あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

「三宅由佳莉さんの・・・」シリーズ外注編、第57回定期演奏会

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 先日、「明日はいよいよ・・・」という記事で、海上自衛隊東京音楽隊の第57回定期演奏会のことを取り上げました。チケット当選された方々は、素晴らしいひと時を楽しんでこられましたでしょうか。

retcapt1501.hatenablog.com

 この記事で、私のブログの読者の一人でもあり、「かきがら掌編帖」というブログを主宰され、いつも心温まる作品で私を癒して下さっている、toikimiさんが、定期演奏会のチケットを入手され、演奏会に足を運ばれる旨、ご紹介しました。

 昨日、toikimiさんが、定期演奏会の様子について報告記事をあげてくださいましたので、改めてご紹介したいと思います。

 会場入りするところから、演奏会が終わった後のお見送りのシーンまで、詳細かつライブ感溢れる報告です。

 司会をされた俳優の村上新悟さんと樋口隊長のエピソード、三宅由佳莉さんと藤沼直樹さんの、新しい曲でのデュエットなど、興味深い内容ばかりです。

 是非下のリンクから訪ねてみてください。

toikimi.hateblo.jp

 今回も、私はチケットが当選せず、留守番組だったものですから、toikimiさんが当選したことを知った時から、演奏会の報告記事を書いて欲しいな〜と思っていたのですが、お願いするのも図々しい話なので黙っておりました。

 でも、前日のコメント交換で、我慢しきれず「よかったら報告記事書いてください」とお願いしてしまったのです。toikimiさんは「もちろんです」と即答して下さいましたが、その時、私がお願いするまでもなく書いて下さるお積もりだったのだということを直感し、大変感激しました。

 そして、今回の素晴らしい報告記事です。

 以前、toikimiさんが書かれた「イツァーク・パールマンの『Yes!』」という演奏会の報告記事も、素晴らしい内容だったことを思い出しました。

toikimi.hateblo.jp

 今回、初めて、三宅由佳莉さんの記事をtoikimiさんに「外注(^^)」する形で、紹介させていただきました。

 三宅由佳莉さんと東京音楽隊の新しいファンが生まれ、演奏会に足を運び、報告記事を書いてくださる。

 私にとって、これほどの喜びがあるでしょうか。

 toikimiさんの報告記事とともに、私の喜びをお伝えして今回の結びと致します。

 

追記

 今回の演奏会も、会場内撮影禁止でしょうから当然なのですが、動画は上がっていません。ただ、FUJI 20171118さんが、なんとか雰囲気を伝えようと頑張られた16秒ほどの動画がありましたので、貼っておきます。

www.youtube.com

東京オペラシティ 『海上自衛隊東京音楽隊第57回定期演奏会』 - Log Book

 

 

三宅由佳莉さんの、フォトショット

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 海上自衛隊東京音楽隊の歌手である三宅由佳莉さんは、その飾らない人柄と、美しい歌声で、幅広い層から支持を集めています。

 そんな三宅さんですから、YouTubeには、それこそ夥しい数の動画が投稿され、それらを編集した再投稿動画も数えきれないくらい並んでいますし、日々増殖していくので、どこまで行っても全てをチェックし尽くすことはできそうもありません。

 

 昨日も、例によって動画チェックそしていると、ちょっと毛色の変わった動画に出会いました。というか動画じゃないです。ネット上に溢れている三宅由佳莉さんの写真の中から選りすぐったものを集め、BGMに乗せたスライドショーにまとめられたものです。

 動画は三宅さんのvividな様子が伝わってくるので、見ていてとても楽しいですよね。でも、このフォトショットは、編集された「せぶん」さんの三宅さんに対する敬愛の情がよく伝わり、動画を観るのとはまた一味違った温かさが感じられる作品だと思います。

 もう、ご覧になった方もおられるかもしれませんが、是非ご紹介したく記事にすることにしました。動画から私が切り取った写真も何枚か採用されており、大変光栄に思います。

www.youtube.com

 

