あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

ヴィジュアル・オルガン・コンサート

 これまで何度か書いたとおり、私は、今年の4月から西新宿にある本社勤務となりました。現役自衛官の頃から、異動の打診に対しては、常に「了解です!」を信条としてきましたので、今回ももちろん、即座に「承知しました!」と返事はしたものの、横浜勤務に比べると、通勤時間が3倍くらい長くなりますし、残業も多くなるでしょうから、ブログやYouTubeを運営している身として正直に言わせていただけば、あまり気が進まない異動ではありました。

 とは言え、何しろ久々の都心部での勤務ですし、以前ご紹介した「O先輩」が最後に勤務されていた部署でもありますので、どんな感じなのか自ら体験してみたいという興味もありました。加えて、東京音楽隊がしばしば演奏会を開催してきた「東京オペラシティ」の目と鼻の先という立地が、個人的には魅力でした。

 下の写真は、何本か前の記事で、現在の職場からの風景として掲載したものですが、ど真ん中に写っている高層ビルの3階部分にオペラシティはあります。あ、その手間の機動隊の盾のようなビルはNTT東日本の本社ビルで、別物です。写真が若干傾いているのは、私の撮影の癖で、いつまで経っても直りません(≧∀≦)

 私の職場は28階にありますので、この高層ビルを地平線が切る高さが28階になります。となると、このビルは60階建てくらいなんじゃないでしょうか。巨大ですね。

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 さて、そんなオペラシティの目と鼻の先で勤務することになった私ですが、昨年来のコロナ騒動で、音楽隊の演奏会が開催できない状態が長く続いているため、今のところ何の御利益(笑)もない状態です。

 7月29日(木)にオペラシティ恒例の「音楽の『たまて箱』」が開催されることになり、チケットも当選した際には、「転勤した甲斐があった(╹◡╹)」と素直に喜んだのですが、悪夢の緊急事態宣言で、東京音楽隊の出演が取りやめとなってしまい歯噛みすることしきりでした。でも、こればかりはどうしようもありませんもんね(≧∀≦)

 東京音楽隊は出演取りやめとなりましたが、その枠で「新日本フィルハーモニー交響楽団 山口尚人と仲間たち」という、有志による金管五重奏楽団の演奏が行われることとなったため、聴きに行ってきました。大変楽しく、また興味深いお話もたくさんありましたので、記事をまとめていたのですが、残念ながら未だ書ききれていません。

 でも、このコンサートの際、オペラシティでは、ほぼ月に一回くらいのペースで、昼食時(1145〜1230)に無料のパイプオルガンコンサートが行われているのを知りました。

 確かにオペラシティコンサートホールの正面にはパイプオルガンが神々しく据えられています。というか、これまで音楽隊の演奏会で訪れたホールの多くはパイプオルガンが設置されていたような気がします。

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 でも、これまでパイプオルガンを生演奏で聴いたことはありません。これはもう、どうしても生演奏が聴きたくなって、応募することにしました。昨今の情勢ですから、入場者数を制限するため、往復ハガキでの事前応募制になっています。

 結果的に、運よく当選することができたものですから、先週の金曜日(9月3日)、オペラシティに行ってまいりました。

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 平日の昼間ですし、コロナの時期でもあります。まして、9月3日は雨模様。果たしてどれほどの入りなのかなと思っていましたら、もちろん、意図的に空席にしている席は多数ありますが、それを差し引いても、大入りです。ほぼ満席だったのではないでしょうか。

 今回のオルガン奏者は、東京芸術劇場オルガニストの川越聡子さんでした。

 「ヴィジュアル」コンサートと銘打たれている理由は、正面のパイプオルガン下に設けられたスクリーンです。このスクリーンに、普段目にする機会のなかなかない、パイプオルガンを演奏する手元や足元が映し出され、耳だけでなく目でも演奏を楽しめる趣向になっているからです。

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 今回のコンサートの特色は、パイプオルガンの演奏に合わせて、テノール歌手・大槻孝志さんの歌唱が楽しめたことでしょう。大槻さんによれば、パイプオルガンに乗せて歌うのは今回が初めてとのことでしたので、なかなか意欲的な企画だったのではないかと思います。

 わずか45分間という限られた時間にもかかわらず、全7曲を披露され、生で聴くパイプオルガンの壮麗な響きと、ホールの隅々まで届き渡る朗々たるテノールの美しい歌声を、目と耳で堪能させていただきました。

 仄聞するところによれば、バブル期に多くのホールがパイプオルガンを設置したものの、その後の維持整備がままならず、もう演奏することも叶わないものも少なくないのだそうですが、オペラシティでは、このような、無償の啓蒙的なコンサートも含めて、その稼働率を確保することにより、楽器としての機能を維持することに腐心されているのではないかと思います。

 職場のご近所ということもありますので、今後も応募を続けて行こうと思っています。興味のある方は、応募されてはいかがでしょうか。

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