先日来、何度か報告させて頂いたとおり、10月31日に開催された「東郷の杜音楽祭2019」を聴きに行って参りました。
昨年に引き続きの鑑賞となりますが、明治通りの雑踏からル・アール東郷へ通じる隘路に一歩足を踏み入れると、いきなりの別世界が広がります。静謐な神域の一角とも言える敷地内には穏やかで心休まる雰囲気が漂っており、この演奏会が独特の格式を持つ理由が素直に理解できます。
受付を済ませて、勧められるままに会場入り口近くに並べられた椅子やソファの方へ歩み寄ると、演奏会場でよくお見かけする方々が何人かいらっしゃいました。その中に初めてお顔を拝見する方がおられたのですが、それが「シャラポワ」さんでした。ようやくお目にかかる事ができましたね。伺ったところによると、他の演奏会場で知り合われた東郷会の会員の方の同伴者として入場する機会が得られたそうで、午前中から会場設営などのお手伝いをされていたとのことです。ご苦労様でした。
開場までの時間を、皆さんと談笑しながら過ごしていましたが、時折隊員の皆様が通って行かれます。声掛けをしてご挨拶される方もいらっしゃいましたが、隊員の皆様は、にこやかに丁寧な対応をされていました。
突然、樋口隊長が現れた際には、皆一斉に立ち上がり、最大限の敬意を表しつつ、ご挨拶させていただきました。隊長はいつもと同じ満面の笑顔で、冗談を飛ばしながら一気に場の雰囲気を盛り上げてくださいました。ある年配の会員の方が、先日のフリートウィークで「いずも」に乗艦された際に撮影された写真を何枚か隊長に手渡された際には「今回の観艦式で、体験航海が行われたのは、あの1件のみですからね、とても貴重な写真ですね」と、すかさず付加価値を強調され、また私たち一人一人にその写真を見せてくださいました。なんというか、サービス精神の権化のような方ですね。
さて、開場時間となり、中へと進みますが、こんな時もゆったりとした感じがするのは、この演奏会ならではだと思います。
私が座ったのは、偶然にも昨年と全く同じ、最前列左から3番目の席でした。動画撮影にはもってこいの席です。
ただ、今年も撮影するかどうかには迷いがありました。今回、おそらくYouTubeに動画をアップしてくれそうな方が何人かおられたからです。私のスマホ動画を上げる価値があるのかどうか、ちょっと迷ったわけです。
でも、偶然にも昨年と同じ席でしたし、定点観測的な面白みがあるかも知れないと思い、撮影を敢行することに致しました。それがこの動画です。フル動画ですので、約1時間かかります。お時間のある時に再生してみてください。
フル動画があるのですから、演奏内容については逐一触れませんが、演奏会を通じて感じたことなどを書いてみたいと思います。
今回の演奏会を一言で言うと、「藤沼直樹祭り」といった感じではないでしょうか、トランペットにしろボーカルにしろ、藤沼さんを前面に押し出した演奏会だったように思います。全国の藤沼ファンにとっては堪らない内容でしたね。
このブログを読んでくださっている藤沼ファンの一人「MIZUHO」さんからも喜びのコメントをいただきました。
ちょっと、変わった写真を紹介しますね。
先ほどご紹介した「シャラポワ」さんですが、同伴してくださった方が会場設営の役に当たっていたものですから、必然的にお手伝いをすることになったのですが、そのお陰で、外からではありますが、リハーサルの様子を見る機会があったそうです。その時に撮影した藤沼直樹さんなのですが、まるで樹木と一体化しているような不思議な写真になりました。
ところで、今回の東郷の杜音楽祭ですが、これまでと異なる点がいくつもあり、大変興味深く感じました。
ベース担当の岩田有可里さんが、音楽まつりに共に出演する「艦旗隊」の指導のため参加されないことは、先の記事でも紹介したとおりなのですが、これまで、毎回出演してこられ、固定メンバーというイメージのある方々の姿が見えなかったのです。
