海上自衛隊東京音楽隊の歌手である三宅由佳莉さんは、様々な演奏会やコンサートで素敵な歌声を披露してくれますが、演奏中の服装もバリエーションが多く、どんな制服で演奏してくれるのかな、というのも楽しみの一つですよね。
そこで今回は、演奏時の服装についてあれこれ書いて見たいと思います。
音楽隊員には、演奏服という特別の制服が支給されていますが、普通の自衛官と同じ制服も当然支給されています。そして、そんな普通の制服で演奏する場合もありますので、まずそこからみていきましょう。
下の2枚の写真は通常の冬制服と、「演奏略服装」です。違いは一目瞭然ですよね。左肩にモールを装着しているのが演奏略服装です。モールを装着するだけで通常の制服が演奏服装になるので、簡易な方法ですよね。
両方とも、左胸には防衛記念賞、右胸にはネームプレートを装着しています。
夏制服の場合はどうでしょうか。下の2枚の写真をご覧ください、制服はいずれも第三種夏制服です。どちらもモールは装着していませんよね。どこに違いがあるかわかりますか?
そうです、靴の色が違いますよね。
黒い冬制服の場合、全員が黒い革靴ですが、白い夏制服の時は、幹部自衛官と准海尉は白い革靴、海曹・海士は黒い革靴を履くのが正規です。つまり、上の写真で黒い靴を履いている(右側)のは通常の第三種夏制服(半袖)での演奏で、白い靴を履いているのは「演奏服略服装」での演奏ということになります。
これらの場合も、防衛記念賞とネームプレートは装着しています。
下の写真は、同じ夏制服でも第一種夏制服(長袖)です。こちらはモールと白靴が「演奏略服装」になります。また、演奏略服装でも黒靴のまま(右側)の場合もありますが、この辺の使い分けのルールは不明です。例えば部内での演奏ではより通常制服に近い黒靴、部外で行う場合には白靴といった違いはあるかもしれません。
このように見てくると、第三種夏制服の場合だけモールを装着しないということになります。それは、軍服を着用する者の感覚では、半袖で開襟タイプの第三種夏制服にモールを装着すると、とてもだらしない印象になるからだと思います。例えるなら、Tシャツにネクタイを締めるような感じでしょうか。
そこで、靴を白に履き替えるというアクセントをつけることで、第三種夏制服も簡易な演奏服になるようにしたというわけです(私の推測に過ぎませんが)。
以上が、通常の制服、あるいは通常の制服にちょっとアクセントをつけた「演奏略服装」でした。
何しろ、東京音楽隊では、年間を通じ、大小120回以上の演奏会を全国各地を飛び回りながら行っています。演奏会の性格に合わせ、演奏服装も変えなければいけませんが、地方公演などの場合には、そんなにたくさんの衣装を持っていける筈もありません。そこで、通常の制服を簡単に演奏服装にチェンジすることで、あらゆるミッションに対応できるようにしているのだと思います。
ちょっと珍しい服装としては、第二種夏制服での演奏があります。
もっとも、これはリハーサルの風景ですので、この服装で本番の演奏をするところは、まだ見たことないです。でも、防衛省内でのランチタイムコンサートとかならありなのかもしれないですね。愚かなことに、現役の頃、すぐ目と鼻の先で行われていたのに、見に行ったことないのでわかりませんが(≧∀≦)
それにしても、三宅由佳莉さん、制服が本当に似合いますね。
軽い気持ちで書き始めましたが、思いの外長くなってしまったので、正規の演奏服装については(2/2)の方で見て行きたいと思います。