになりました。zubizubizhyさん、ありがとうございますm(_ _)m

 さぁ、「三宅さんが凄かった」コンサート、いやいや、楽しみで仕方ありません。

 もちろん、報告記事を書きますのでお楽しみに(╹◡╹) 

 

音楽まつり、東京音楽隊の勇姿(╹◡╹)

 今年の自衛隊音楽まつり、会場でご覧になられた方も多いとは思いますが、私は残念ながら自宅組でした(_ _).。o○ リハーサル公演のチケットが入手できるかも、という展開もあったのですが、やはり3年ぶりの開催ということと、公演回数が少なかったこともあり、それはそれは狭き門だったようです。

 その意味でも、今回会場でご覧になる機会を得られた方々は大変幸運だったのではないでしょうか。

 ここまで、音楽まつりのことについて記事を書いて来なかったのは、決して自分が行けなかったからというわけではありません(少しはあるかも(╹◡╹))。色々動画は上がっているのですが、それらを拝見しても、なんとなく、今回の音楽まつりとの距離感を感じていたからだと思います。やはり、会場で直接体験してもいないのに、何かを書くのはちょっと難しいかな(≧∀≦)

 ところが今日、三宅由佳莉さんのツイートで、今回の音楽まつりでの東京音楽隊のプログラムのYouTube動画が海上自衛隊公式ページにアップロードされたことを知りました。出演されている隊員の皆さんが装着されているカメラの映像も交え、大変臨場感と迫力に満ちた動画を拝見して、一気に目が覚めました(^^)

 3年前の東京音楽隊は、「ベートーベン コラージュ」と題し、太田紗和子さんのスケルトンピアノを中心に素晴らしいステージを展開しましたが、今回はどうだったのでしょう。

 冒頭、太田さんのピアノが奏でるのは加古隆さんの作品「パリは燃えているか」でした。随分前になりますが、NHKで放映されていた「映像の世紀」のテーマ曲として使われていたものです。懐かしい曲ですし、美しいだけでなく、聴くものの心の奥にある斬鬼の念や憐憫の情を掻き立てる力を持っているような気がします。ウクライナでの戦禍を、「映像の世紀」が扱っていた第二次世界大戦の惨禍に重ね合わせて表現する意図があったのではないでしょうか。

 そして、そこから「宇宙戦艦ヤマト」に移行して行きますが、川上良司さんの独壇場だったこの作品を、橋本晃作さんが力強く歌い上げました。歌い手が変わると、作品のイメージ全く違ってきますね。川上良司さんが作り出して来られたヤマトの世界は、私たちが持つイメージに沿った大変安定感のあるものでした。そして橋本さんが作り出そうとしている新しいヤマトの世界は、瑞々しい躍動感を感じさせてくれます。

 ところで、前回までの音楽まつりには、女性隊員のみで構成された「艦旗隊」が、日章旗自衛艦旗を護持しつつドリル演技に参加していましたが、今回驚いたのは、全員男性隊員での構成でした。男性用の艦旗隊用コスチュームはないでしょうし、男性隊員には相応しくもないでしょう。夏の第1種制服で演じます。おそらくですが、橋本晃作さんという男性ボーカリストの音楽まつりデビューということを一つのテーマと捉え、今回は男性による艦旗隊を編成したのではないかと思います。本当のところは分かりませんが(≧∇≦)

 そして、ヤマトの最後には「ヤマト」の人文字が・・

 そこからの隊形変換で、伝統の大きな錨を作り出し、行進曲「軍艦」を演奏しながらの錨の回転です。今回の「軍艦」は、終盤で「ヤマト」のテーマがちょっと顔を出す、新しいアレンジでした。

 8分ほどの短い動画ですが、下に埋め込みますのでご覧ください。

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”M”の不思議再び

 3年ほど前、戯れに書いた「”M”の不思議」という記事があります。

www.capitandiaryblog.com

 ほとんど何の意味もない記事ですが、英語表記した場合、陸海空の5人の歌姫全員のイニシャルに「M」が入っていることに気づいたので、そのことを書いたものです。

 記事を引用しますとこんな内容です。

三宅由佳莉(Yukari Miyake)さんはもちろん、横須賀の中川麻梨子(Mariko Nakagawa)さん、空自の森田早貴(Saki Morita)さん、陸自中方の鶫真衣(Mai Tsugumi)さん、そして陸自中音の松永美智子(Michiko Matsunaga)さんに至っては、M Mです」

 たまたま、英文記事を書く際に、歌姫全員の名前を書いていて、「なんかMが多いなぁ」と思ったのが切っ掛けでした。何の意味もないとはいえ、偶然にしてはできすぎているなぁとは思っていたんです。

