注目されていた東京都知事選は、現職の小池さんの圧勝に終わりましたね。各候補への支持勢力の動向などから、小池都知事再選の要因は様々分析されているようですが、結局投票するのは個々の都民です。投票率は確かにそれほど高くはありませんでしたが、各陣営の支持勢力の思惑よりも、この非常時の舵取りを誰に任せれば最も安心できるだろうか、という選択になったのだろうと思います。大変興味深い選挙でした。
さて、圧倒的な強さで再選を果たした小池都知事のお膝元を活動拠点とするわが東京音楽隊ですが、「コロナに負けるな!」シリーズ(くどいようですが…という注釈がすでにくどい!)に、本日夕刻、新たな動画が2本加わりました。
いずれも、2017年2月に東京オペラシティで開催された第56回定期演奏会での演奏風景です。まさにビデオコンサートですね。
1曲めは、佐藤博昭さんが20代の頃に書き上げられた作品「天国の島」です。2011年の吹奏楽コンクールの課題曲でもあります。また、TOKIOの人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の中でも時折流れていましたので、「あぁ」と思われる向きも多いのではないでしょうか。
作曲された佐藤さんによれば、「天国の島」は、北海道の北西部に位置する「天売島」をイメージして作られた曲なのだそうです。かつて、この島の中学校に音楽教師として1年間を過ごされたそうです。その際に目にされた島のたたずまいや、素朴な島民のみなさんとの交流などの思い出からイメージを膨らませて「天国の島」が生まれたのでしょう。曲全体に通底する「和」のテイストが吹奏楽と見事に調和していますし、曲の展開のスケールも大きく、大変魅力的な作品だと思います。
2曲めは、樽谷雅徳さんの「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」です。2012年にリリースされた曲ですが、大変人気が高く、吹奏楽コンクール課題曲として何度も選ばれているそうです。
クシナダ姫とは、ヤマタノオロチを退治することの見返りとして須佐之男命に嫁いだ女性ですよね。そうです、日本神話の世界を描いている曲なんです。そして、ヤマタノオロチのエピソードをスサノオではなく、櫛に姿を変えスサノオの髪に刺された状態で共に戦ったクシナダ姫をメインに展開しているところが興味深いですし、勇ましさの中に嫋やかな情感を絡ませる場の設定として大変優れていると思います。
さて、ステージ上には、現在佐世保音楽隊で活躍されている近藤悟史さんがコンサートマスターとして出演されていますし、もちろんホルンの川上良司さんもいますよ。
また、最近お見かけすることがなくなった、サックスの関水優子さん、トランペットの西村(桑原)麻美子さんの姿も懐かしいですね。
そして、太田紗和子さん、赤嵜尚子さん、岩田有可里さんの姿ももちろん見ることができます。
私にとっては、三宅由佳莉さんをきっかけに東京音楽隊と出会う直前の演奏会ですから、何かちょっと感慨深いものがあります。
実は、この演奏会では、三宅由佳莉さんがシューベルトの「アヴェ・マリア」を熱唱されたのですが、その音源CDから動画仕立てにしたものをYouTubeにアップしてあります。
今回、この定期演奏会の動画が立て続けにアップされたので、ひょっとしたらこの「アヴェ・マリア」もアップされるのではないか、と一瞬期待したのですが、三宅さんは現在横須賀音楽隊所属ですから、多分東京音楽隊からアップされることはないんだろうなと思います。