今回は、私がまだ現役だった頃の、三宅由佳莉さんにまつわるエピソードについて書いて見たいと思います。
尤も、これまで何度も書いてきたとおり、当時の私は、三宅由佳莉さんや東京音楽隊に特段の関心がなかったものですから、非常に限られたエピソードしかありませんが、すでに別記事でご紹介したものも含め、改めて記します。
最初の思い出は、その内容から見て、三宅由佳莉さんが入隊された2009年のことであろうと思われます。
「三宅由佳莉さんの2009年レビュー」という記事で紹介したエピソードです。
記事本文を引用します。
「三宅由佳莉さんは、これまでインタビューなどに応えて、横須賀教育隊に入校中に、分隊長から頼まれて、同期のみんなのために「翼をください」を歌ったというエピソードを紹介されていますよね。歌い終わったときに、みんなが涙を流しながら「ありがとう」と言ってくれたことで、自衛官として歌うことの意味がわかったような気がしたとのことでした。
実は、私がまだ現役で、市ヶ谷地区で勤務していた頃、横須賀教育隊から転勤してきた後輩が、この話を私にしてくれたのを覚えています。
『今年、初めて歌手採用になった新隊員がいるのですが、みんなが心身共にめげてる頃を見計らって、気分転換になればと歌を歌ってもらったんです。いや、驚きました。もう、上手いとかそういう次元じゃないです。私たちが歌と言ってるものとは、全く違うんです。みんな感動して泣いてましたよ。私もですけど。』
そんな話しでした。以前、別記事で書いたとおり、当時の私はあまり興味がなかったのですが、この話は、何故かとても印象深かったので、頭の片隅にずっとあったんだと思います。昨年、三宅さんに注目し始めて、『翼』のエピソードを聞いた時に、『あの時の話がこれか』と思い出したのでした。三宅さんは、このエピソードをかなりサラッと語っていますが、ものすごいインパクトだったらしいです。」
この話は、その後輩から、ふとしたことで聞く機会を得たのですが、本当にしんみりと語ってくれたのを思い出します。たまたま聞けてよかったです。
次の思い出は、2014年1月12日(日)のエピソードです。
この話は、「三宅由佳莉さんのメディア出演(3)」という記事で紹介したエピソードなのですが、日にちまで特定できているのは、「navy171」さんのおかげです。
記事本文を、ちょっと修正して引用します。
「ある日曜日の夜、私は自宅の湯船に浸かりながらラジオを聞いていました。浴室用の防水型ラジオがいつも置いてあるのですが、滅多に聞くことはありません。その日は、たまたまゆっくり湯に浸かっていたい気分だったので、音楽でも聴こうとラジオのスイッチを入れたのでした。
ちょうど番組が切り替わる時間だったのでしょう、程なく、松任谷正隆さんの番組が始まりました(松任谷正隆さんの番組であることは、navy171さんのおかげでわかりました)。そして何と、ゲストとして三宅由佳莉さんが登場したのです。
特段の関心はなくても、現役の3等海曹が、有名ミュージシャンの番組にゲストとして呼ばれるのを喜ばないはずはありません。『へぇ、すごいな』と素直に感心しましたし、番組内での受けごたえも、とても清々しい印象でした。ただ、やはり特段の関心がなかったものですから、会話の内容などは覚えていません。一つだけ印象的に記憶に残っているのは、営内に居住しているため、歌手とは言え、特別な空調があるわけでもなく、喉のケアには自分なりに気をつけている、というような内容でした。そうか、何か対策は取れないものかと、私は管理者の目線でこの話を聞いたのでした。」
「navy171」さんが、別記事のコメント欄に書いてくださっていた、この番組の思い出話のおかげで、松任谷正隆さんの「Dear Partner」という番組であったことがわかったのです。詳しくは上のバナーから記事をご覧ください。
さて、今回この記事を書こうと思ったのは、新たなエピソードを思い出したからなのです。記憶というものは、何の脈絡もなく、突然蘇るものなんですね。
やはり、市ヶ谷勤務をしていた頃で、エピソードの内容からみて、2013年の暮れか、2014年の前半くらいのことだと思います。
以前、海上幕僚監部で一緒に勤務したことのある事務官さんと、敷地内でばったりでくわしたので、立ち話をしたのですが、会話の内容はこんな感じでした。
(「私」=かぴたん、「事」=事務官さん)
私「今どこにいるの?」
事「東京音楽隊です」
私「東京音楽隊? なんか、歌手の子がCD出したんだって?」
事「あ、三宅由佳莉ですか?そうなんですよ、すごく売れてます。何だったら、彼女のサインもらってあげましょうか?」
私「サイン? いや別にいらないよ」
どうでしょう、「もったいないことしたね」と思いますか?
でも、「いらない」と断った理由は、自分が三宅由佳莉さんのことをよく知らなかったということだけではありません。そのような形で、有名人のサインを得ることは、失礼なことだと思っているからです。
よく、有名人の近くにいる人に色紙を何枚も渡してサインを書いてもらうというような話を聞きますが、それって、渡す相手が誰なのかもわからないまま、ただサインを書く「作業」を強いることになると思うのです。そのような形で得たものは、たとえ本人が書いたものだとしても「本物」ではないと思います。
本人に、自分でお願いして書いてもらうのでなければ価値がないし、意味もない。
とはいえ、正直に言いますと、この話を思い出した時、ちょっとだけ「もったいないことした」そう思いました(笑)