 ところで、皆さんはご存じでしょうか?陸自の中央音楽隊で活躍されていた歌姫「松永美智子」さんが今年の夏、退職されたことを。

 ちょっと、びっくりしたのですが、色々と検討された結果なのだと思います。ただ、退職後も、歌の世界で活躍されるとのことですので、ご自分の表現者としての可能性を追求する旅に出られたのではないかと思います。きっとまたお名前を目にし、歌声をお聴きする機会があるでしょう。

 そして、さらにびっくりする情報があるんです。もうご存知の方もおられるかも知れませんが、今年陸自(西部方面音楽j隊)に入隊された新人の歌姫のことです。

 YouTubeチャンネルにいつもコメントを下さる「sai」さんから、過去のブログ記事に絡めて情報提供がありました。下のリンクはオマーン軍楽祭に参加した陸自西部方面音楽隊の動画なのですが、ここで新人の歌姫が「花は咲く」を披露されています。

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 そして、その歌姫のお名前なのですが・・・・

 なんと「水上珠奈(みずかみ・まりな)」さん(ひょっとしたら姓は「みなかみ」かも知れません)なんです。そうです、イニシャルは「MM」なんです。

 言葉遊び的な戯れで書いた前回の記事でしたが、saiさんからの情報に接し、不思議以上の因縁を感じた次第です。

 ともあれ、歌姫戦線に新たに参戦された「MM」こと「水上珠奈」さんの今後のご活躍に期待したいですね。

 Saiさん、いつもブログやYouTubeのご視聴ありがとうございます。そして何より、今回の情報提供、本当にありがとうございました(╹◡╹) 

フリートウィーク野外演奏会に行ってきました(╹◡╹)

 

photo by MONSTER

 3年ぶりの音楽まつりも終わってしまいましたが、ここでちょっとバックデートして、今更ながらのフリートウィークの話題です。いえ別に、自分が音楽まつり観に行けなかったから話を逸らしているって訳じゃないんです(≧∀≦)

 2022年11月5日、横浜市の赤れんがパークで開催された、フリートウィーク野外演奏会に行ってまいりました。前日の横須賀芸術劇場での演奏会は、国際開催ということもあり、ちょっといつもとは勝手が違いましたが、野外演奏会の方は、いつも通りのカジュアルな感じでとても馴染みやすいです。

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 とはいえ、今回、私は演奏予定時刻を勘違いしており、危うく東京音楽隊の演奏を逃すところでした。本当は、米海軍第7艦隊音楽隊の演奏のところから聴くはずだったのですが、私が会場に着くと、ちょうど米海軍の演奏が終わり、しばらく休憩に入るという、何となくカオスな感じの時でした。このタイミングで到着したおかげで、何とか椅子席が並ぶエリアの脇に立つことができたのでした。ちょっとでもタイミングが遅かったら、多分、全くステージが見えないところから音だけ楽しむことになったでしょう。 

 だって、振り返ってみるともの凄い人垣ができていました。コロナの影響で演奏会がほとんど行われていなかったことや、3年ぶりのフリートウィークということもあるのでしょうけど、やはり、三宅由佳莉さんと橋本晃作さんの揃い踏みとなるこのコンサートへの関心が非常に高かったということだと思います。凄い人気ですね。

 とはいえ、お陰様でステージが見える位置を確保することができたのですが、ふと、目の前の椅子に座り、三脚にスマホをセットして開演を待っている方を見下ろすと、その頭頂部に見覚えがありました。ですから、100%の確信はないものの声をかけてみました。振り返った顔はやっぱり「いかづちさん!」奇遇なものです。

(動画の中にも一部「いかづち」さんの頭頂部が映り込んでいます、悪しからず)

 こんな感じで演奏会にぎりぎり滑り込んだものですから、他には「天気が良かったねー」くらいしか開演前のエピソードはないんです。

 でも、椅子席のすぐ後ろをキープできたお陰で、演奏会の最初から最後まで撮影することができました。それが何よりです(╹◡╹)

 さて、前日の横須賀芸術劇場での演奏会では、竹中晶子さんが司会進行役を務めておられたことは前回の記事で報告しましたが、今回のMCは、パーカッションの吉田佳奈恵さんでした。2019年の東郷の杜音楽祭でも司会をされてましたね。着実な進行の中にも、茶目っ気をうまく織り込んだ軽妙な語りが魅力です。

 演奏会が始まるまでの僅かな時間に、ステージのセットもそうですが、音響の設定等の細々とした準備作業が一気に進められていきます。観ている方は、何がどんな段取りで行われているのか全くわかりませんが、受託した運営側と音楽隊の担当者、特にコンサートマスターの近藤悟史さん(お帰りなさい!)とのやりとりがひっきりなしに行われていました。

