年が明けてから、昨年書ききれなかった記事を、時系列を一応守りながらせっせと書いていますが、実は、皆様に予告もしていなかったイベントが年末にあったんです。私は大晦日まで多忙だったものですからとてもチェックしきれなかったのですが、我らが斎藤さんがちゃんと現地に赴いて取材をして来てくれました。
タイトルを見れば判ると思いますが、現地とは、三宅由佳莉さんの故郷、岡山県倉敷市のことです。
12月28日(金)、倉敷市民会館大ホールで行われた倉敷児童合唱団(倉児)の第22回定期演奏会に、三宅由佳莉さんが5年ぶりに招待出演されたのです。前日から倉敷入りし、リハーサルなども行われたようで、その際の写真などが倉児のホームページに掲載されていますので、下のリンクから飛んでみてください。
また、本番での写真もいくつか掲載されています。
三宅由佳莉さんは、これまで何度となく故郷(倉敷や岡山)での演奏会などでその歌声を披露されて来ました。以前、それらを一つの記事にまとめたことがありますので、今回の記事は、その追補版の位置付けとなります。
ご自身の故郷とは言え、年末の忙しい時期に、倉敷まで出向いての取材と記事の執筆をしてくださった斎藤さん(特派員です)には感謝の言葉もございません。ありがとうございました。以下、斎藤特派員報告です。
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私(齋藤)のふるさとである倉敷(もちろん三宅由佳莉さんにとってもふるさとです)で、平成30年12月28日に倉敷児童合唱団(以下、「倉児」といいます)の第22回定期演奏会が、倉敷市民会館大ホールにて開催され(18時30分~21時)、倉児のOGである三宅由佳莉さんが、スペシャルゲストとして5年ぶりに出演されましたので、行ってきました。
さて、その前日の27日、実は三宅さんの母校である岡山城東高校の第30回定期演奏会も開催されており(場所は岡山シンフォニーホール)、せっかくふるさとに帰っているのだからということで、私は、この岡山城東高校の定期演奏会にも行きました。昼の部(13時30分~18時30分)を聴きました。プログラムは、第1部と第2部にわかれ、第1部は、吹奏楽部、管弦学部、合唱部が、それぞれ1年間の練習の成果を披露し、第2部は、第30期音楽学類の3年生の個人(一部はグループ)演奏が披露されました。さすが三宅さんの母校だけあって、いずれもレベルの高い演奏でした。
吹奏学部で圧巻だったのは、「オリジナルメドレーSHOUT!」で、クラリネット、サックス、トランペット、トロンボーンなどを上に向けて、叫ぶように演奏し、ダンスも交えた、はでなパフォーマンスとその迫力に圧倒されました。
管弦学部(部員のほとんどは弦楽器)ですが、何と部員の95%は、楽器初心者ということで、部長も高校に入学してから、ヴァイオリンを始めたとのことでした。しかし、なんのなんの演奏は、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデOP.48 第4楽章」を始め、弦楽器の美しい音色を響かせてくれました。東京音楽隊も今年よく演奏した「西郷どんメインテーマ」では、三宅さんのヴォカリーズのパートを三線(沖縄の楽器)のソロで演奏されました(よかったですが、やはり、三宅さんのヴォカリーズが最高で、聴きたかったなという気持ちでした)。そして、最後は、あのラデッキー行進曲で締めてくれました。
第1部の最後は、平成30年、NHKの全国学校音楽コンクール全国大会に、岡山県勢として初めて出場した合唱部が、課題曲などを披露し、その実力を示してくれました。実は、合唱部は、3年生が引退して、全国学校音楽コンクール全国大会のときのメンバーではなく1、2年生のみの編成でしたが、すばらしいハーモニーとステキなダンスを見せてくれました。ちなみに、合唱部部員66人中、男子はたった9人なんです。
ここまで来るとお分かりかな、と思いますが、吹奏楽部も合唱部も、演奏だけでなく、ダンスパファーマンスも素晴らしかったのです。三宅さんは、高校時代はダンス部で、今も、「キューティハニー」、星野源の「恋(恋ダンス)」、「ダンスロボットダンス」や「ヤングマン」などの歌唱で、切れのある素晴らしい振り付け、ダンスを披露してくれますが、三宅さんの歌とダンスは、岡山城東で「も」(何故「も」なのかは、後で分かります)、鍛えられていたのでしょうね。
