あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

初心忘るべからず

f:id:RetCapt1501:20190322001308j:plain

 唐突ですが…

 室町時代を一言で言い表すなら「乱世」でしょう。

 南北朝の戦乱の中で産声を上げた室町幕府が戦国時代に飲み込まれていくまでの二百年間は、中央政権が十分な求心力を保ち得なかったこともあり、やがて戦国武将となっていく多くの有力者が各地に力を蓄え、また村々では土一揆が横行するなど、政治的には大変不安定な時代であったろうと思われます。京都の街を焼き尽くした「応仁の乱」が起きたのもこの時代です。

f:id:RetCapt1501:20190317171341j:plain

 それでも、私にはこの時代がとても魅力的に感じられるのです。

 政治的な不安定性が既存秩序の枠にとらわれない人的交流を促したためなのでしょうか、芸能・文化が実にダイナミックな展開を遂げた時代でもあるからです。現在に伝わる「生け花」、「茶の湯」、「猿楽(能)」、「水墨画」、「日本庭園」など、およそ日本的と思われる芸能・文化の大半はこの時代に成立したものです。 

f:id:RetCapt1501:20190317205535j:plain

 現在の私たちの生活様式や慣習の多くは、三百年にわたる徳川の治世にその淵源を求めることができるのではないかと思われますが、日本人としてのアイデンティティーが基礎付けられたのは室町時代なのではないでしょうか。

 今回のタイトル「初心忘るべからず」は、ご案内のとおり、父観阿弥とともに「猿楽(能)」を大成した室町時代初期の猿楽師・世阿弥の言葉です。

 間も無く新年度を迎えますが、入社式や入学式などでの式辞や祝辞に引用されることも多いこの言葉は、入社・入学した時の感激ややる気を忘れることなく精進してほしいという意味合いで使われています。

 ところが、世阿弥がこの言葉に込めた意味はそういうことではないようなのです。

 自分が未熟だった頃の芸風を自分の中にちゃんと残しておけと世阿弥は言います。円熟の域に到達しながらも、「初心」芸を加味することで、観るものに新鮮な驚きを与えることができるのだと。もちろん、それは元々の「初心」とは異なり、当時の自分の至らなさを十分自覚した上で、一つの高みに達した「初心」ということです。このように「初心忘るべからず」は、時々に「初心」に回帰しながら螺旋階段をのぼるように芸に磨きをかけていきなさいという芸能指南のキャッチフレーズだったわけです。

 なぜ唐突にこんな話を始めたのか不思議に思われるかもしれませんね。

f:id:RetCapt1501:20190322000956j:plain

 以前から色々な記事で、三宅由佳莉さんはイメージを特定するのが難しいという話を書いて来ました。東京音楽隊の演奏会や、数ある動画を拝見していますと、曲によってあるいはステージによって、三宅さんの放つ印象の差がとても大きくて、なかなか一人の歌手のイメージとして統合できないのです。表現力の幅が広いと言えばそれまでですが、果たしてそれだけなのだろうかと常々考えていました。

 そんな折、ふと思い出したのが「初心忘るべからず」だったのです。

 三宅由佳莉さんは、常に新しい曲、新しいジャンルに挑戦を続けていらっしゃいますよね。もちろん任務のために、ありとあらゆるジャンルを開拓していかなければならないと言う面は確かにあります。それでも、すでにベテランの域に達しつつあり、確固たるステータスもお持ちの三宅さんには豊富なレパートリーがあるのですから、実績のある曲だけを歌っても十分に任務を果たすことが出来そうなものです。敢えてリスクを背負ってまで新しい曲、新しいジャンルに挑戦し続けるのは何故なのか。

 恐らく、「上手く歌えないかも知れない」という恐怖心を克服して、今できる精一杯を表現しようとする「一生懸命さ」こそが、ご自分の持ち味であり、聴く者を「はっ」とさせる力の源であると考えておられるのではないでしょうか。それこそ、世阿弥の言う「初心」であり、その時々の「初心」の蓄積がまた、定番楽曲にも深みを与え、まさに螺旋階段をのぼるように、歌唱に磨きがかけられ続けているのだと思います。