 そんな中、男性ヴォーカルの橋本晃作さんがステージ前に現れて、スタッフの皆さんと何やらやりとりした後、突然マイクに向かってテノールの歌声を披露されたものですから、会場は驚き、そして直後には喝采が巻き起こりました。そう、ヴォーカルのマイクテストです。突然始まったものですから、私は撮影することができませんでしたが、YouTubeに動画をアップされている方もおられるんじゃないでしょうか。橋本さんの撮影はできませんでしたが、おかげで、三宅さんのマイクテストに備えることができたという訳です。

 下の動画は、演奏会の様子をフルで録画したものですが、冒頭には開演前の三宅由佳莉さんによるマイクテストの様子を入れてあります。

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 上の動画は結構長いので、全般をざっくり観たいという方は下のダイジェスト版をご覧ください。

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 この演奏会は、私もフルで動画を撮ることができましたし、他にも多くの方が様々な動画を上げておられますので、演奏会の内容についてあれこれ書くのは野暮というものでしょう。でも、ちょっとだけ(^^)

 三宅由佳莉さんが今回歌われたのは、MISIAさんの「明日へ」です。2年前に横須賀芸術劇場で開催された、横須賀音楽隊の「ふれあいコンサート2020」では、当時横須賀音楽隊所属の三宅さんが出演され、ウェルカムコンサートを含め、4曲もの歌を披露して下さったのですが、その中には前日の国際観艦式演奏会でも披露された松田聖子さんの「瑠璃色の地球」と、MISIAさんの「Everything」が含まれていました。

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 これはもう随分前から書いてきたことですが、30代に入ってからの三宅さんは、入隊以来というよりは、世間に知られるようになって以来、自身が纏わされ続けてきたお仕着せの「殻」あるいは「仮面」を破って、表現者としての幅をどんどん広げて来られたように思います。

               photo by MONSTER

 

 「瑠璃色の地球」やMISIAさんの楽曲というものを歌われるのは、もちろん音楽隊として検討した結果ではあるのでしょうけど、おそらく三宅さんの意向が反映されている分野なのではないでしょうか。

 音楽隊の皆さんはミュージシャンではありますが、いわゆるアーティストではありません。音楽性を研ぎ澄ますことは目的ではなく手段です。研ぎ澄ました音楽性を武器に使命を達成するミュージシャン集団が音楽隊ということです。そしてその使命とは、自衛隊員の士気を高揚させること、自衛隊の厳格なる威儀の保持に寄与すること、そして自衛隊に対する国民の理解と支持という防衛基盤の拡充に寄与すること、という3つの任務を通じ、我が国の防衛に資することです。

 ですから、音楽隊はあらゆる分野の音楽に平素から取り組んでいますし、三宅さんや橋本さんが歌われる歌のジャンルも際限がありません。とはいえ、ミュージシャンである以上、やはりコアになる音楽性というものがあるはずで、それを大切にし、育て、伸ばしていかなければならないのではないかと思います。

 そのようなコアになる音楽性というものが、三宅さんの場合、すべてを包み込み、赦し、慈しむ大いなる愛というものなのかも知れません。

 さて、演奏会自体は動画のとおり、短い時間にも関わらず盛りだくさんで、会場を埋め尽くした聴衆を十分に満足させ、翌日に迫った国際観艦式に向けての機運を弥が上にも盛り上げつつ終演となりました。

 3年前の「幻の観艦式」に際して開催されたこの演奏会では、終演後にベースの岩田有可里さんとお話する機会があり、一緒に写真も撮らせていただきました。

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 前回と違ってコロナ禍ということもあるし、聴衆の数も多いですし、なかなか隊員の皆さんと直接お話しするのは難しいんじゃないかと思いました。というか、皆さんそう思っておられるのが、終演後にも名残惜しそうに屯しておられる皆さんの佇まいからも窺われました。

 とはいえ、会場と楽器運搬車の間を行き来する隊員の方の何名かは、ファンの皆さんとの会話に応じておられたので、厳しい制限が課されているわけではないようでした。

 そんな中、ふとステージ脇のフェンスの内側に目をやると、赤嵜尚子さんがすぐ近くにおられたものですから、「あ、赤嵜さん」と声を掛けると笑顔で挨拶をしてくださいました。ただ、側におられる植田隊長への報告があったらしく、お忙しそうでしたので、すぐにおいとましましたが、短時間でもご挨拶ができたのは幸運でした。