 このような三宅さんの捉え方も、表現方法としていいなぁと素直に思いますし、機会があったら自分でもトライしてみたいと思います。

三宅由佳莉さんの2011年レビュー

 平成23年(2011年)は、三宅由佳莉さんにとって、生涯忘れ得ない特別な年になりました。もちろんそれは、独り三宅由佳莉さんのみならず、東京音楽隊にとっても、海上自衛隊防衛省、いや日本にとって忘れることのできない年です。

 でも、三宅由佳莉さんにとっては、二重、三重の意味で忘れ得ない特別な年であろうと思うのです。

 

 

02月11日(金)、第50回定期演奏会特別公演(大阪メルパルクホール

 「定期演奏会特別公演」がどういう位置受けなのかは分かりませんが、直後に東京オペラシティで同じ「第50回定期演奏会」が行われていることから、同じプログラムによる大阪でのプレ公演だったものと思われます。

 この日、三宅由佳莉さんが歌われたのは実質的に「高千穂Ⅱ 仏法僧の森」のみと思われます。この日の動画はありませんが、東京オペラシティでの「第50回定期演奏会」本公演のところに貼ってありますのでそちらをご覧ください。

www.youtube.com

 この公演を聴きに行かれた方のブログ記事がなかなか興味深いので下のリンクから訪ねてみてください。曲目についても紹介されています。

 三宅由佳莉さんが歌われた「高千穂Ⅱ 仏法僧の森」については、「ああ、そうだそうだ、東音には歌手がいたんだっけ」と、未だ名前は出てきませんが、「『この曲、隊長が "東音と演奏する" ために作った曲だなぁ』としみじみ思ったのでした。」など、いいコメントがたくさんあります。

 自衛隊の音楽隊を相当聴き込んでいる方のようです。

【プログラム】海上自衛隊東京音楽隊第50回定期演奏会特別公演::こんなの聴いてきましたよ?

 

 

 

02月20日(日)、第50回定期演奏会東京オペラシティコンサートホール)

 そして、この日は東京オペラシティでの定期演奏会本公演です。上でも書きましたが、三宅由佳莉さんが歌われたのは、「仏法僧の森」だけだと思われます。

 以前、別記事でも書いたのですが、最初にこの動画を見たとき、私は魂を揺さぶられました。繊細な心象風景と悠久の時の流れの重みのようなものが、東京音楽隊の素晴らしい演奏と三宅由佳莉さんの力強い歌声によって、心のど真ん中目がけて飛び込んできたような感覚でした。下のリンクからお聴きになってください。

 この曲については、改めて記事を書きたいと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=SLaUIKkm8gA&index=102&list=WL

 

03月11日(金)、東日本大震災

 この日14時46分、マグニチュード9という巨大地震が、東北地方を中心とする東日本を襲いました。未曾有の被害をもたらしたこの震災により、多くの方が犠牲になられ、日本のみならず、世界中の人々が悲しみに包まれたのです。

 これほどの大災害にどう向き合うのか、国として、社会として、その胆力が試される場ともなりました。

 自衛隊は、史上初の統合任務部隊を編成し、統合任務部隊指揮官(君塚東北方面総監)以下10万人規模の人員と多数の艦艇・航空機・車両・機力を投入して、初動の人命救助・広域にわたる不明者捜索に始まり、物資輸送、瓦礫撤去、避難施設における被災者への生活支援など多方面で基幹兵力となりました。

 発災直後、三宅由佳莉さんを始め東京音楽隊の皆さんは、陸海空自衛隊の各部隊に次々と命令が下り、現地へ向かう様子を見ながら、自分たちも現地へ赴き、救助や捜索に当たりたいと、いてもたってもいられない気持ちだったそうです。

