あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

東京音楽隊の最新動画

 昨日、横須賀音楽隊が先月までにアップされた「コロナに負けるな」シリーズの動画第1弾から第3弾までをまとめて記事にしたのですが、まさに昨日、東京音楽隊が新たな動画をアップしてくださいました。

 東京音楽隊は、これが第4弾になりますが、今回の事態に際し作成されたオリジナル作品としては第2弾となります。同じように第1弾から振り返ってみたいと思います。

 海上自衛隊音楽隊として、「コロナに負けるな」シリーズ(あ、私が勝手に言ってるだけです)をやりますと宣言したわけではありませんが、アップされた動画を拝見して、あぁこれはそういう目的で作られているんだな、と、最初に感じたのは大湊音楽隊の「パプリカ」でした。なんとも言えない雰囲気のある、素敵な動画だったのですが、私が記事を書いている間に非公開になってしまいました。残念です(≧∀≦)

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 その後、他の音楽隊も次々と動画をアップされましたが、東京音楽隊の動きはしばらくありませんでした。

 満を持しての第1弾は、なんと星野源さんが、ステイホーミング中の多くの方々のため、誰もが自由にコラボできるようインスタグラムにアップされた「うちで踊ろう」へのチャレンジ動画でした。

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 出演は、トランペット=本田2曹・谷口3曹、ホルン=藤原2曹、トロンボーン=沼田3曹、チューバ=芝2曹、ドラム=小野寺3曹、そしてボーカルは、東京音楽隊の歌姫・中川麻梨子さんです。

 演奏もさることながら、注目されるのは、各プレイヤー個人ごと、別々に演奏を収録し、ミックス編集したことが敢えてわかるように、画面分割を駆使した演出がなされていますね。これは、ソーシャルディスタンスの保持を東京音楽隊も厳格にやっていることを示すことで、「みんなも守ろうね」と啓蒙しているんだと思います。

 各プレイヤーは、それぞれヘッドフォン、イヤーフォンを装着して同じ音源を聴きながら自分の演奏を被せているんでしょう。それらがミックスされて、まるで、合奏しているようですよね。演奏後、笑顔で手を振る姿も、みなさん素敵です。こうして動画で元気な姿を見せてくれること自体、とても意味のあることだと思います。

 そして、第2弾は、その翌日、今度は一転して過去の演奏会の動画です。アップされたのは、昨年の9月14日に昭和女子大人見記念講堂で開催された第60回定例演奏会で披露された「令和元年観艦式ファンファーレ&テーマ」でした。

 この曲は、以前「一方、国内では…」という記事(今見ると、なんだろ、って感じのタイトルですね)で紹介させていただきました。

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 ホルン奏者の藤吉正規さんの作品で、豊かな才能を感じさせてくれる曲です。東京音楽隊の場合、箱物演奏会での撮影は一切禁止ですから、ファンサイドから動画が上がることはありません。それだけに、このような形で時々アップされる演奏会動画は本当に貴重です。

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 そして、5月15日(金)に第3弾として、2018年7月7日に川越市で開催された陸海空合同演奏会で世界初演は果たした「ネイビート・ラプソディ」の動画がアップされたのです。この演奏会の第1回公演は、私が初めて最前列で東京音楽隊を聴かせいただいた思い出深い演奏会です。その報告記事には、この演奏を聴いた後の感動と、「どこかに音源ないかな、世界初演したばかりであるわけないか」という呟きが書かれていて、思わず苦笑してしまいました。本当にもう一度聴きたいと思っていましたので、そんな気持ちが呟きによく現れてます。その音源にようやく手が届きました(╹◡╹)