 その後、楽器運搬車への楽器の積み込みの様子などを撮影してから、ぶらっと歩き始めると、ちょっと先で「いかづち」さんが、女性隊員の方と立ち話をされていました。後ろ姿でしたけど、すぐに岩田有可里さんだとわかります(「いかづち」さんは筋金入りの有可里ストですし(╹◡╹))

 私も合流させていただき、短時間でしたけど久々に会話をすることができました。

 コロナ禍が続いてきたことは確かですが、それとは別に、最近岩田さんの姿を見る機会がなかったことが気になっていたので、「最近姿が見えなかったですよね」とお聞きすると、どうやら半年ほど横須賀教育隊で、新隊員の面倒を見る「班長」をされていたそうです。教育隊の班長といえば、厳しさと深い愛情をもって「朝から朝まで」新隊員を見守り育て、そして巣立たせる姉貴分的存在です。「朝から朝まで」ですから、それは大変な職務ではありますが、お話を聞いて、私は「岩田さんに向いてるなぁ」と思ったのでした。新隊員にとって、自衛隊で初めて深く接するのが「班長」です。新隊員への影響力が途轍もなく大きく、「こんな自衛官に自分もなりたい」という目標になることも多いんです。その意味で、素晴らしい目標だったに違いないと思ったのでした。

 案の定、この演奏会にも、多くの教え子達が来場していたとのことです。みんなきっと岩田さんのようにクールでプロフェッショナルな自衛官として育ってくれることでしょう。

 ちなみに、岩田さんは、「ベースの音ちゃんと聴こえたましたか?」が、1番の心配事だったようです。岩田さんによると、最初ベース側のボリュームを絞ったままで演奏を始めてしまって、途中で気がついて上げたらしいんですが、演奏中で音響スタッフの方と連携する術もなく、どうなっていたのか気になっていたようです。いかづちさんが「ちゃんと聴こえてましたよ」と仰ると、とても安心されてました。

 クールな岩田さんの、ちょっと「やっちまった」話が聞けたのも大きな収穫だったような気がします(╹◡╹)

 あ、写真撮らせてもらうの忘れてた、またやっちまった(≧∀≦)

 

※挿入写真は、モンスターさんからご提供いただきました。

国際観艦式2022演奏会に行ってきました(╹◡╹)

 先週(2022年11月4日)、横須賀芸術劇場で開催された、「海上自衛隊創設70周年記念国際観艦式2022演奏会」に行ってまいりました。2年前の10月、横音「ふれあいコンサート2020」以来2年ぶりの横須賀ですが、幸い天候にも恵まれ、ヴェルニー公演から、国際観艦式に参加するため集まった各国艦艇の様子なども見ることができました。

 前回の観艦式は、ちょうど私が退官した2015年に開催されましたが、何しろ外の世界に飛び出したばかりで、観艦式への関心もさほど高くなかったこともあり、完全にスルーしてしまいましたので、横須賀芸術劇場での観艦式記念演奏会に足を運ぶのは今回が初めてです。

 今回の演奏会の報告の前に、2015年の演奏会がどんな感じだったのかについて、ちょっと触れておきたいと思います。

 

■前回(2015年)の演奏会について

 2015年の演奏会は「バンドフェスティバル」と銘打って、海自の6個音楽隊の全てが一同に会しての大変規模の大きな催しとなりました。

 この年の観艦式は「国際観艦式」ではありませんでしたが、米国、オーストラリア、インド、フランス、韓国といった友好国海軍からも参加を得ていましたので、演奏会の冒頭には、これらの海軍を代表して参加する艦艇の指揮官(艦長)を紹介して、連帯の絆を確認するシーンもありました(下の動画)。

 これは、単なるイベントではなく、対外的アピールの意味合いを持つ、大変重要な儀式であると思います。

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 最終曲の演奏が終わった後のカーテンコールでは、東京音楽隊の手塚隊長(当時)が、三宅由佳莉さんと中川麻梨子さん、次いで各地方音楽隊長をステージ上に呼んで喝采に応えます。

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 そして最後は、全音楽隊による巨大編成での、圧巻の行進曲「軍艦」です。

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■今回の演奏会の概要

 さて、今回はどのような感じだったのでしょうか。

 まず最初に驚いたのは、今回の演奏会の司会進行役を、東京音楽隊の竹中晶子さんが担当されたことです。平素の演奏会では、荒木さんや吉田さんなど、若手あるいは中堅に至るか至らないかくらいの方々がMCを務めているものですから、もう重鎮の域に入られている竹中さんがマイクを握って登場された時に驚いたのでした。でも、考えてみれば、7年前のこの場では、プロのアナウンサーの方がMCをされていたとおり、やはり平素の演奏会とは格が違うのかなとも思います。正直言って、竹中さんの声をお聞きするのは初めてだったんですが、大変聞きやすく、英語でのアナウンスは英国風で気品が感じられました。演奏会そのものもさることながら、竹中さんの司会進行も見所の一つだったと思います。