 当時横須賀音楽隊に所属しながら、特に志願が許され、被災地支援に赴いた艦艇に臨時勤務となって現地での直接支援に従事した隊員もいます。目黒渚さんのことです。

 しかしながら、東京音楽隊はじめ、陸海空の音楽隊には「待機」が命ぜられました。

 それはそうです。自衛隊は、それぞれ専門機能を持った部隊がモジュールとして組み合わさるからこそ、全体として力が発揮できる組織です。音楽隊の機能を代替してくれる部隊などありません。ですから、音楽隊にしか担うことのできない専門機能である「音楽演奏」が効果的に力を発揮できる条件が整うまでは、現地に赴いても戦力にならないばかりか、却って槍先部隊の負担となってしまいます。

 東京音楽隊は、様々な小編成ユニットでの、被災者の心情を害すことなく癒すことのできる楽曲の選定や合奏訓練を続け、いずれ下るであろう被災者慰問のための派遣命令に備えました。

 そして、発災から約1ヶ月、ようやく音楽隊にも役割を担うことが許される日がやって来ました。

 三宅由佳莉さんは、7人編成のユニットの一員として、被災地を訪問し、歌を通じて避難所生活を余儀なくされている被災者の方々を慰問されました。下の写真は、その頃の様子です。

 東京音楽隊の演奏支援ユニットは、現地での宿泊・給食機能の負担にならないよう、自隊の缶詰入り糧食を持参し、来る日も来る日も東京からの日帰り派遣を続けました。しかし、毎日夥しい量の瓦礫を手で取り除き、泥に胸まで浸かりながら、行方不明者捜索を続ける他部隊の隊員や、何より辛い思いを抱えながらも不便な避難所生活に健気に耐えている被災者の方々のことを思えば、何が苦になったでしょう。

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 三宅由佳莉さんは、あるインタビューで、この時のことについて、「現地では、被災した方々のお話を聴いたり、子供たちと遊んであげたり、そんなことしかできなかったんですけど、精一杯努めなければいけないと思い、心を込めて歌わせていただきました」と話されていました。

 下の写真は、被災者の方の話を真剣な眼差しで傾聴する三宅さんです。こうした、一つ一つのふれあいを通じて育まれた想いが、「祈り」という曲に込められて行ったのですね。

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    このブログの読者である、ゆきかぜさん、りくさんさんによると、三宅由佳莉さんがtwitterを始められた頃、レクリエーション介護士(と思われます)の資格を取ったと呟いておられたそうです。きっと、この時の経験から、ご自分に必要なスキルだと認識されたのでしょう。生真面目で手を抜かない、三宅さんらしいなと思います。

 

  この年、自衛隊の各部隊は、年度業務計画を大幅に変更して震災対処と被災者支援に当たりました。東京音楽隊もその例外ではなく、特に年度前半に予定されていた演奏会の多くが中止または延期になったものと思われます。

 7月31日をもって、原発に対応する部隊を除き、自衛隊災害派遣終結し、以後、東京音楽隊の活動も平常の態勢に復帰しました。

 

 

 

8月28日(日)サンシティホール(越谷市)での演奏会

 この演奏会は、定例演奏会として行われたのか、あるいは地方公演の一種なのか、詳細は不明です。年度計画は大幅に変更になっているはずですので、どのようなやりくりが行われたのかについては、把握が難しいと思います。また、三宅由佳莉さんの動画も見つかっていませんので、とりあえず、吹奏楽演奏の動画を一つ入れておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=lMFdBXldBwQ

 

 

9月27日(火)火曜コンサート(さいたまスーパーアリーナけやき広場)

 さいたまでの火曜コンサートは、東日本大震で被災され、さいたまスーパーアリーナで一時避難生活を送っておられた福島県双葉町の住民の方々を元気づけるため、3月23日に陸上自衛隊東部方面音楽隊による慰問演奏会を開催したのが起源だそうです。

 この慰問演奏会が大変好評だったため、防衛省として、さいたまスーパーアリーナの協力を得て、6月7日(火)より陸海空自衛隊および在日米軍軍楽隊が交代で出演する屋外コンサートとして定例化されたようです。

 このコンサートの動画では、三宅由佳莉さんの歌う姿、踊る姿がご覧になれます。

 三宅由佳莉さんと東京音楽隊の皆さんは、東日本大震災の被災者への慰問演奏を通じて、国民とともに歩むということの意味をしっかりと心に刻んだからでしょうか、国民を音楽で元気付けようという気持ちがストレートに伝わってくるコンサートになっていると思います。

