三宅由佳莉さんは3等海曹です。
いわゆる下士官ですので、階級章は左袖(上腕部)に逢着されています。詳しくは、以前書いた記事「三宅由佳莉さんの階級章」をご覧ください。
自衛隊のみならず、一般的に、軍服の肩に階級章を装着するのは将校(士官・幹部)です。
ですから、下士官である三宅由佳莉さんは、下の写真のように、一般の制服には肩章がありませんよね。
でも、演奏服装になると、肩章を装着されています。ただ、肩章をよく見るとわかりますが、音楽隊のエンブレムと錨のマークが入っているだけで、階級を示すものは何もありません。つまり、これは階級章ではなく服飾デザインを目的とした肩章というわけです。
やはり、肩章を装着すると、軍服全体が締まりますから、ステージでの見栄えを考慮したデザインになっているのだと思います。格好いいですよね。
この写真は、2016年7月9日に青森市で行われた3自衛隊合同演奏会でのショットです。
では、下の写真を見てください、2014年1月5日にNHKのBSで放映された番組で歌う姿です。やはり飾り肩章を装着した演奏服装の三宅さんですが、上の写真との違いがわかりますか?
そうですね、上の写真では肩章の近位端が襟の上に露出していますが、下の写真では襟が肩章の近位1/3ほどを覆っています。
それがどうした、と思われるかもしれませんね。
実は、服装規則を正確に適用しているのは上の写真です。もちろん、肩章が階級章であることを前提としていますので、階級章全体が明確に見えるようにする必要があるからです。戦時国際法上も、階級章の明示は義務付けられています。
でも、先ほども書きましたように、三宅由佳莉さんが装着している肩章は階級章ではありません。ですから、下の写真で三宅さんは、襟を肩章に被せる着こなしをされているのだと思います。
女性の場合、肩に肩章を装着すると、どうしてもがっちりした印象が出てしまいます。三宅由佳莉さんは、女性らしい柔らかい肩のラインを出そうとして、肩章をえりで覆う着こなしを選択されたのではないかと推察します。
ところが、2014年以降、肩章を襟の上に出す着こなしに変わりました。
なぜでしょう。
それはわかりません。でも、2014年1月〜3月、三宅由佳莉さんが横須賀教育隊で受けられた、初級海曹課程での教育が影響してしているのかもしれません。
この課程は、海士長から3等海曹に昇任した隊員を対象に、下士官として必要な知識・技能を教育するものです。
おそらく、この教育を通じて学んだことが、何らかの影響を与えたのではないかと思います。それ以降の三宅さんの画像上、階級章を襟でおおうような着こなしは見られなくなりました。
きっちりした性格の三宅さんですから、服装規則なども学び、肩章の着用要領を知ったことで、早速修正されたのではないでしょうか。
以前から、この着こなしの変化について、何となく気になっていたものですから、今回記事にしてみました。