 今回の観艦式についてはいくつかの特性が挙げられます。

 第一に、我が国が主催する20年ぶりの「国際観艦式」であること、そして第二にコロナ禍がまだ終息したとは言い難いこと、そして第三に複数の要因で国際情勢が大変緊迫していることなどです。

 今回も、全国の6音楽隊からの参加が得られるものの、まずコロナの影響から、2015年のような大規模編成を取るのは難しいでしょうし、国際観艦式という性格を考えれば、海自単独での開催ということもあり得ないでしょう。また、緊迫度を増し続ける我が国周辺の国際情勢に鑑みれば、「自由で開かれたインド太平洋」という、我が国が提唱した国際安全保障構想をショウアップする必要もあると思います。

 今回の演奏会は、まさにそのような情勢を踏まえた構成になっていたのではないでしょうか。今回の演奏会のパンフレットです。

 国際観艦式らしく、米国、インド、パキスタン、そして日本の音楽隊によるジョイントコンサートになっています。今回の観艦式に参加したのは環太平洋を中心とする多数の諸国ですが、限られた時間の中で4カ国に絞り込んだものと思われます。「自由で開かれたインド太平洋」構想を念頭に、米国、インドが、そして、インドとは長年対立関係にあるパキスタンの参加を得るというのは、外交上のバランスにも配慮した結果ではないかと思います。

 

■米海軍第7艦隊音楽隊

 最初に米海軍第7艦隊軍楽隊のビックバンド「Pacific Ambassadors」(だと思います)による演奏が行われましたが、さすがのサウンドと「ノリ」の良さで、一気に会場の雰囲気を作ってしまいました。初っ端に「In the mood」から入られると、もう気分が上がらざるを得ないでしょう。

 二曲目以降、二人女性歌手が逐次登場して、演奏に花を添えました。しかも、お二人ともステージ映えする身のこなしとソウルフルな歌声が大変魅力的でした。

 開催地である横須賀をテーマにした山口百恵さんの「横須賀ストーリー」が、完璧な日本語で歌われたのには舌を巻きましたし、「Georgia on My Mind」に込められた郷愁も存分に伝わりました。

 そして「Sing Sing Sing」では、会場全体が沸き立つような興奮に包まれていきました。最後に演奏されたのは「Anchors Aweigh」日本語では「錨を上げて」ですね。

 この曲が終わって、指揮者がステージから下がり、バンドの皆さんが立ち上がって、「終わりです」的雰囲気を醸しているのですが、拍手は鳴り止みません。それもそのはず、セットリスト上、「Stars and Streipes」が最後の曲として記載されているからです。アンコールしなきゃ演ってくれないんじゃないかと、皆さん盛大な拍手を送っているのわけです。ところが、アナウンスが入り、本当に終わったことが伝えられました。

 何かの事情で、時間調整の必要が生じたのかもしれません。ちょっと残念でした。

 

■インド海軍軍楽隊

 次に登場したのが、普段なかなか目にする機会がないインド海軍軍楽隊です。

 海自や米海軍と同じタイプの黒の制服姿で入場する姿は、気負いもなく大変カジュアルな印象でしした。ちなみに、インド海軍の士官の階級章は日米と共通しているものと思われ、今回指揮された少佐の袖には二本の金線の間に細い金線が逢着されていました。

 ちなみに、インド海軍は英国l海軍式に金線にループをあしらっていますが、海上自衛隊の3等海佐(少佐)は「桜」、米海軍少佐は「星」があしらわれています。尤も、米海軍の場合、星があしらわれるのは兵科(戦闘職種)であり、その他の職種の場合にはそれぞれのシンボルがあしらわれます。

 おっと脱線癖が出てしまいましたね、本題に戻ります。

 演奏された曲目は、残念ながら知らない曲ばかりです。当世のインドで人気の高い曲や、海軍の伝統的な楽曲などを織り交ぜた5曲が披露されましたが、その全てに通底するのは、穏やかな精神性とでも言うべきものではなかったかと思います。以前、「ネイビーブルーに恋をして」というブログで、どんなジャンルにせよ、作曲者した人が生来持っている民族性あるいは国民性というものがその曲調に必ず反映されているというような記事を読みました。今回、なるほどなぁと感じた次第です。