 最初の動画は、三宅由佳莉さんが歌う「また君に恋してる」です。海士長の階級章をつけた三宅由佳莉さんは、まだあどけない表情ですが、坂本冬美さんのヒット曲である大人の恋歌を、まるで自分の持ち歌のように情感たっぷりに歌い上げます。

www.youtube.com

 次の動画は、AKB48メドレーですが、三宅由佳莉さんのMC姿と、ダンスパフォーマンスが楽しめます。是非ご覧になってください。

www.youtube.com

 

 

 

10 月06日(木)定例演奏会〜日本の心復興への祈り〜(すみだトリフォニーホール

 この定例演奏会は、そのパンフレットを見ても第何回との記載がありません。この年度の演奏会については、イレギュラーが当然あるだろうと思っています。ひょっとしたら、臨時に企画された演奏会なのかもしれません。「祈り〜a prayer」の初演演奏会ともなっているからです。

 まず、久石譲のアニメ・メドレーの動画をご覧になってください。とても丁寧に気持ちを込めて歌っているのがわかりますね。「君をのせて」は私の好きな曲であるからかもしれませんが、特に感動しました。

www.youtube.com

 そして、初演となる「祈り〜a prayer」です。この曲は、東日本大震災の被災者に対する応援のメッセージとして、東京音楽隊長、河邊一彦さんが作詞作曲された作品で、後に日本中を感動させることになります。

    初演はピアノバージョンでした。太田紗和子さんの美しいピアノと、赤羽誠さんの重厚なコントラバスが奏でる、一つの作品と言ってもいいような流麗なイントロに引き続き、三宅由佳莉さんが美しく、そして静かに歌い始めます。今とは違う、初期ならではの新鮮な歌い方にハッとします。

 歌い終えた後、聴衆の喝采を浴びながら何度も涙を拭う三宅由佳莉さんの姿がとても印象的です。被災地で聴いた、たくさんの悲しい出来事、辛い気持ちや、それでも頑張ろうとする健気な姿などが脳裏をかすめたのでしょう。

    三宅さんにとって忘れることのできない演奏会なのではないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=rX_4zKySKMs

 

 このコンサートに足を運ばれた方、関与された方のブログ記事へのリンクを貼っておきますので、訪ねてみてください。

海上自衛隊音楽隊::東京音楽隊::こんなの聴いてきましたよ?

www.bandpower.net

 

 

 

 

10月10日(月)横須賀音楽隊の「日本吹奏楽発祥百四十二年記念演奏会」に出演

 横浜市の山手にある本牧山妙香寺は「君が代」発祥の地として知られます。もっとも、歌詞は同じですが、現在の君が代とは似ても似つかぬメロディーです。そんな妙香寺は、日本吹奏楽発祥の地でもあることから、毎年体育の日に記念演奏会を行い、自衛隊、県警、消防や中・高吹奏楽部などが招かれているようです。

 2011年は、横須賀音楽隊が招かれ、東京音楽隊から三宅由佳莉さんが支援参加する形になりました。三宅さんは「里の秋」「初恋」の2曲で歌声を披露され、たくさんの拍手を受けました。下の動画で、その2曲を歌う姿と、アンコール曲「軍艦」の吹奏の際、舞台袖に佇む三宅さんをご覧ください。

www.youtube.com

 

 

11月自衛隊音楽まつり

 この年の音楽まつりは、「愛・勇気・希望。今を越えて、その先へ」をテーマに開催されました。もちろん、大震災からの復興を強く意識したテーマです。

 オープニングは、まず三宅由佳莉さんの「アメイジング・グレイス」の独唱から始まります。英語での独唱後、バンド演奏が入り、その後日本語での歌唱になります。

 震災の犠牲者へのレクイエムであり、被災された全ての方々に対する復興への祈りが込められた演奏だと思います。

www.youtube.com

 東京音楽隊のドリル演奏は、河邉隊長の傑作の一つである「イージス」から「宇宙戦艦ヤマト」そして行進曲「軍艦」という、実に軍艦つながりの力強い演奏になっています、国民の盾(イージス)となって力強く進む、そんなイメージでしょうか。