まず、川上良司さんですね。毎回、何曲かの歌を披露して下さるのですが、今回はおそらく別の任務に就いておられたのでしょう。そして川上さんが務めてこられた役回りを先ほど紹介したように藤沼直樹さんが果たされたわけですね。
そして、太田紗和子さんです。曲目の関係でプレイヤーが抜けることはありますよね、先日の赤れんが演奏会でも、最後の「軍艦」が始まる前に太田さんと岩田さんはそっと楽屋の方に下がって行かれました。そういうことなのかな、それとも太田さんには別の任務が付与されたので、ピアノ伴奏を必要としないプログラム構成にしたのかもしれませんね。
一番わかりやすいのは、MCの荒木美佳さんでしょう。動画をご覧になって「おや?」と思われた方も少なくないと思います。河口侑也さんでもなく、なんとパーカッションの中島佳奈恵さんがMCデビューされました。デビューと言っても、昨年の遠洋練習航海の際には練習艦隊音楽隊のMCを務めてらっしゃいましたから、場数は踏んでおられます。とは言え、海外と国内では観客の性質が随分異なるでしょうから、緊張されたことでしょう。でも、全国の中島ファンにとっては嬉しい企画だったのではないでしょうか。先ほどから名前の上がる「シャラポワ」さんも中島佳奈恵さんのファンとのことで、大喜びで写真を何枚も撮られていました。コラージュにしてみます。
そして、任務云々ではなく、異動の結果として出演していないレギュラーメンバーが、三宅由佳莉さんですよね。異動当初は、東音と横音が頭の中できちんと整理できずに戸惑うこともあったのではないかと思いますが、さすがに半年が経ちましたので、みなさん新体制には馴染んだのではないでしょうか。
この演奏会でも、中川麻梨子さんは、その美しい歌声を3曲聴かせてくださいましたが、宮沢賢治の作詞作曲による、星めぐりの歌などは、まさに中川さんにぴったりの曲ではないかな、と思いました。
この写真は、最前列ほぼ正面に座ることのできた「モンスター」さんの撮影です。まっすぐ前を見据えたいい表情ですね。
今回の演奏会では、昨年に比べ、終演後のファンとの交流の時間を十分とるという雰囲気ではありませんでした。おそらく、次の予定があるのだと思います。決して急かされるわけではないのですが、皆それとなく察して早めに会場を後にしようという認識が緩やかに共有されている、そんな感じでした。
そんな感じではありましたが、私は中川さんにご挨拶したかったので、色々な方から話しかけられている中川さんが空くのを待ち、初めてご挨拶させていただきました。いつも拝聴していること、応援していることをお伝えするだけの、本当のご挨拶でしたが、これまでなかなか機会がなかったものですから、今回ようやく果たすことができてよかったです。
このほか、トロンボーンの沼田紘之さんにもご挨拶することができました。いずれ機会があればとは思っていましたが、今回、会場を後にしようと廊下を歩いていたら、ちょうど私が楽屋のドアの前に差し掛かったところで突然沼田さんが出てこられたのでした。「あ、沼田さん!」と呼びかけると、「え?おれ?」というような表情でちょっと驚いておられたようでした。最近ソロ演奏の機会が多いし、注目していることをお伝えしたのですが、突然だったので、前々から聞きたかったことを聞くの忘れてました。また次の機会にしよう(≧∀≦)
さて、今回の東郷の杜音楽祭は、キーパーソンがことごとく入れ替わった新しい顔の東京音楽隊による演奏会だったのですが、不思議なものですね、特に違和感もなく、とても自然に演奏を楽しむことができました。安定した力量を持つ、洗練された楽団だからなのでしょうし、継時的にその顔を変えながらも、コアの力量をしっかり守り向上させてきたからなのでしょう。そんな東京音楽隊の演奏を、これからも追っていきたいと思います。
今回の演奏会に来られていた「海上自衛隊横須賀地方総監部 Gallery」さんが、ご自身のフェイスブックに当日の写真をたくさん掲載されていますので、下のリンクから訪ねてみてください。
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