今回の取り上げるのは、昨年のニコニコ超音楽祭で三宅由佳莉さんが歌い上げた、初音ミクの「Tell Your World」です。
唐突ですみません。
昨夜、全く違う記事に使うための動画を編集していたのですが、素材の一つとして昨年のニコ超音楽祭の動画をチェック中に、三宅さんがこの曲を歌うのを観て、突然書きたくなってしまったのです。衝動書きというやつです。
今年のニコニコ超音楽祭を観て以来、そちら関係の動画編集や記事書きの機会は多かったのですが、昨年の動画を観たのは本当に久しぶりでした。
今年の音楽祭では、ラストナンバー「ダンスロボットダンス」の弾け方が衝撃的でしたね。三宅由佳莉さんの新たな扉が開いたようなパフォーマンスでしたし、同時に彼女の魅力が惜しげもなく溢れるステージとなりました。
ですから私も思わず、昨年より間違いなくグレードアップしている、と記事に書きましたし、実際、それはその通りだと思います。
ところが、そんな衝撃を受けた後に観た昨年の動画は、不思議なことに、以前よりも輝いて見えたのです。何故なのでしょう。今年のパフォーマンスが、料理でいえば隠し味のような役割を果たしているのかもしれません。隠れてませんけど。
でも、以前より輝いて見えた理由は、歌そのものよりも、三宅さんの動き全体の、しなやかで自然な流れなのではないかと思います。
以前から感じていたことなのですが、三宅由佳莉さんがステージ上で見せるステップや、体全体を使って表現するパフォーマンスは、その時そのときのライブな感覚から生み出されるアドリブなのではないでしょうか。
その証拠に、例えば、橿原神武祭での「Stand Alone」のリハーサルと本番の動画をよく見比べると、全く違う動きになっているのがわかります。
つまり、三宅さんにとって、振り付けはリハーサルの必要がないわけです。
そう考えると、「ダンスロボットダンス」でのパフォーマンスは、衝撃的なインパクトを持つ一方、かなり作りこまれた人工的な印象があります。もちろん、それでこそ「ダンスロボットダンス」に相応しいとも言えますし、何か新しい扉が開いたような感じがしたのは、そのせいだったのではないかとも思います。
ところで、初音ミクは、バーチャルアイドルなどとも称されますが、その正体はシンセサイザーなどと同じ電子楽器の一種です。ですから、一つの音節にどれだけの文字数の歌詞を詰め込んでも全て歌いこなしますし、オクターブの制限もありません。無限の音域と滑舌を持つボーカロイドなのです。あとは、人間の耳が聞き取れるかどうかの問題です。
そんなボーカロイドの楽曲に、生身の人間が挑戦するのはなかなかチャレンジですよね。三宅由佳莉さんにしても、今年の藤沼直樹さんにしても、どこまでも伸びる高音域には驚かされます。
そんな、高音域の伸びやかな歌声と、とても自然なダンスパフォーマンスに注目しながら、ボーカロイド・初音ミクの「Tell Yoyr World」を歌い上げる三宅由佳莉さんの動画をご覧ください。