あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

今日は何の日?(5月3日)

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 今日は憲法記念日ですね。

 日本国憲法は、昭和21(1946)年11月3日に公布され、6ヶ月の周知期間を経て、昭和22(1947)年の今日、施行されました。大日本帝国憲法明治憲法)から日本国憲法に切り替わった訳で、名称すら異なりますが、あくまでも大日本帝国憲法の改正条項に基づく「改憲」であり、制定経緯から見る限り、決して大日本帝国憲法が廃棄され、これと全く無関係に新憲法が作られたという訳ではありません。

 その意味では、改正された憲法が効力を発したに過ぎない日を、わざわざ祝日にするというのも如何なものか、という意見もあり得ますが、この改憲はすなわち「新憲法の制定」であるとの認識が広く共有されていたということなのでしょう。

 さて、新憲法の制定によっても、象徴としての天皇を頂く立憲民主主義国という基本的な国のかたち(国体)は変わっていません。

 一番大きな変化は、新憲法がその第9条によって戦力の保持と国の交戦権を否定したことでしょう。現在では、「外国からの侵略を受けた場合、座して死を待てというのが憲法の要求であるはずがない」、つまり「国の自衛権が認められるのは自明の理」でしょ、ということになっています。ですから、国が保有する自衛権を裏付ける「実力組織」として自衛隊が法的に存在できるという整理になっています。もちろん異説はたくさんあり、自衛隊違憲論が唱えられるのはむしろ当然のことだと思います。

 ところで、この9条について、帝国議会で強硬に反対した政党があります。軍隊を持たずにどうやってこの国を守るのだ、と主張し、採決でも「反対」に回りました。

 国と国民のことを思い、至極まっとうな主張を通した気骨のあるこの政党は「日本共産党」といいます。最近の同党からは、このような気骨のある主張は聞こえて来ません。寧ろ逆の主張をしているような気がするのは私だけでしょうか。同党が最近低迷している原因は、その辺にあるのかも知れませんね。以前のような気骨を思い出し、国家国民のために是非奮闘して欲しいものです(本気です)。

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 先ほど述べたとおり、9条を巡る解釈は様々ありますし、制定以来70年以上経過する中で、他の条文の中にも実情にそぐわず改正すべき点が見えて来ました。

 そこで、現行憲法を現在の目で見直し、改正すべきは改正して国の基本法としてより適切かつ明確なものにしようというのが憲法改正に向けた動きだと認識しています。実に普通の考え方だと思います。

 

 対して、「憲法改正」に反対する方々の考え方がよく見えません。未だ憲法改正案が国会に提出されている訳でもないのに、一体何に対して反対しているのでしょう。それどころか、第1次安部内閣改憲のための国民投票の実施要領を定めた「国民投票法」が成立した際には狂ったように反対していましたね。憲法に定められた改憲条項を受けて具体的な法律を整備するのは国会の責務のはずなのに、何故反対するのでしょう。

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 どう考えても「憲法を改正すること自体」に反対している、つまり現行憲法は絶対に変えてはならない、という主張をしているというのが論理的帰結です。

 そのような主張をされるのは全く問題ありませんが、それを決めるのは国民であり、その手段が国民投票であると憲法に定められているのですから、その法律の制定に反対するということは、国民から憲法について意思表示をする唯一の手段を奪い続けたいという欲求の現れなのでしょう。

 「現行憲法を変えてはならないというのが大半の国民の意思である」との主張が正しいのであれば、「どうぞどうぞ、お好きなように国民投票におかけください。どうせ否決されますから」と、どーんと構えていればいいのではないですか?

 改憲論議を土俵にも上げさせまいとしているのは、実は国民の大多数が改憲に賛成であるとの認識があるからではないのでしょうか。だとすると、改憲自体に反対している方々のやっていることは、国民をないがしろにした政治テロにも等しいのではないかと思います。

 あるいは、愚かな国民は正しい判断ができないから、優秀な我々がこの動きを止めなければならないと考えているのでしょうか。だとすると、これほど国民をバカにした話はないですし、憲法自体をないがしろにするものだと思います。文言さえ変えなければ、憲法の定めを無視し、踏みにじっても構わないというのが「護憲」の考え方なのでしょうか。

 

 賛成、反対、様々な意見があるからこそ、議論すべきなのではないか。国民も真剣に考えるべきではないのか。

 それなのに、土俵に上がろうとする相手の足を引っ張り、土俵の外で大暴れしているような現在の改憲反対勢力は、実に見苦しい気がします。

 自信があるなら、正々堂々、土俵の上で勝負しろよ!