 三宅由佳莉さんが「風姿花伝」を研究しているという話は聞きませんので、ご自分の直感で「初心忘るべからず」を実践されているということなのでしょう。

 ある意味、三宅由佳莉さんは思想家なんだと思います。その思想を書物に著す訳ではありませんが、直感で閃いた思想がご自分の中ではきちんと整理されていて、あとはそれを信じてブレることなく実践し続ける。実践型の思想家とでも言いましょうか、そういう方なんだと思います。

 そしてそれは、歌唱に止まらず、彼女の生き方全般に言えることでしょう。

 「顔晴る明日へ」というキャッチフレーズが、その思想を実に端的にあらわしているような気がします。

 

 

 

 

 

 

東京音楽隊の愛知公演(予定)

 間もなく、平成最後となる新年度が始まります。平成31年度としては、わずか2ヶ月しかありませんが、5月1日以降は新年号による年度が、残りの10ヶ月を引き継ぐことになります。

 例年のごとく、東京音楽隊の来年度の予定は全く公表されていません。早く公表して欲しいと思いつつも、私も長年海上自衛隊に奉職していた身ですから、公表したくてもできない事情はよく分かります。それでも、昨年は、4月1日の0000(まるまるまるまる)に東京音楽隊のホームページが新年度版に切り替わり、当面の予定が明らかになりました。自動更新をかけていたものと思われ、粋な計らいだなと感心しました。

 おそらく今年も、4月1日0000にホームページが更新される筈ですので注目しております。

 と、なかなか次年度の予定はわからないのですが、流石に年度はじめに申し込みを締め切らざるを得ないような演奏会については、事前に情報を流す必要がありますので、担当している地本(地方協力本部)が、演奏会の募集を行います。昨年は、瀬戸大橋開基30周年を祝うイベントの一環として倉敷市児島で開催された呉音楽隊のメモリアルコンサートがそれでした。三宅由佳莉さんの出演もあるということで、大変話題になりましたよね。

 今年は、東京音楽隊による愛知演奏会の情報が流れています。

 5月27日(月)愛知県芸術劇場コンサートホールでの開催予定です。

 募集要領等は下のリーフレットでご確認ください。

f:id:RetCapt1501:20190321111941j:plain

 ちょっと目を引くのは、本演奏会の「後援」者に、愛知県と愛知県教育委員会が名を連ねていることです。この演奏会の背景は存じませんが、少なくとも県民特に学生・生徒の教育に芳しい効果があるとの判断であるということでしょう。

 私ももちろん「その通り」と思う一人ですし、このような流れが敷延・定着して行ってくれることを願うばかりです。

 遠方での平日の開催ということで、私は応募しませんが、近くにお住いの方は是非応募してチケットを入手してください。東京音楽隊の演奏会に足を運んでがっかりするようなことはあり得ない、と私は断言します。

 そして、演奏会を楽しまれた方からのコメントを頂ければ、この上もない幸せです。

三宅由佳莉さんの真備町慰問

f:id:RetCapt1501:20190317175459j:plain

 山陽新聞によりますと、先週の月曜日(2019年3月11日)、三宅由佳莉さんは、昨年の西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町の子供たちを励ますため、同町の小学校を訪れ、歌を披露されました。

 記事の中には動画も貼られていますので、下のリンクから訪ねて見てください。

www.sanyonews.jp

 記事によりますと、この慰問演奏会は、かつて三宅さんが所属していた倉敷児童合唱団を通じて実現したのだそうです。

 この演奏会は、三宅さんの他、フルートの立石和美さん、ピアノの藤田美貴さんによるものでしたが、三人は岡山城東高校音楽コースのクラスメイトとのこと。

 立石和美さんのブログに、その辺のことが紹介されています。心温まる記事ですので是非訪ねて見てください。

ameblo.jp

 どうでしょう、音楽が繋ぐ人の輪、心の輪というものを感じませんか?

