昨年の9月に「東京音楽たの栄誉」という記事を書きました。
水曜コンサートの後、東京音楽隊が小野寺防衛大臣(当時)の部隊視察を受けたことを記事にしたものです。防衛大臣直轄部隊とは言え、東京音楽隊のような小部隊が防衛大臣の視察の栄誉に浴する機会を得るのは稀なことだと思います。私の32年間の現役時代に、所属部隊が防衛大臣の視察を受けたという経験はありません。すごいなと思いました。
そして、今回の「栄誉」とは…
「いかづち」さんがLINEで知らせてくれたのですが、東京音楽隊のホームページに昨日アップされたのは、4月10日、東京音楽隊に内閣総理大臣感謝状が贈呈されたという記事です。
2月24日、国立劇場で行われた「天皇陛下御在位三十年記念式典」において、東京音楽隊から3名のトランペット奏者が参加し、式典に花を添えたことへの感謝なのです。3名がどなたなのかは存知ませんが、天皇陛下の記念式典に参加したということは、お三方にとっても東京音楽隊にとっても大変名誉なことだと思います。
そして内閣総理大臣からの「感謝状」贈呈
普通に考えて、栄誉と言って良いのでしょうが、私は若干の違和感を感じました。
何故か…
内閣総理大臣は、自衛隊の最高指揮官です。その最高指揮官が、隷下の部隊に対し「感謝状」を贈呈するというのは如何なものなのでしょうか。
ケチをつけている訳ではありません。
隷下部隊である東京音楽隊は、任務を遂行したのです。それが称賛すべき内容であったのならば、「感謝」ではなく「表彰」すべきではないかと思うのです。
もちろん現状では、内閣総理大臣から部隊あるいは隊員を「表彰」する仕組みがありませんから「感謝状」になったのはよくわかります。内閣総理大臣が、自衛隊の一部隊や個々の隊員を「表彰」する仕組みを作るのが簡単ではないこともわかります。
それでも、「自衛隊の最高指揮官」である以上、そのような仕組みが必要なのではないでしょうか。
今回の感謝状贈呈は大変な栄誉だとは思いますが、「特別賞状」の授与だったならば、隊員の士気はより高まると思います。そして、内閣総理大臣からの「特別賞詞」あるいは「特別防衛功労賞」(今はありません)が個々の隊員に対し行われるような仕組みができたなら、どんなにいいだろう。
今回の「感謝状」贈呈の記事を読み、そんなことを夢想した次第です。
いずれにせよ、東京音楽隊が浴する栄誉が続いていることは、喜ばしい限りです。
(╹◡╹)