 その中で、最後に演奏された「Jai Bharati インド海軍テーマ曲」は、演奏される前から、「これって、日本で言えば ”行進曲軍艦” じゃないのかな」と思っていましたが、会場内の多くの皆さんも同じ考えだったのでしょう。どこからか始まった手拍子が会場内に広がり始めると、指揮をされていた少佐が観客席の方を半身で振り返り、ちょっと嬉そうな表情で、さらなる手拍子を促す仕草を取りました。会場内は大きな手拍子で包まれます。観客席とステージが一体となるなかで、インド海軍軍楽隊の演奏が終わりました。

 ここで20分間の休憩に入ります。

 

パキスタン海軍軍楽隊

 次のプログラムはパキスタン海軍軍楽隊の演奏です。

 登場のシーンの冒頭で、会場内には驚きの響めきが広がりました。

 左袖から、まず登場したのはパキスタン海軍の軍旗を長くてどっしりとした旗竿に掲げ、白い軍装に身を包む旗手だったからです。

 大きくて立派な軍旗がステージに向かって右奥の定位置に向かうなか、やはり白り軍装の他の軍楽隊員が、5〜6名づつの一列縦隊で行進しながら入場、それぞれ自分達の席の前に来ると、一斉に右向け右をして、一斉に座ります。

 そして最後に、今回の指揮者(アナウンスによると下士官のようです)が、登場するのですが、胸を張り、腕を水平になるまで大きく降って、行進するように指揮台に向かいます。インド海軍のカジュアルな入場の仕方とは対照的で、全般にミリタリーを強調した演出になっていました。

 パキスタン海軍の演奏曲目も、知らない曲ばかりなのですが、インドとは対照的に勇ましい印象を受けました。これも国情を反映したものなのでしょう。

 知らない曲ばかりではあるのですが、最後に演奏された「Chandni Raatein 煌めく夜」については、ちょっと書きたいと思います。この曲、日本の童謡「小さい秋」のメロディに聴こえてきます。私の席の周囲でも、演奏後に「小さい秋じゃなかった?」との声が聞こえましたし、他の方のブログなどでも「小さい秋に聞こえたんだけどYouTubeで検索したら、全然小さい秋じゃなかった」などとの記載がありました。

 確かにYouTubeで検索にかかる「Chandni Raatein」は全く違うバラードです。実は、インド海軍のテーマ曲「Jai Bharati」を検索した時にも同じことが起きました。同じタイトルなのに全く違う曲ばかりが出てきます。おそらくですけど、好まれるタイトルというのがあり、異なる楽曲がタイトルを共有することがあるのではないでしょうか。インド海軍テーマ曲については、それでもなんとか探し出すことができましたが、私たちが会場で聴いたパキスタンの「Chandni Raatein」は、ついに見つけることができませんでした。それでも、あの曲は間違いなく「小さい秋」のメロディをもとに、西アジア風にアレンジされたものです。パキスタン海軍軍楽隊が日本で演奏するのは今回が初めてということもあり、全般に大変気合いが入っていましたし、最後には日本に縁のある曲を持ってきたのだと思います。

 

閑話休題

 さて、インド海軍軍楽隊、パキスタン海軍軍楽隊のプロフィールを見ますと、ともに1947年創設とされています。そうです、もともと大英帝国の広大な植民地であった両国が、分裂する形とはなりましたが、英国から独立を果たしたのが1947年で、同時に国軍が創設され、軍楽隊も置かれたということです。

 インドのモディ首相は、2016年に「イギリスが戦勝国であるにも関わらずインドから撤退したのはガンジーのためではなく、インド国民軍のためである」との英国の機密文書を公開しました。そのインド国民軍とは、先の大戦中、英軍将兵として日本の捕虜になっていたインド人らを中心に、日本軍の支援により創設され、日本軍とともに多大の犠牲を払いながらインド独立のために戦いました。戦後、英国に対する反逆罪に問われ処罰されそうになりますが、これに反発する市民や英印軍内のインド兵らが反乱、これを収拾することができず、インドの独立を認めざるを得なくなったということが英国から見た真相というわけです。学校の歴史教科書に書いてあるのは、実際には影響力の無かったガンジーの無抵抗主義のことだけですね。世の中を実際に動かしているのは「力」であるという真実をどこまでも隠したい勢力が、いろんなところに仕掛けを埋め込んでいるのが我が国の現状です。

 そして、独立は決まったものの、というか独立するからこそ、世俗的なヒンドゥー教徒と厳格な戒律を重んじるイスラム教徒の間の利害や理念の対立も表面化し、インド、西パキスタン、東パキスタンに分裂する結果となりました。ちなみに東パキスタンは現在のバングラデシュです。

 ですから、日本軍と共に戦ったインド国民軍はインドとパキスタンに分裂していたわけではなく、両国にとって、インド国民軍は共に英国からの独立の中核的存在であり、また日本との繋がりの縁でもあるのだと思います。