 三宅さんは昨年12月に開かれた倉敷児童合唱団の定期演奏会にも出演されていますし、岡山晴れの国大使にもなっていましたね。三宅由佳莉さんは、海上自衛隊の歌姫である前に、地元の皆さまの宝なんだなと思いました。

 小さな演奏会ですけど、三宅さんたちの演奏を間近で聴くことのできた真備町の子供達にとっては夢のような大きな思い出になることでしょう。

ポセイドンの涙(2/2)

 昨日からの続きです

 今回取り上げた「ポセイドンの涙」は、あるドキュメンタリー映画のタイトルです。

 以前書いた記事に「navy171」さんが寄せてくださったコメントの中で、この映画について触れられていて、爾来ずっと気になっていたものでした。

 下に掲載したのは、その映画のプロモーションのために作成された画像です。 

 大海原をバックに、憂いを帯びた表情で遠くを見つめる女性…

f:id:RetCapt1501:20181025073817j:plain

 誰だかおわかりですよね。そうです、東京音楽隊のフルート奏者・目黒渚さんです。

 もっとも、この当時はまだ横須賀音楽隊の「村上渚」さんですが…

 古くからの海自音楽隊のファンの皆さんには周知のことなのだと思いますが、新米ファンの皆さんの多くは、初めて聞く話かも知れません。

 実は、「navy171」さんがコメントをくださった記事というのが、目黒渚さんについて書いた記事でした。

retcapt1501.hatenablog.com

 「navy171」さんのコメント中、この映画に触れた部分を転載してご紹介します。

 目黒さんについては注目すべき事があります。それは2014年3月に一部地域で公開されたドキュメンタリー映画「ポセイドンの涙」です。
これがどんな映画か、「J Ships 2015年4月号」の紹介記事から、これも長くなりますがそのまま引用します。
東日本大震災で多くの被災者の救助活動にあたった海上自衛官と、被災者の心の絆を描いた感動の長編ドキュメンタリー。
宮城県塩釜市で被災した当時中学生の内海晴香さんは、避難生活の最中に輸送艦おおすみ」艦内の入浴施設で、横須賀音楽隊の村上渚3曹と出会う。話が弾み、被災後初めて心の安らぎを得ることができた晴香さんは、この出会いで海上自衛官になることを決意する。かけがえのない出会いを果たし、震災後も最も信頼できる親友として交流を続けるふたり。忙しくてなかなか会うことができなかったが、約半年間の洋上任務に就くことになった村上3曹が、晴香さんに会うため約2年ぶりに被災地を訪れるー。さらに遺体捜索・収容や救援物資輸送など、災害派遣活動にあたった多くの海上自衛官たちの知られざる思いも明らかになってゆく。
防衛省海上幕僚監部の全面協力により実現した取材や、災害派遣活動を撮影した貴重な未公開映像などが満載で絶対に見逃せない一作だ。』
 村上さんは当時志願して音楽隊を離れ「おおすみ」を拠点に被災者救援活動に参加されていたようですね。
 この映画のポスターも村上さんが大きく映っており、登場者もナレーション榎木孝明氏に続いて横須賀音楽隊 村上渚3等海曹と一番にクレジットされています。

 どうでしょう、どんな映画なのか観てみたくなったのではありませんか?

 私もそうでした。

 でも、2014年には全国の主要都市で上映されたこの映画が再び上映されるというような話は聞きません。どうしたら観ることができるのでしょう。そのままお蔵入りなのでしょうか…

 YouTubeに、この映画の予告編がありました。

www.youtube.com

  当時のことを訥々と語る被災者の話を聴きながら、大粒の涙が村上さんの目から溢れるシーンこそこの映画のテーマそのものなんだと思います。

 「おおすみ」の入浴施設で村上さんと出会ったという晴香さんがカメラに向かって「家で生活したいなと思った」と語る様子を傍で聞いていた村上さんが、自分の口を手で押さえて嗚咽を堪えるシーンも大変印象的です。

 村上さんだけでなく、何人かの海上自衛官の「それぞれの想い」が綴られるこの映画は、海上自衛隊という頼れる「ポセイドン」が、実はこうした生身の人間によって成り立っていることを描き出している作品なのだと思います。ポセイドンのイメージの裏側で、被災者への共感や自らの無力さにおののき、嘆き、苦しんで流す涙がどれほどあったことでしょう。

 そこに焦点を当てたこの映画の再上映が実現しないものでしょうか…

映画「ポセイドンの涙」

ポセイドンの涙(1/2)

f:id:RetCapt1501:20181025033846j:plain

 ポセイドンとは、ギリシャ神話の中で描かれる海と地震を司る神で、オリンポス12神の中でも、主神ゼウスに次ぐ絶大な力を誇ります。ギリシャ神話を母体とするローマ神話ではネプチューンとして描かれています。

 ギリシャ神話やローマ神話に馴染みのない方でも、「ポセイドン」という名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。映画や小説などのタイトルにもよく登場しますよね。

