間も無く、海上自衛隊最大のイベントが始まろうとしています。
そうです、相模湾での観艦式をメインに据えた、フリートウィークが10月5日(土)から10月14日(月)にかけて開催されます。この期間中、横浜、みなとみらい地区にある赤れんがパークや大桟橋周辺において、観艦式付帯行事として様々なイベントが予定されています。なかでも、このブログをお読みになってらっしゃる皆さんにとって関心が高いと思われるのは、10月5日(土)、10月6日(日)の両日に赤れんがパークで開催される東京音楽隊の野外コンサートでしょう。いずれも、1500(ひとごーまるまる)から1550(ひとごーごーまる)というコンパクトなパッケージですが、コンサートホールとは一味違う演奏会を体感する絶好の機会ですので、首都圏界隈にお住いまいの方に限らず、是非足を運ばれてはいかがでしょうか。かく言う私ももちろん出かけるつもりです。
また、隣接する大桟橋には、F-35B戦闘機の運用を可能にするための改修経費が、来年度予算の概算要求に盛り込まれたことで注目を浴びている海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」が繋留し、一般公開も予定されています。
詳しくは下のリンクからご覧になってください。
各種イベントは、日中に行われますが、大桟橋に繋留される護衛艦「いずも」と「むらさめ」は、日没と同時に自衛艦旗降下を行います。通常の日課に過ぎませんが、なかなか直接ご覧になる機会はないでしょうから、興味のある方は日没時に大桟橋の両艦の艦尾付近に行かれるといいと思います。もちろん、艦尾の旗竿に掲揚されている自衛艦旗が降下されるからです。一般公開中に、甲板上でその様子が見れるといいのですが、イベント予定では、5日(土)は1700(ひとななまるまる)、6日(日)は1600(ひとろくまるまる)で一般公開は終わりますので、残念ですがそれは叶わないと思います。何故なら、大桟橋における10月5日(土)の日没時刻は1721(ひとななふたひと)、10月6日(日)は1719(ひとななひときゅう)だからです。
と言いますか、見学者の安全確保が第一ですので、日没前の十分な明るさが得られている間に、皆様には退艦していただくように計画されているわけです。
両艦は日中「満艦飾(まんかんしょく)」を施していると思われますので、日没時には自衛艦旗の降下と同時にこの信号旗の連なりが降下されるのも見ることができるでしょう。
そして、予定表によれば、1900(ひときゅうまるまる)から2200(ふたふたまるまる)までの間、「電灯艦飾(でんとうかんしょく)」のライトが点灯されます。
さて、先ほど「自衛艦旗」が降下されると書きました。このブログをお読みになっている方の中には「自衛艦旗って何?」な方はまずおられないでしょうが、ちょっと思うところもあり、書かせていただきます。
自衛艦旗とは、海上自衛隊に所属する自衛艦(護衛艦だけではありません)が、艦尾の旗竿やメインマストに掲揚して、当該艦艇が日本国に所属する「軍艦」であることを示す標識です。つまり、自衛艦旗は一般的には「軍艦旗」と呼ばれるものであり、国旗に準じて扱うこととされています。つまり、軍艦が掲揚する国旗なのです。
以前、その辺を詳しく書いた記事がありますので、興味のある方はお読みください。
さて、自衛艦旗は、海上自衛隊発足に際し、新たに制定されたものですが、そのデザインは、帝国海軍の軍艦旗と寸分違わぬものとなっています。当時、海軍の軍艦旗を引き継ぐべきとの意見は多かったものの、二の足を踏まざるを得ない世情もありましたので、自衛艦旗の意匠について東京藝術大学の教授に意見を求めたところ、軍艦旗と全く同じ寸法で描き上げ、あらゆる観点から見て、これに勝るものはない、気に入らなければ辞退すると仰ったそうです、「画家としての良心が許さないので」と。
自衛艦旗は、デザインとして大変素晴らしいと私も思います。でも、この画匠教授が本当に仰りたかったのは、「日本人として、この旗に誇りを持たなくてどうする」ということだったのではないでしょうか。
地上を遍く光で満たしていく朝日をモチーフとしていることから「旭日旗」とも呼ばれるこの旗は、我が国で昔から広く親しまれてきました。生きとし生けるもの全てに等しく注がれる陽光への感謝と、我が国も国際社会の中で旭日のような存在でありたいとの思いが、この旗には込められているような気がします。
その意味で、「旭日旗」は、海上自衛隊の「軍艦旗」であるだけでなく、我が日本国を象徴するものでもあると思います。そのことは、私たち日本人よりも、海外の方々の方が強く感じておられるのかもしれません。
現在、我が国では初となるラグビーW杯大会が行われていますが、旭日旗をあしらった鉢巻やTシャツを着て盛り上がる外国人の方が多いことに驚いています。そしてそれは、決しておチャラけではなく、我が国に対するリスペクトを形に表したいという思いから出ているように思います。
アイルランド戦での日本代表チームの快挙は、世界中を驚かせると同時に大きな感動を与えましたが、破れたアイルランドのファンの方々からの賞賛のメッセージがネット上に溢れていたことが、そのことを端的に、そして雄弁に物語っていると思います。
観客席を埋める多くの日本人ファンの、どの国のチームにも等しく敬意を払い、たとえ対戦相手であったとしても、試合が終われば喝采を送るという「気持ちのいい」盛り上がり方が高く評価されていることも、その背景にはあるでしょう。
ラグビーに限らず、我が国で行われる国際大会では、海外からの選手から「日本のファンが私たちのことも応援してくれるのでとても嬉しい」との声が聞かれます。
誰かに扇動されたり、強制されてそうしている訳ではありません。昔からそうだったように、普段と同じ心で普通に行動しているだけです。でも、頑張っている選手の皆さんに分け隔てなく声援を送る姿が、海外からは、まさに「旭日」と映るのではないでしょうか。
そのような自分たちのありようは、誇りに思って良いのではないかと思います。ひけらかすものではありませんけれど。
そして、「旭日旗」は、そんな日本と日本人のありようの象徴に他ならないと言うことを改めて心に刻んでおきたいと思います。
また、大幅に脱線してしまいました(≧∀≦)
さて、その旭日旗を翻した護衛艦「いずも」は、本日午後、横須賀から横浜の大桟橋に回航予定です。もちろん、明日からの一般公開に備えてのことですが、台風の動向がちょっと気になりますね。
実は、この回航に際し、横須賀水交会が部隊研修(体験航海)を企画してくださったので、私も応募したのですが、「希望者多数につき」選に漏れました。観艦式の体験航海も落選でしたので、がっかりですが、こればかりは仕方ありません(╹◡╹)
でも、ブログチームから乗艦される方がおられるようですので、いいネタがあったらきっと報告してくださると思います。
ところで、フリートウィークの会場である「赤れんがパーク」では、本日から「横浜オクトーバーフェスト2019」も始まります。本場ドイツのソーセージやビールを楽しむこともできます。詳しくは下のリンクから。