 またしても、大幅に脱線してしまいました(≧∀≦)

 

海上自衛隊音楽隊

 そして最後に登場したのが、海上自衛隊音楽隊です。トリです(当たり前)

 ステージ上には椅子が譜面台が次々と追加されていきます。

 音楽隊の皆さんが、黒の演奏服装で左袖から登場されます、今回の演奏会では、おそらく接触の機会を機会を低減させるため、登場と退場が一方通行方式になっているようで、左から登場して右袖に退場という形になっていました。

 お、岩田さんだ。もう何年もお姿を拝見していないコントラバス岩田有可里さんがバスを抱えたまま左から右の定位置まで進んで行かれます。元気そうなお姿を拝見して安心しました。岩田さんについては、赤レンガ倉庫での演奏会の記事で別途取り上げたいと思います。

 あ、赤嵜さんも左側の定位置にいらっしゃいます。ステージ奥を見ると、中村圭吾さんの姿も見えます。なんだか、コロナ前の東京音楽隊のような錯覚を覚えます。

 そして、最後に登場するのは、9月に東京音楽隊長に就任された植田哲生2佐です。

 ちょっと緊張されているようです。東京音楽隊長に就任後、おそらく最初の大きな舞台ですから当然ですよね。でも、各曲の演奏を始める前に、おそらく演奏の準備が整うまでの場繋ぎのためなのでしょう、ご自身の言葉で曲の説明をされていました。決して流れるような軽妙なトークではありませんが、隊長の実直さがよく伝わり、大変好感の持てるものでした。

 一曲目の「波に映るは暁の色」ですが、これは海上自衛隊創設70周年記念・東京音楽隊創立70周年記念楽曲として、「艦隊これくしょん」の楽曲などを手掛けてこられた亀岡夏海さんに委嘱してつくられたもので、大変素敵な曲でした。

 YouTube上で音源の動画は見つかりませんでしたので、海自が公式チャンネルで公開するのを待つしかないと思います。

 二曲目の「君が代行進曲」は、私が大好きな行進曲の一つでもあり、セットリストを見た瞬間にちょっと興奮してしまいました。国歌「君が代」の重厚な旋律を、勇壮で心躍る行進曲として編み直したその技巧には何度でも賞賛を送りたい気持ちです。

 4年前の東郷の杜音楽祭での東京音楽隊の演奏動画を埋めておきます。

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 三曲目の「鎌倉殿の13人 メインテーマ」は、多くの方にとっては馴染みの曲なのではないでしょうか、現在放映中のNHK大河ドラマのテーマ曲ですから。何度も言いますが私はテレビを見ない(テレビがないので見ようもない(^^))ので、全く知りませんが、三谷幸喜さん演出らしいので、きっと面白いんだと思いますけど。

 曲自体もとても高揚感があって素晴らしいですね。

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 四曲目の「上を向いて歩こう」は、1985年8月、御巣鷹山での日航ジャンボ機墜落事故で急逝された坂本九さんの代表曲で、「SUKIYAKI」とのタイトルで世界中で大ヒットしました。なぜ、そんな変な英語タイトルが付いたのか、当時、世界中で知られている日本語がほとんどなく、「すき焼き」なら日本の歌だとわかるだろうということで名付けられたのだ、と子供の頃聞きました。本当かどうかは分かりません(´-`).。oO

 でも、英語の歌詞でのレコードも販売されたそうですが、米国での売上1位を獲得したのは、坂本九さんの日本語版だったそうですから、やはり歌詞の意味よりも、その歌唱そのものに聴くものの心を動かす力があったということなんだと思います。

坂本九さんの日本語版↓

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英語版↓

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 五曲目の「瑠璃色の地球」は、ご存知のとおり、松田聖子さんが歌われた大いなる愛情に満ちた美しい曲ですが、植田隊長からは、「海上自衛隊には、昨年入隊した自衛隊初の男性ボーカリストのほか、2名の歌姫がいます。追々皆様のお目に触れることもあると思いますが、本日は、2等海曹・三宅由佳莉の歌でお送りします」との紹介がありました。隊長が、「本日は、2等海曹・」と仰ったところで、まさか橋本晃作さんではとちょっと思いました(嘘です)。

 三宅由佳莉さんの「瑠璃色の地球」、実は、モンスターさんがまだ福岡に居られた頃、山口県小月で開催される海自小月教育航空群の航空祭で、佐世保音楽隊のゲストとして三宅由佳莉さんが出演するとの情報を得て、当地へ遠征され、初めて三宅由佳莉さんの生歌を聴かれた際に歌われていた曲なんです。モンスターさんからの報告をもとに記事を書きながら、「あー、聴いてみたいなぁ」と思ったのでした。いつか聴けたらいいなぁと思っていた曲を、今回目の前で聴くことができたのです。