 私と同年輩の方々にとっては、「バビル二世」というアニメが思い出されるかも知れません。超能力と科学技術を駆使して地球の平和を守る少年バビル二世の3つの下僕の一つが、海を舞台に活躍する巨大ロボット「ポセイドン」でした。実直そうな面構えですね、ロボですけど。

f:id:RetCapt1501:20181025032625j:plain

  また、軍事、特に核戦略に詳しい方ならば、米ソ冷戦期に米海軍の弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)に搭載されていた、潜水艦発射弾道弾(SLBM)「ポセイドン」を想起されるかも知れません。SLBMとして初めてMIRV(マーブ)化された画期的なミサイルです。MIRVとはMultiple Independently-targettable Reentry Vehevleの頭文字を取ったもので、大気圏外からの再突入時に、搭載された複数の小型核弾頭を個別に切り離してそれぞれが異なる目標を攻撃できる仕組みです。ポセイドンは14個の小型弾頭を搭載していました。

f:id:RetCapt1501:20181025032245j:plain

(ポセイドン)

 発射母体であるSSBNの残存性を向上させるため、すなわち、策源地である潜水艦が、より柔軟に作戦海域を選べるようにするため、ポセイドンの射程を延伸したのが「トライデント」ミサイルです。現在「トライデントⅡ」が米英両国の戦略潜水艦に搭載されていますが、この「トライデント」とは海神ポセイドンの右手に握られた三叉槍(さんさそう)つまり三又の槍のことです。冒頭の写真でポセイドンが手にしているのがそれです。やはりポセイドンなんですね。

f:id:RetCapt1501:20181025034057j:plain

(トライデントⅡ)

  このように、普段は姿が見えないけれど、いざという時には海から姿を現して私たちを守ってくれる存在。「ポセイドン」にはそのようなイメージが託されているように思えます。あるいは、そんな存在がいてくれたら、いてほしい、きっといるに違いないという祈りの象徴のようなものが「ポセイドン」なのかも知れませんね。

 

 2011年3月11日、週末を控えた金曜日の午後、マグニチュード9という観測史上最大規模の巨大地震が東北地方を中心とする東日本全域に激震をもたらしました。直後には太平洋沿岸部を大規模な津波が襲い、何もかもが失われました。多くの命までも…

 

 発災からわずか6分後には、自衛艦隊司令官から、可動全艦艇・全航空機に出動命令が下されました。私も自衛艦隊(Self-deefense Fleet / SF)司令部で2度ほど勤務したことがあるのでよくわかるのですが、SFの意思決定は恐ろしく早いです。対処すべき事態が起きると、ほぼ瞬時に大方針が決まります。

ãèªè¡è¦éãèä½æ¨©ããªã¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæãèªè¡è¦éãèä½æ¨©ããªã¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæãæµ·ä¸èªè¡éèªç©ºé¨éãèä½æ¨©ããªã¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 それでも、1本の命令を発出するには関係各部との調整や所定の手続きに一定の時間を要します。ですから、6分後の命令発出など、奇跡としか言いようがありません。まだ、何も状況が把握できていない段階にも関わらず、おそらく、時間が命だとの直感の下、隷下全部隊に行動の根拠を与えることだけを目的に、「可動全艦艇・全航空機」の出動が命じられたのだと思います。

 こういう芸当ができるのが海上自衛隊の強みなんです。各艦艇は、ビークルであると同時に一つの部隊です。命じられれば単独で自己完結的に作戦を遂行する能力を持っています。ですから、作戦の内容が固まっていなくても、まずは作戦海域に向かい、その途上、作戦の細部が詰められていきます。必要な物資や人員は、航行中の艦艇にヘリで空輸できます。こうして、現場海域に兵力が集結する頃には精緻な作戦と必要な人員・物資が揃っているというわけです。

 国民の目には、まさに海から「ポセイドン」が現れたようなイメージに映ったのではないでしょうか。

(2/2)へ続く。

retcapt1501.hatenablog.com

 

