横須賀音楽隊クリスマスコンサートの報告記事は週末のうちに書き上げたのですが、コンサート自体が注目点の多い、盛りだくさんな内容だったものですから、ほぼほぼ演奏会の内容に限定した記事となりました。
そこで、メインの報告記事から溢れた話を、テーマごとにスピンオフ記事として連日書いています。例年ならば、東京音楽隊のクリスマスコンサートもありますし、こんなに集中してスピンオフ記事ばかり書いてはいられない筈なのですが、どうやら東京音楽隊では今月、技能検定が予定されており、皆さんそれに向け、各々の演奏スキルに磨きをかけておられるようです…というのは世を偲ぶ仮の姿、而してその実態は…なーんて考えたりもしますが、とりあえず額面通りに受け止めておきます(╹◡╹)
ところで皆さん、「ひなげし」と聞いて何を連想しますか?
私と同年代以上の方なら、アグネス・チャンさんの日本でのデビュー曲である「ひなげしの花」が思い浮かぶかもしれません。また、「ひなげし」の別名から、夏目漱石の後期3部作の一つである「虞美人草」を連想される方もおられるかもしれませんね。
英語ではポピー、フランス語ではコクリコと呼ばれるひなげしは、山の斜面を埋め尽くす花の絨毯のような風景写真を目にすることも多いですよね。
でも、寒さに強く、個々の花それぞれに凛とした存在感があるので、一輪挿しでも楽しむことができます。
今回の横須賀音楽隊による21空群クリスマスコンサートが御開きとなり、私は、モンスターさんと連れ立って、人混みに流されるまま、ゆっくりと出口に向かって移動していました。 突然、左後方から私たちを追い抜きざま「あの、かぴたんさんですよね」と声をかけてくださった方がおられました。確か海自の迷彩柄のブルゾンを着た、私と同輩くらいの男性でした。「あ、はい、そうです」とお答えすると、「いつもブログを読んでますよ。毎日楽しみにしているので、頑張ってください」と仰ってくださいました。「ありがとうございます」 交わした言葉はそれだけでしたが、パワーをいただきました。「読んでるよ」とお声かけいただくと、不思議とモチベーションが上がります。お名前もお聞きしませんでしたが、お声かけいただき、ありがとうございました。
さて、南総文化ホールの外に出たのは15時を10分少し回ったくらいでしたが、そこは、館山のイメージとはかけ離れた寒い世界でした。モンスターさんの車に乗せていただき、とりあえず、帰りのバスの時刻を確認するため、館山駅前のバス乗り場に向かいます。15時20分過ぎだったと思いますが、バスの時刻表を見ると、ちょうど15時10分の便が出たばかりでした。次が最終なのですが、なんと2時間後の17時10分!
それまでの時間を、モンスターさんにお付き合いいただき、軽い食事でもしようと再び車で行き当たりばったりのドライブです。適当に流しているうちにたどり着いたのが「GRAZIE GARDENS」というイタリアンのファミレスでした。
しっかり食べたい時刻でもありませんでしたし、時間もあまりありませんから、二人でピザをシェアして食べながら、この日のコンサートの様子などを振り返り、楽しい反省会になりました。
予約のできないバスですし、横浜駅のように事前に乗車券を買うこともできず、車内清算らしいので、少し早めに店を出ることにし、16時半頃に再び館山駅前に戻りました。バス停で降ろしてもらい、当地に一泊するというモンスターさんの車を見送って、待合い所に入りました。待合所と言っても、屋根があるので雨を凌ぐことができるだけの施設ですから、陽が落ちようとしている時刻の寒さはひとしおです。
ベンチに、たった一人、姿勢良く腰掛けておられる御婦人と目が合いました。この方も横浜行きに乗られるのだろうか。一般の路線バスのバス停も兼ねているようで、よく勝手のわからない私が、お尋ねして見ようと思い「横浜に行かれるのですか?」と言いかけたとき、私の声に被せるように「かぴたんさんですよね」と、その方が仰ったのでびっくりしました。コンサート会場では、先ほどの男性のように声かけしていただくことがこれまでもありましたが、まさかバス停で「かぴたん」の名を聞くとは夢にも思っていなかったからです。
私は戸惑いながら「あ、はい、そうですけど。でもどうして…」あ、そうかこの方もさっきまで横須賀音楽隊のコンサート会場にいらしたんだ。納得しました。
それから、横浜行きのバスが来るまでの半時ほど、このブログの話や音楽隊、三宅由佳莉さんの話題で盛り上がりました。
その方も、私と同じ横浜にお住まいで、横浜駅東口を朝9時に出る便で来られたのだそうです。私も同じバスに乗る予定でしたが、色々と事情があり10時発の便になったのでした。
お聞きしたところでは、1〜2ヶ月ほど前、ご自宅のパソコンでYouTubeを流しながら家事をされていた時に、偶然聞こえてきた三宅由佳莉さんの「故郷」に心を奪われ、もう、家事そっちのけで画面に釘付けになったそうです。オスロのタトゥーで、東京音楽隊による「天地人」のドリルに続いて三宅さんが静々と登場し振袖姿で披露された、あの「故郷」です。
それまで、自衛隊の音楽隊のことも、三宅由佳莉さんのことも全くご存知なかったそうなのですが、三宅さんの歌声に衝撃を受け、YouTubeに上がっている動画を片端からご覧になり、すっかり大ファンになられたそうです。出逢う状況は人それぞれですが、衝撃を受けて、とにかく三宅さんの歌声が聞きたくてたまらなくなるのは、皆さん共通していますね。私もそうでした。
もちろん私が上げている動画もたくさんご覧になり、そこに貼られたリンクから、このブログにたどり着かれたそうなのです。記事もじっくり読んでくださっているようで、話に花が咲きました。音楽隊のことだけでなく、海上自衛隊のことも色々と書いてあるので、三宅由佳莉さんのファンになったことで急に高まった海上自衛隊への関心も満足させることができるのでありがたい、とも仰ってくださいました。
このブログを続けていてよかったなと、心から思いました。
館山のコンサートのことも、このブログの記事でお知りになり、応募されたところ運良くチケットが送られてきたとのこと。ファンになった早々、3列目で生の歌声を聴くことができた、と本当に喜んでおられました。
バスを待つ間、とても寒かったのですが、心温まる時間となりました。初対面ではありますが、ブログやYouTubeを通じて多くの情報を共有していますので、話題が尽きることがありません。これがブログの醍醐味だなぁと、つくづく感じ入った次第です。
バスが到着したので一緒に乗り込みました。まだまだ話し続けていたいところではありましたが、流石に車中ではそうも行きません。その方は最前列にお座りになるとのことでしたので、病み上がりの私は暖かくてぐっすり眠れる最後尾に座り、それぞれ今日のコンサートのことなどを思い出しながら2時間のバスの旅を満喫しました。あ、私は終始爆睡していましたけど。
バスが横浜駅に到着し、降車すると、その方が待っていてくださいました。改めてご挨拶をし、お別れする前に、この出来事を記事にすることをお許しいただきました。お互い名前の交換もしませんでしたが、ブログ用のニックネームを決めましょうと言うことになり、私から提案したのが「ひなげし」でした。
バス停で、姿勢良くポツンと座っておられた姿からの連想です。このニックネームを気に入っていただけたことで「ひなげし」さんが誕生しました。
ひなげしさん、先日は寒い中、お付き合いいただきありがとうございました。グログのコメント欄に、いつかひなげしさんが顔を出されるのを楽しみにしています。