 三宅由佳莉さんは、「宇宙戦艦ヤマト」に入る前の「無限に広がる大宇宙」をスキャット(ボカリーズというべきか?)で美しく歌い上げます。 

 最後の「軍艦」では、旗持ちとともに行進する珍しい三宅さんの姿も見られます。

www.youtube.com

 この音楽まつりで三宅由佳莉さんの歌う姿が評判になり、「祈り」に対する支持と併せ、ネットを中心に三宅さんの名前が広く知れ渡るようになります。

 この音楽まつりのノーカット版をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

www.youtube.com

matome.naver.jp

 

 

 

 

11月27日(日)・12月4日(日)ベビスマに出演

 フジテレビで2週にわたり放送された、深夜バラエティ番組「Baby SMAP(通称ベビスマ)」に、三宅由佳莉さんは、二人の先輩女性自衛官とともに出演されました。

 ベビスマは、SMAPの人気番組だった「SMAP X SMAP」のコーナーとして採用されることを目指す若手ディレクターの企画を、SMAPのメンバー自身が試して採否を決めていくという画期的な番組でした。

 そんな企画の一つ「合コンSMAP」は、ある職業の女性たちと、合コン形式でトークを進めながら、彼女達の職業を当てるという企画です。

 musicarabic13さんが、両日の放送を貴重な動画として残しておいて下さったため、私のような遅れ馳せ組も楽しむことができます。

 特技を問われた三宅由佳莉さんは、「板割り」で空手二段の腕前を、そして「赤とんぼ」で透き通る歌声を披露されました。

 この動画を見ていると、三宅さんの周囲への気配りや、謙虚な姿勢、まっすぐな人柄が本当によく伝わります。

 でも、「音大出なので」と事実とは異なることを言わされているのは、バラエティ番組ならではのことなのでしょう。任務とはいえ、三宅さんにとっては心痛む思い出の一つかもしれません。 

www.youtube.com

www.youtube.com

 

 

12月05日(月)サントリーホール(定例演奏会?)

 クリスマスコンサートと呼ぶ、定例演奏会であろうと思われますが、この年の演奏会については、位置付けが必ずしも特定できないところがあります。

 この演奏会では「祈り〜a prayer」のオーケストラバージョンが演奏されました。太田紗和子さんのピアノによる美しいロングイントロから入り、オーケストラが伴奏を引き継ぐ形で曲に入って行きます。ピアノバージョンとオーケストラバージョンは、いずれ劣らず素晴らしいと思います。

 1番から3番まで、メロディは同じなのに、演奏の仕方、それから間奏の力強い演奏の効果なのでしょう、それぞれ印象が大きく異なります。名曲だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=5C8k-oFJoNo&index=166&list=WL

 

 三宅由佳莉さんにとって、2011年は、歌手として、自衛官としてそして一人の人間として、自分自身を見つめ直す、そんな年だったのではないでしょうか。そして、震災という悲劇が契機となったことは心痛むことではありますが、様々な理由で喪失感を抱く多くの人々を、今後も救い、励まし続けるであろう、「祈り〜a prayer」という曲に出会い、それを育て、そして担っていく、そんな自分の使命を強く自覚した年でもあったに違いありません。

 

明日はいよいよ...

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 明日はいよいよ、看護師国家試験ですね

 受験生の皆さん、これまで努力してきた自分を信じて、全力を出してください。応援しています‼️

 

 それもありますが....