第2部は、総勢30組の3年生が、ピアノ独奏、フルート独奏、ソプラノやバリトンの独唱、作曲作品演奏などが披露されました。私の印象に残ったのは、「トゥナイト」(ウエストサイドストーリー)のクラリネット四重奏でした。歌唱パートのクラリネットで弾きわけは素晴らしかったです。また、三宅さんが、平成30年4月7日に倉敷でも歌った「Think Of Me」を披露された学生にも注目しました。三宅さんの卓越した歌唱力や表現力にはまだまだ及びませんが、(三宅さんもおそらくそうだったように)これから顔晴って進化していってほしいと思いました。
前座が長くなってしまいました。本論にはいりましょう。
【倉敷児童合唱団第22回定期演奏会】
12月28日、開場は17時30分、自由席ということで、先頭ぐらいに並ぼうと、3時間30分前に会場についたところ、何と既に50人くらいが並んでいました。ちょっと想定外で、この時点では、「マズイ、最前列がとれないかも・・・」と思いました。並んでいるのは、ほとんどが、出演する子供たちのお友達とそのお父さん・お母さんといった感じで、私のように、とにかく「三宅由佳莉」が観たいと、来ている人はほとんどいないように思えました(この見立ては正しかったようです)。開場してホール内に急いで入ったところ、最前列(この日は、第1列目の真ん中には、客席で指揮をする席が設けられていたため、真ん中付近の最前列は第2列目でした)には、誰も座ろうとしないのです。幸運にも、最前列真ん中(三宅さんが歌唱する真正面)の席に座ることができました。
さて、プログラムを見ると、「1 メンデルスゾーンVSショパン」、「2 虹の向こうに」、「3 The Beatles Collections」、「4 合唱ミュージカル『星空の紙ヒコーキ』」とだけなっていて、三宅さんの出番も何を歌うかも全く分かりませんでした。
倉児の生徒さんたちは、幼稚園(保育園)の年少組から、上は大学3年生までいて、総勢130人余り、そのうち男子は、たった5人です。岡山城東の合唱部も男子はすごく少なかったですが、何なんでしょうかね?(私事になりますが、50年も前、私の亡母は、私を児童合唱団に入れようと思っていて、結局事情があって入れなかったですが、私自身は合唱団に入りたかった記憶があります。合唱っておもしろいし、歌の基礎も学べるのでよいと思いますし、うまくなれば独唱もできますし)
余談がすぎましたので、演奏会の報告をすすめます。
「1 メンデルスゾーンVSショパン」では、まず、司会役の2人の子供から、メンデルスゾーンとショパンの関わりや、メンデルスゾーンとショパンの対照的な曲として、「結婚行進曲」と「葬送行進曲」があることなどの話があり、小学校高学年以上のメンバーにより、メンデルスゾーンの「春の歌」やショパンの「別れの曲」など4曲が披露され、最後は、ショパンの「華麗なる大円舞曲」で、ここでは、ステキな「ダンス」も披露されました。
「2 虹の向こうに」では、小学生以下のメンバーが13曲をかわいらしく歌っ
てくれました。ここでも、かわいらしく、かつ、元気な「ダンスパフォーマンス」
をやってくれました。
ちびっ子たちが舞台からいなくなって、ふと、舞台の左袖に目をやると、三宅さんらしき姿が見えました。ここから、「三宅由佳莉」のスペシャルステージです。
yaplog.jp 照明の暗い中、左袖奥から、「タイム トゥ セイ グッバイ パ エーズィ ケ ノノ マイ・・・」という三宅さんの美しい歌声が聴こえてきます。照明が明るくなり、制服の三宅さんが歌いながら舞台に現れたところで、大きな拍手が沸き起こり、三宅さんは、私の目の前まで来て、あの超高音のラストを10秒間のロングトーンで、カッコよく歌い上げました。この歌の終盤の短い部分だけでしたが、特に高音の響きは、これまでにないくらい、つやと厚みをもっていて、一段と進化した「タイム トゥ セイ グッバイ」を聴くことができました。
すぐ、伴奏は変わり、次は「Believe」です。合唱曲でもあり、卒業式でもよく歌われる曲です。今日は、三宅さんの独唱で披露されました。私は、「Believe」を三宅さんの生歌で聴くのは初めてでしたが、限りなく透き通った美しい歌声と、三宅さんの体から発せられる音魂(おとだま)、そして、オーラに、私の体全体がふわっとつつまれ、すーっと心が浄化されていく感じになりました。
歌い終わり、「今年7月、岡山を襲った豪雨災害、私のだーい好きな岡山に、そして今日ここにお集まりの皆様の心の中に、小さくてもいい、明るい光がともることを祈っておおくりします。祈り~prayer」
この三宅さんの言葉だけで、同じふるさとを持ち、倉敷真備の惨状に心を痛め、今も気になっている私は、既にウルウルしていました。
