昨年は、三宅由佳莉さんが初めて練習艦隊音楽隊に配属され、遠洋練習航海部隊の一員として長い航海に出られたため、当ブログでも5月から10月まで、約半年に渡りその動向をフォローさせていただきました。
例年になく5月に開催された東京音楽隊のランチタイムコンサートで、三宅由佳莉さんと中川麻梨子さんの異動が判明し、その衝撃も収まらないうちに、今度は練習艦隊への配属の話が飛び込んできて大慌てしたのを懐かしく思い出します。
国内の演奏会などをフォローするのとはまるで勝手が違うため、なかなか簡単には行きませんでしたが、多くの方のご協力のおかげで、練習艦隊音楽隊員として活躍される三宅由佳莉さんの様子を共有することができました。また、普段目にすることのない練習艦隊音楽隊の活動の一端を知ることができたのも意義深いことだったと思います。個人的には、自分が実習幹部として訪問したことのある寄港地もいくつかありましたので、とても懐かしく感じました。
さて、現在練習艦隊は母港である呉に所在しています。
3月14日に江田島の幹部候補生学校を卒業した実習幹部は、江田内で護衛艦「あさひ」「いせ」、掃海母艦「うらが」に分乗して、国内各地を巡航しながら近海練習航海を行ってきました。呉で、練習艦「かしま」「しまゆき」に配属替えとなり、5月8日に横須賀に向け出港予定となっています。
そして横須賀には5月11日から22日の間滞在し、近海練習航海の日程が終了します。
問題はその先です。
近海練習航海が終わると同時に遠洋練習航海部隊として編成され、海外に向け出港するのが習わしですが、今年は果たしてそんなことができるのでしょうか。
各国が人的交流を最低限に抑制しようとしている最中、多くの寄港地を巡るような行動が受け入れられるとは思えません。
実際、現在実施されている外洋練習航海(飛行幹部候補生過程卒業者に対する練習航海)も、マレーシア、ブルネイへの寄港を取りやめ、国内への寄港に切り替えて実施されています。
遠洋練習航海部隊の日程が公表されるのは、5月中旬頃ですから、まだ確たることは言えませんが、太平洋上での長期航海を行いつつ各種訓練を実施し、時々国内の寄港地で補給・休養を行うということになるのではないでしょうか。実習幹部にとっては、乗艦実習は十分に行うことができますが、初級士官として海外を訪問する機会を失うのは残念なことです。今や、個人的に海外を訪れる機会など珍しくもありませんが、士官として外国士官交流したり、国際儀礼の実際を体験することの意義は決して小さくありません。その意味で残念だと思うのです。
それにしても、三宅由佳莉さんが昨年の遠洋練習航海に参加できて本当によかったと思います。異動直後の配属は、おそらくかなり前から予定されていたのではないかと思いますが、あのタイミングを逃していたら、参加はできたとしても、「海外の聴衆の前で歌を披露したい」という望みを叶える機会はなかったかもしれません。
やはり、持っている人なのかな、と思ってしまいます。