 明日はいよいよ、海上自衛隊東京音楽隊定期演奏会です。チケットに当選した皆さん、素晴らしいひと時まで、もう少しですね(^^)

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 さて、このコンサートでの演目が全て判明しているわけではありません。と言いますが、判明しているのは上のポスターに記載された3曲だけです。

 

 1曲目は、「悲しくなったときは」で、昨年10月25日にリリースされたアルバム「SING JAPAN 〜心の歌〜」の収録曲です。三宅さんが普段歌われる歌とはちょっと趣が異なりますが、「ああ、こういう歌も、情感豊かに歌われるんだなぁ」と思います。

ライブで、歌う姿を見ながら聴きたい曲ですよね。

 動画はありませんが、音声ファイルを動画仕立てでアップしたものを埋めておきますので、聴いてみてください。

www.youtube.com

 

 2曲目は、片岡寛晶さんの作品で、「海峡の護り」です。この曲は、横須賀音楽隊の委嘱作品として2014年3月に作曲され、同年6月、よこすか芸術劇場でのふれあいコンサートおで初演されました。下の動画は東京音楽隊による演奏です。

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 そして3曲目は、ウエスト・サイド物語より「シンフォニック・ダンス」です。レナード・バーンスタインの名曲ですね。2009年2月の東京音楽隊第48回定期演奏会での演奏の様子を収めた動画がありました。明日の会場と同じ、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏ですので、是非聴いてみてください。

www.youtube.com

 

 三宅さんの歌については、昨年のアルバムから、もう一曲くらいあってもいいのではないかなと思います。12月のクリスマスコンサートでは、「ビューティフルネーム」で楽しく盛り上がったみたいですよね。この曲もライブで是非聴きたい曲です。

 本当のところ、どんな曲が用意されているのか、とても楽しみです。

 楽しみは楽しみなのですが、私は今回もチケット抽選に外れてしまいましたので、お留守番です。チケットを入手された幸運な皆様、楽しんで来てください。

 

 ところで、以前このブログでご紹介した「toikimi」さんですが、なんと、今回の定期演奏会チケットに当選され、明日、東京オペラシティコンサートホールに聴きに行かれます。おめでとうございます(╹◡╹)

retcapt1501.hatenablog.com

 toikimiさんは、私のブログで三宅由佳莉さんのことを知り、三宅さんや東京音楽隊のことを気に入ってくだっさった方です。今回、定期演奏会のチケットに応募され、当選されたことを知り、とても嬉しく思いました。

 私の書き物がきっかけで、演奏会まで足を運んでくださるファンができたことが、何より嬉しいのです。

 toikimiさん、明日は洗練された美しいコンサートホールでの素晴らしい演奏を心ゆくまで満喫して来てくださいね。

「オスカー揚げ!」

 海上自衛隊用語の続きです。

 今回は号令です。

 

 「オスカー」とは何か。

 おわかりですね、先回の記事でご紹介したNATOコードの一つで、アルファベットの「O」のことです。

 

「オスカー揚げ!」は、国際信号旗「O」を全揚(揚旗線の一番上まで揚げること)とせよ、という号令です。

 f:id:RetCapt1501:20180215022653j:plain「O旗」

 問題は、それが何を意味するかですよね。

 国際信号書に記載されている「O」一旒(いちりゅう)の意味は「Man overboard /人が海に落ちた」というものです。ですから、この旗をマストに掲げている船は、乗員または乗客が海中に転落したため、救助活動を行っていることがわかります。

 

 さて、航行中の艦艇から海中に転落した乗員(溺者=できしゃ)には、どんどん艦尾が近づいてきます。艦尾の水中には、ご存知のとおり巨大なスクリューが回転しています。しかも下の写真のように通常2つ。そのままだと、このスクリューが作り出す強力な水流に吸い込まれる危険があります。人間などひとたまりもありません。

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 この悲劇を回避するには、直ちに、人が落ちた側に舵を切る必要があります。何故落ちた側なのか。スクリューの後ろには舵板があり、例えば、上の写真のように取舵(とりかじ・左)をとると、舵板が受ける海水の抵抗により、艦尾は右に振れます。この振れを利用して少しでも溺者と艦尾の間を離そうというわけです。