「じゅん散歩」が東京音楽隊を訪問

f:id:RetCapt1501:20190312000003j:plain

 つい先日、テレビ朝日の平日レギュラー番組「じゅん散歩」で東京音楽隊が紹介されることについて記事を書きました。

retcapt1501.hatenablog.com

 とは言え、30分番組で実質20分程度しかありませんので、正直言ってどの程度の扱いになるのかちょっと心配もしていました。

 そして、昨日(2019年3月11日)、予定通り番組が放映されましたが、中身を見れば東京音楽隊メインの構成になっていましたし、短い時間にも関わらず内容が盛りだくさんで、とても楽しく観ることができました。最近MCを務める機会が増えてきた河口侑也3曹もいい味出てましたね。

f:id:RetCapt1501:20190312000554j:plain

 私は高田純次さんのとぼけたギャグが大好きなのですが、程よい間合いで周囲を楽しませながら絶妙の番組回しをされていました。高田純次さんと言えば「テキトー」なキャラで売ってますが、実際のところは誰よりしっかりと下準備をされていると聞いたことがあります。人を楽しませるために「テキトー」キャラを誰より真面目に演じ切る。それでこそプロですよね。あ、また脱線しちゃいました(≧∀≦)

 東京音楽隊の副長である石塚崇3等海佐(少佐)の案内で音楽隊の隊舎内を見学し、最後は樋口隊長以下が合奏訓練を行なっている奏楽堂へ。東京音楽隊が演奏する行進曲「軍艦」は、いつ聴いてもいいもんです。

 樋口隊長と高田さんの掛け合いも楽しく、東京音楽隊の紹介が行われ、ハープの荒木美佳さんには高田さんご自身が質問をされる場面もありました。そして最後に三宅由佳莉さんが「歌姫」として紹介されます。番組スタッフから「高田さんご存知ないですか?有名な方ですよ」と振られ、「沢尻エリカさんじゃないですよね」では三宅さんもバンドのメンバーも大爆笑でした。

 そんな楽しい番組ですが、ご覧になれなかった方も少なくないと思いますので、東京音楽隊のパートのみYouTubeにアップさせていただきました。是非お楽しみください。

(残念ながら動画はブロックされてしまいました)

www.youtube.com

 

三宅由佳莉さんの、海のさきもり(護衛艦「しらぬい」)

f:id:RetCapt1501:20190311104152j:plain

 一昨年(2017年)の10月12日(木)、三菱重工長崎造船所で命名・進水した護衛艦「しらぬい」が、約1年半にわたる艤装を終え、先月(2019年2月)27日(水)に就役しました。

 今年初めに書いた「三宅由佳莉さんの当面の予定と今年の注目点(2019)」という記事で、 3月には護衛艦「しらぬい」と潜水艦「しょうりゅう」が自衛艦旗を授与され就役する予定で、三宅由佳莉さんが「海のさきもり」を歌うかもと書いておきながら、すっかり意識から抜け落ちていました。

 そうなんです。「しらぬい」への自衛艦旗授与式において、三宅由佳莉さんが「海のさきもり」を歌われました。

 海上自衛隊が公開したYouTube 動画のことを教えてくださったのは「いかづち」さんでした。いつもいつも、貴重な情報や小ネタの提供をありがとうございます。

 昨年の3月に行われた、潜水艦「せいりゅう」および潜水艦救難艦「ちよだ」への自衛艦旗授与式に おける「海のさきもり」を聴いた時、三宅由佳莉さんによるこの曲が「進化」しているのを感じ、記事を書きました。

retcapt1501.hatenablog.com

  今回、海上自衛隊が公開した「しらぬい」への自衛艦旗授与式の模様を伝える動画の中で、三宅由佳莉さんが歌う「海のさきもり」は、更なる「進化」を遂げているように感じられます。

 何と言えばいいのでしょう。歌詞に込められた先人の気高い志と静かな覚悟を、普段の華やかなトーンを極限まで抑え、十分な深みを帯びた厳かな声色で表現されているように感じられます。

 今回も、三宅さんにフォーカスした動画を編集しアップしましたので是非ご覧になってください。

www.youtube.com

 昨年来、三宅さんのステージを拝見していて思うことですが、これまで何度となく歌って来られた様々な曲のどれもが、新たな挑戦の対象になっているのではないかということです。どの曲も、一つの完成形に到達したものばかりだと思うのですが、決して現状に甘んじることなく、次なる高みへと自らを駆り立て続けておられるのでしょう。

 たとえ一歩でも前へ、三宅由佳莉さんのそのような姿勢が、多くの方々の強い共感を呼んでいる理由なんだと思います。