 三宅由佳莉さんは、どんなジャンルの曲も歌われますが、生命を育むこの大切な地球を守りたいという壮大なテーマを持つこの曲を歌われる姿は、慈愛に満ちた大いなる母性を感じさせます。

 海自公式チャンネルにアップされている動画がありますので埋めておきます。

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 六曲目の「海の見える街」は、宮崎アニメ「魔女の宅急便」の劇中曲で、修行の旅に出た見習い魔女のキキが、住むことに決めた海のみえる街の下宿屋で、頼る者のない心細さや、だけど膨らむ希望や、そんな様々な心模様が、繊細なメロディで見事に表現されているような気がします。演奏されたのは海上自衛隊の音楽隊だけが演奏することを許されている、ボサノババージョンです。

 ちょっと前になりますが、2019年2月の横須賀ふれあいフェスタの時の東京音楽隊の演奏動画を埋めておきます。

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 因みにですけど、2018年にパリで、現地のオーケストラによるオリジナルバージョンを、作曲者である久石譲さんご自身が振っている動画がありましたので、併せて埋めておきます。海自のボサノババージョンもとても素敵ですが、オリジナルバージョンも忘れないように、たまには聴いてみるのがいいんじゃないでしょうか(╹◡╹)

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 最終曲の演奏が終わりますが、万雷の拍手の応えて、植田隊長が指揮台の上から右手の人差し指を立てて、「もう1曲」のお約束ジェスチャをすると、拍手は更に盛り上がりますが、隊長が音楽隊に向き直り、タクトを構えると、館内は静まり返り、固唾を飲んで音を待ちます。

 そして、静寂を破って演奏が始まると、会場全体から大きな手拍子が巻き起こりました。演奏会が再開されるようになってから、まだ日が浅いので、コロナ禍が始まって以来、今回初めて生で「軍艦」をお聴きになる方も少なくないはずです。そんなみなさんの「待ってたよ!」な気持ちが、大きな手拍子に託されているような気がしました。

 2019年に行われた東郷の杜音楽祭での、東京音楽隊による行進曲「軍艦」の動画を埋めておきます。

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 さて、演奏会から報告まで一週間以上かかってしまいましたが、当日会場に足を運ぶことができなかった方々に、演奏会の様子が少しでも伝わったなら幸いです。

締め切り迫る! 観艦式演奏会 & 自衛隊音楽まつり(╹◡╹)

 海上自衛隊では、来る11月6日(日)に観艦式を行います。コロナ禍が始まる直前の3年前は、開催直前に巨大な台風の被害が広がったことを受け、被災地への救援活動を行うために急遽キャンセルとなり、幻の観艦式となりましたので、今回は実に7年振りの開催となります。本年が海上自衛隊創設70周年の節絵にあたることもあり、今回は西太平洋海軍シンポジウムWPNS)のメンバー国を中心に、各国艦艇を招いての国際観艦式として開催されます。

 これまでは、観艦式に参加する各艦艇への乗艦希望者を募っていましたが、今回はやはりコロナ禍のためなのでしょう、艦艇に乗艦しての観艦式観覧は行われないとのことです。ただし、予行を含めた観艦式日程に合わせ、停泊中の艦艇の一般公開や、パレードなど、フリートウィークのさまざまなイベントが用意されているようです。

 その一つが、観艦式直前の11月4日(金)に、横須賀芸術劇場にて行われる「海上自衛隊創設70周年記念国際観艦式2022演奏会」です。7年前の2015年の観艦式の際には、海上自衛隊の6つの音楽隊が一堂に会しての「バンドフェスティバル」が行われましたが、今回の演奏会も、全音楽隊が参加する豪華かつ迫力満点の演奏が期待できると思います。

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 その演奏会の応募締め切りが10月15日(必着)に迫っています。

 希望される方は、下の写真で応募要領をご確認の上、早めに応募することをお勧めします。くどいようですが、10月15日必着です。

 

 そしてもう一つのビッグイベントも締め切りが迫っています。

 3年振りとなる、自衛隊音楽まつりです。

 11月18日(金)、19日(土)の二日間にわたって開催されます。

 こちらは、ハガキではなく、ネットでの応募のみですのでご注意ください。

 下のリンクから関連ページを訪ね、そのページの下の方に貼られているリンクから応募フォームを開き、必要事項を入力する必要があります。

 締め切りは10月16日(日)24:00となっていますので、希望される方はお早めに登録されることをお勧めします。

rikuzi-chousadan.com

 

 今回は、応募締め切りに関する注意喚起の記事となりました。