 ですから、転舵号令は直ちに行わねならず、しかも左右を取り違えれば溺者を殺しかねません。このため、溺者救助訓練は、頭で考えなくてもできるまで、繰り返し行われます。

 まず、人が落ちるのを発見した者は「人がおちた、左!」と、必ず左右どちらなのかを報告します。

 これを聞いた、操艦中の当直士官は、瞬発的に「取舵いっぱーい!」「オスカー揚げ」と号令を出します。これに引き続き、溺者救助のための様々な指示を出すのですが、最も大切なのが、初動の転舵号令、そして「オスカー」掲揚です。

 転舵には、溺者の安全を確保するだけでなく、溺者に対し「気づいているぞ、救助に向かっているぞ」というメッセージを送るという意味もあります。

 また、オスカーを直ちに掲げるのは、突然回頭(船が向きを変えること)を始めた理由を伝えることで、付近を航行中の船舶に不安を与えないようにすると同時に、救助活動への協力が期待できるからです。

 でも、溺者の安全の確保という点については、疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。たまたま艦橋の左右見張員が発見したなら当直士官に直ちに報告できるだろうけど、甲板上で目撃された場合などは、艦橋に報告が上がるまでに、溺者は艦尾を通り越してしまうのではないか。そのとおりです。

 でも、可能性は低くとも、活かせるチャンスがあるのなら最大限に活かそうということです。

 訓練とはそういうものでしょう。

 

三宅由佳莉さんのコーラスライン

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 昨年の9月16日(日)、私は、昭和女子大学人見記念講堂で行われた、海上自衛隊東京音楽隊の第56回定例演奏会を聴きにいきました。

 私にとって、東京音楽隊の演奏会は初めてでしたし、三宅由佳莉さんの生歌を聴いたのももちろん初めてのことでした。この演奏会の第二部は、昭和女子大学附属中学校・高等学校の吹奏楽部とのジョイントコンサートで、コーラス部も参加していました。

 詳しくは、演奏会の模様を報告した下の記事をお読みください。

retcapt1501.hatenablog.com

 

 この演奏会で、三宅由佳莉さんが歌った曲は、実質的には「愛は花、君はその種」の1曲のみでしたが、第二部のジョイントコンサートで、昭和女子大附属中高コーラス部のコーラスラインに入っての合唱を披露されました。

 昭和女子大学附属中学校・高等学校のブログに、この演奏会でのこと、前日に行われた東京音楽隊との合同リハーサルのことなどが書かれた記事がありましたので、ご紹介したいと思います。写真は拝借しましたが、記事の内容については写真下のリンクから飛んでみてください。

 

 まず、9月15日(土)の合同リハーサルです。記事を見ると、最初は緊張していたコーラス部の皆さんが、三宅さんの笑顔や優しい声かけで、リラックスして歌えるようになった様子が伝わります。この日が東京音楽隊との初顔合わせみたいですね。

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クラブ設定 コーラス | 昭和女子大学附属 中学校・高等学校サイト

 

 そして、9月16日(日)当日のステージが終了した後、舞台袖で、三宅由佳莉さんから、暖かい声かけがあったようです。記事からは、生徒さんたちの感激が伝わってきます。是非、元記事を訪ねてみてください。

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jhs.swu.ac.jp

 

 この演奏会では、終演後の見送りが行われなかったので、怪訝な顔の方々が多くいらっしゃいましたが、緊張の中、一生懸命歌ってくれたコーラス部の生徒さんたちを労い、また励ましておられたのですね。

 彼女たちの心の中には、忘れがたい大切な思い出として残ることでしょう。

「信号用意!」

 

 海上自衛隊用語の続きです。

 今回は「しんごうようい」、もう少しリアルに表現すれば「しんごーよーい」

 これは、用語と言うか、号令です。

 

 艦船の通信手段には色々なものがあります。もちろん、現在では無線通信がメインで、軍艦も商船も、ほとんどの通信活動が無線により行われています。

 この他に、手旗信号や発光信号などがありますね。手旗は、ご存知の通り右手に赤旗、左手に白旗を持って行う視覚信号です。そして発光信号は、読んで字のごとく、光の長符と短符を組み合わせて文字を表します。長符と短符の組み合わせ要領は「モールス信号」と同じです。