1コーラス目は、三宅さんの独唱です。そこには「Believe」のときとは少し違った「三宅由佳莉」がいました。もちろん透き通った美しい歌声です。私が「祈り~prayer」を生で聴くのは丁度10回目なのですが、表情、指先、手そして体全体の動きから、いつも以上に、凛として、かつ、みんなの心に光を届けようとする力強さが伝わってきました。既に私の涙腺は崩壊していましたが、2コーラス目から子供たちのコーラスが加わりました。大げさと思われるかもしれませんが、まさしく、子供たちの穢れなく美しい「天使のコーラス」の中で、美しく、凛とした「女神」が、西日本豪雨だけに止まらず、あらゆる災害の被災者の方々へ、ひいては、すべての国民に向けて、「希望の光」のオーラを放っているように感じました。いままで聴いた「祈り~prayer」の中で一番感動しました。言葉に表すのがおこがましいような素晴らしい演奏でした。
「えっ、まだ、涙が出ているのに・・・」と思いながら、三宅さんは「次はちびっ子も一緒に歌いたいと思います。ちびっ子のみんなー」と呼びかけ、「はーい」と小学生以下のちびっ子たちの再登場です。歌は、サウンド・オブ・ミュージックの「ドレミの歌」(ペギー葉山さんの訳詞)。会場は一気に楽しい雰囲気になり、三宅さんのあのステキな笑顔がはじけます。ちびっ子たちもかわいかったです。三宅さんは「歌のおねえさん」になり切っていました。そして、ここでも歌のラストの、三宅さんの超高音の響きは圧巻でした。
最後は、次のステージの紹介をして「今日は、ありがとうございました。三宅由佳莉でした。」とさわやかに、手を振りながら舞台左袖に消えていきました。
約16分のステージでしたが、(当たり前ですが)東京音楽隊での歌唱のときとは全く違った雰囲気で、本当に楽しく、かつ、感動いっぱいでした。
ここで、10分間の休憩に入り、後半に移ります。「3 The Beatles Collections」では、ビートルズナンバーを黒のブレザーとネクタイで決めた小学高学年以上の子供たちが、シックに、かつ、カッコよく、ダンスも交えながら歌ってくれました。最後の「Let it be」では、客席が携帯の光をペンライト代わりにして振るという演出もあり、楽しめました。
「4 合唱ミュージカル『星空の紙ヒコーキ』」は、カケルという男の子(実際の配役は女子)が、天国の亡父と話をするのに、紙ヒコーキを飛ばして交信していたら、アルゴル星の「ララ」という少女に届き、「ララ」が地球にやってきて、地球の子供たちと交流するというストーリーです。「ララ」役が、このミュージカルの主役で、青い髪の毛・銀色の衣装(ミニスカート)で歌い、踊ります。このミュージカルは、これまで何度か披露されているようで、今回の「ララ」役は4代目、実は、三宅さんは、2代目の「ララ」役でした。きっとかわいくて、カッコよかったのでしょうね。
お気づきになられたのではないかと思いますが、倉児の演奏会の演目には、すべて歌だけではなく、ダンスが組み込まれています。ちびっ子から大学生に至るまで、「歌って踊る」という表現が、しっかりできるようになっているなと感じました。既に触れましたが、これが岡山城東高校「も」の「も」の意味なのです。
二つの演奏会を観て、今の「三宅由佳莉」の原点、素晴らしい歌とダンス、人の心を揺さぶる卓越した表現力、そして、エンターテイメント性の高さの原点がここにあると強く感じました。
さて、演奏会終了後、ホール1階のホワイエに子供たちが出てきて、来場者へのお礼とお見送りを兼ねてドレミの歌などを歌っていました。
地元倉敷だし、東京音楽隊の演奏会ではないので、三宅さんもお見送りに出ているのではないかと探していたら、入り口付近にいました、いました。既に子供たちやお母さん、おねえさんたちに囲まれていました。私から三宅さんに「すごく良かったよ」と声をかけてハイタッチを交わし、少しお話もできました(余談ですが、三宅さんとお話をし、一緒に写真を撮っているのは、子供たちとお母さん、おねえさんたちばかりで、男性陣の声かけなどがほとんどないは何故なのでしょう? ランチタイムコンサートでは、男性陣もそれなりにみんな写真を撮ったりしているのにね・・・ 地元の私がいうのも何なのですが、倉敷の人はシャイなのかな?)。私にとっては、平成30年4月の倉敷(児島)での演奏会とともに、記憶に残るステキな演奏会でした。
報告は以上です。かなり私の勝手な感想等も入っていますので、ご容赦下さい。
(斎藤特派員)
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いかがだったでしょうか、やはり演奏会に出向くということはとても大切なことだと実感させられますね。演奏内容そのものを直に掴むということもありますが、演奏会周辺の様々な事物に触れるということが重要だと思わせてくれる、そんな記事ではないでしょうか。