あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

今日は何の日?(12月14日)

 赤穂市は、岡山県との県境に位置する兵庫県の地方都市です。

 にがりの効いた「赤穂の塩」が有名ですし、瀬戸内海沿岸の御多分に漏れず、大振りの牡蠣でも名が通っています。

「牡蠣の名産地」の画像検索結果

 でも、「赤穂と言えば」と問われれば、多くの方が「赤穂義士による吉良邸討ち入り」を挙げるのではないでしょうか。

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赤穂城

 今から300年以上も前に江戸で起きたこの大事件が、未だに語り継がれているのは、人形浄瑠璃や歌舞伎の人気演目として演じ伝えられてきた「仮名手本忠臣蔵」が、現在でも映画やテレビドラマとして何度もリメイクされ、広く愛されてきたからでしょう。

 もちろん、誇張や創作されたエピソードなども散りばめられてはいるのでしょうが、この大事件が歴史的事実であることは間違いありません。

 江戸時代の我が国では、「仇討ち」は合法な制度ではありました。ただしそれは、原則として親などの直系尊属を殺された者を対象としたものでした。

 赤穂義士の討ち入りは、「仇討ち」とも言われますが、血縁関係のない家臣団による主君の「仇討ち」が成り立つのがどうか、当時も今も議論の別れるところです。

 また、浅野内匠頭が何故殿中で刃傷沙汰に及んだのか、その背景も明らかになっていないため、果たして「義士」に「義」はあったのかとの論点もあります。歴史の評価に当たっては、あらゆる先入観を排し、科学的態度で望まなければなりません。

 しかし、背景は何であるにせよ、一方当事者である吉良が全くの不問に付されたのに対し、自らの主君のみが即日切腹を言い渡されるという「理不尽」さを強く感じていたであろう赤穂の家臣団にしてみれば、吉良を討ち取ることで、主君の汚名を濯ぐという「正当な理由」があったわけです。

 法律の観点から見れば、赤穂義士の行為は、当時でも押し入り殺人と見なされ、刑罰が科せられるのが筋でした。他方、自らの命を賭けて主君の無念を晴らし、その名誉回復を果たそうとした、忠臣としての身の処し方を、武士の鑑と讃える声も多く、幕府は難しい判断を迫られました。

 幕府が苦渋の末下した裁定は、主君の仇を打つと称して徒党を組んで押し入りを行うことは許されないとして「仇討ち」は認めず、赤穂義士全員の命を召すこととしました。ただし、罪人としての斬首刑ではなく、切腹を命じることで武士として責任を取る名誉は与えました。つまり、仇討ちは認めないが、命を賭した忠君は称揚するというメッセージを発したのだと思います。

 事件の幕引きがこのような形で行われたことにより、太平の世に慣れきってしまっていた武士階級に新たな価値観を植え付けることになったと思われますし、庶民の間にも義に殉ずる姿への憧憬が広がったのではないかと想像します。だからこそ「仮名手本忠臣蔵」が大ヒットし、その物語を通じて、義に殉ずる、つまり公のために尽くすという価値観が伝えられ、日本人に通底するメンタリティの基礎を形作ってきたのではないかという気がします。

 赤穂義士が「罪人」として処断されていたなら、忠臣蔵が書かれることもなく、この事件は歴史の中に埋没していたことでしょう。政治的判断というのは、はるか将来にまで大きな影響を与えるものだということがよく分かります。

 ところで、赤穂義士が討ち入りを果たした元禄15年12月14日を記念して、赤穂市では毎年この日に「赤穂義士祭」が行われています。今日で116回目となります。

 もっとも、討ち入りが行われたのは旧暦の12月14日なので、新暦では年明けの1月30日にあたるようです。

 昨年の義士祭を収めた動画がありましたので、ご覧ください。

www.youtube.com

 

 さて、昨年のこの日、私は初めて「すみだトリフォニーホール」に足を運びました。「ハートウォーミングコンサート」と題する東京音楽隊の定例演奏会が開催されたからです。本当に素晴らしい演奏会で、終演後もしばらく興奮がおさまらないほどでした。

 その様子を報告したのが下の記事です。

retcapt1501.hatenablog.com

 演奏会そのものが素晴らしかったことももちろんあるのですが、昨年の演奏会にはもう一つの注目点がありました。

 演奏会の当日が三宅由佳莉さんの誕生日に当たったため、多くのファンの皆さんにとっては、大きな付加価値の付いた演奏会だったのではないでしょうか。もちろん、そのような個人的なイベントが演奏会に反映されるはずもありませんが、客席には何となくお祝いのムードが漂っていましたし、三宅さんへのプレゼントを受付に預ける方もいらっしゃったようです。

 寒い日でしたけど、文字どおり「ハートウォーミングコンサート」となりました。

 お分かりですよね、今日は三宅由佳莉さんの誕生日です。

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 先日の館山での演奏会で、三宅さんは30代におけるご自分のイメージをほぼ作り上げられたのではないかと感じましたし、報告記事でもそのことに触れました。

 20代に出来上がっていたイメージを損ねない形でここまで仕上げるのは大変なことだったと思いますが、明確なビジョンを持っておられるのでしょう。ブレることなく自己変革を続けて来られたような気がします。

 今日また一つの節目を迎えられた三宅由佳莉さんの、今後ますますのご活躍を皆様と共に祈念したいと思います。

  ↓↓一昨年の記事です。

retcapt1501.hatenablog.com

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【追記】FUJI 20171118 さんが、三宅由佳莉さんの誕生日を祝う動画をアップされてましたので、下に埋めておきます。

www.youtube.com