 そして、もう一つの大切な通信方法が、国際信号旗です。

 中世のヨーロッパで使われ始め、19世紀の半ば頃までに、現在の国際信号の要領が概ね成立しました。

 下の図が、アルファベットを表す国際信号旗の一覧です。NATOコードは既に別記事でご紹介したとおりです。

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 これらの信号旗は、単独で、あるいは組み合わせにより、様々なメッセージを伝えることができます。どの組み合わせの時にどんなメッセージを意味するのかは、「国際信号書」という、世界共通の信号書に書かれていますので、洋上で出会った船同士は、母国語が何であるかに関わらず、この国際信号によって意思疎通を図ることができるわけです。プリセットのメッセージに限られますが、かなりの範囲をカバーしていますので、洋上の世界語と言っても良いでしょう。

 

 ジブリアニメ「コクリコ坂から」で、重要な役割を果たしたのが国際信号の「UW」でしたね。ヒロインの海(うみ)が、海難で亡くなった船乗りの父へのメッセージとして毎朝掲げたこの信号の意味は「航海の安全を祈る」というものです。泣けます。

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 下の写真が「UW」です、上の一覧表と見比べればわかりますね。

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 この国際信号は、商船も軍艦も使いますが、軍艦の場合、この国際信号旗を用いた海軍独自の信号書(通常秘密文書です)を作り、作戦通信にも使用します。

 ですから、軍艦が作戦通信を行っているのか、国際信号を行っているのかを区別する必要があります。

 その識別旗として用いられるのが「回答旗」、通常「アンサー」と呼ばれる旗です。

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 回答旗というだけあって、本来は相手からの信号を解読したことを伝えるために掲げる旗ですが、軍艦が国際信号書を用いているという目印としても使われるのです。

 軍艦が国際信号書を使って通信する場合には、この「アンサー」の次に1文字分のスペースを開けて国際信号を掲げます。上の右側の図がそうです。

 1文字分のスペースを空けるため、旗と旗の間に索を一本繋ぎます。この索のことを「タック」と呼びます。「ひっぱる」じゃないです。

 航行中、行き合った船に対し、艦長が「航海の安全を祈る」というメッセージを送りたいと思ったら、この旗を掲げるよう指示を出します。

 信号員は、直ちに艦橋の裏手にある旗甲板に向かい、「アンサー・タック・ユニフォーム・ウィスキー」の旗を信号長の号令で掲げるのですが、最初にかかる号令が、タイトルにある「信号よーい」というわけです。

 信号旗を掲げる短い動画がありましたので、参考までにご覧ください。

www.youtube.com

 今回ご紹介したのは、アルファベッドだけでしたが、数字を表す旗もありますし、NATO加盟国海軍が使用する専用の旗もかなりあります。NATOの旗については海上自衛隊も使用していますので、これらはまた機会があればご紹介したいと思います。

 

 さて、この国際信号旗ですが、別の用途で使われることもあります。

 満艦飾(full dress ship)です。記念日や祝賀行事の際、0800(まるはちまるまる)の自衛艦旗掲揚と同時に、艦首側と艦尾側の両方から中央マストに向かって国際信号旗が掲揚されていきます。

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 これらの旗は、適当に繋いでいるわけではありません。繋ぐ順番は、規則できちんと決まっていますので、どの艦を見ても、順番は一緒です。ただ、艦の大きさによって揚旗線の長さが違うので、旗の枚数はまちまちになります。

 満艦飾を行った日の夕刻は、電灯艦飾(イルミネーション)を行います。

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 さて、今回は、国際信号旗についてご紹介しました。

 港を訪ねたりすると、船だけでなく、岸壁近くに国際信号旗が掲げられていることもありますよね。また、マリンテイストのお店などに行くと、国際信号旗があしらわれたデザインの装飾品がたくさん置かれていたりもします。

 アルファベットだけでも覚えておくと、楽しみが増えるのではないでしょうか。関心のある方は、是非覚えてみてください。