 そして昨日(5月18日)に第4弾としてアップされたのが「West End Blues」でした。この曲は、20世紀初頭の米国において、ジャズ・コルネット奏者として活躍したジョセフ・オリヴァーの作品です。彼はプレイヤーとしてだけでなく、優れた作曲家として数多くの作品を残しましたが、数奇な運命と、恐らく彼の事業家としての不器用さが災いして、ニューオーリンズ、シカゴ、ニューヨークと、その活躍の舞台を移して行きました。シカゴ時代には、「ジャズの王様」の名声をほしいままにし、その頃から「キング・オリヴァー」と呼ばれるようになったようです。彼の活躍は、以後輩出した数多くの才能豊かなプレイヤーが育つ土壌を地味豊かなものとする役割を果たしたと考えられており、彼に師事したルイ・アームストロングは、その自伝で「パパ・ジョーがいなければ、今日のジャズはなかっただろう。彼は正真正銘のクリエイターだった」と書いているそうです。その「キング・オリヴァー」がルイ・アームストロングのために書いた曲が、この「West End Blues」です。

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 出演は、クラリネット=横野和寿さん、トランペット=本田さん、チューバ=伊能さん、パーカッション=岩重政秀さん、ヴォーカルは、前回同様、中川麻梨子さんです。そして、太田紗和子さんがピアノで参加してくださいました。

 このブログでも、よく書かせていただいている方々が揃い踏みとなりましたね。太田さんのピアノは、クラシックもジャズも、本当に惚れ惚れしますね。こんな風にキーボードがアップで見れる動画は、そうはないので、目を皿のようにして拝見しました。鍵盤の上で指が踊るなどとよく言いますが、まさにそれ以外の例えようもない映像です。お宝拝見させていただきました。

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 そして、中川さん。ヴォカリーズ?軽快なジャズにこういう感じでの絡み方って今まで拝見したことがないような気がします。これもチャレンジだったのではないでしょうか。どんどん新しい側面が磨かれて行っているようで、嬉しい限りです(╹◡╹)

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 ところで、もうお気づきだと思いますが、岩重政秀さん。お帰りなさい。この春の定期異動で呉から戻られたのですね。以前東京におられた頃の、ティンパニを演奏する姿が、堂々として印象的でした。バーゼルタトゥーで披露された八木節の太鼓もすごかったですよね。また、素晴らしい演奏を聴かせて(そして見せて)いただけることを楽しみにしています。

 異動の話が出ましたが、前回・今回と、トランペッター藤沼直樹さんの姿が見えません。もちろん選抜メンバーでの演奏ですから全員が揃うわけではないのですが、なんとなく、ひょっとしたら、3月定期で異動されたのかな? そうだとすると、同じ時期に横須賀から東京に戻られた本田さんとの相互交代で横須賀音楽隊所属となられたのかも知れません。

 もう一方、パーカッションの中村圭吾さんの姿もまだ見えません。今回岩重さんが戻られましたので、ひょっとすると、もしかして、相互交代で呉へ? あるいは三角トレードでその他の音楽隊へ異動された可能性もあるのかな、と思っています。

 このお二人については、あるいは練習艦隊音楽隊に配属になっている可能性もありますが、どうでしょう。

 海自ホームページによると、練習艦隊の内地巡行は、本来横須賀を最終寄港地としていましたが、それが呉に変更となり、現在呉に所在しています。明後日(5月22日)で近海練習航海は終了しますが、その後の遠洋練習航海のプレスリリースがまだありません。どうなるのかな? やっぱり、太平洋上で長期滞洋訓練を行いつつ、時々日本の色々な寄港地を訪問するような形態になるのかも知れませんね。

 あ、また脱線してしまいました。

 今回の東京音楽隊の動画も、やはり別撮りミックスでの画面分割方式でした。

 なんとなく、各音楽隊ごとに「コロナに負けるな」シリーズの特徴がはっきりしてきましたね。

 別撮りミックス「ソーシャルディスタンス堅持」の東京、三宅由佳莉さんの歌唱を軸に展開する横須賀、そして意表を突いてくる大湊。そして舞鶴は、基本的に従来のパターンを踏襲しつつ、ややハイペースでこれまでの演奏会の動画をアップしています。

 佐世保はスタイルを云々するのは過早ですし、呉はまだこのシリーズをアップしていないのではないかと思います。

 何だろうこのワクワク感は。次があるのかないのか、それは誰にもわかりませんが、何となくありそうな気がして楽しみです(╹◡╹)