自衛隊病院をご存知でしょうか。
これまで、音楽隊の演奏会の記事の中で自衛隊中央病院のことを取り上げたことがあるので、記憶にある方もおられるかもしれません。自衛隊中央病院は、三宿駐屯地内に置かれる共同機関ですので、同じ世田谷区内に所在する東京音楽隊は、病院施設内で毎年サマーコンサートを開催していると聞いています(但し、ここ数年の開催情報は得ておりません)。
例えば、2016年9月2日には、三宅由佳莉さん、岩田有可里さん、荒木美佳さんという夢のようなユニット(雅 with 三宅由佳莉…かな)で行われました。いや凄いな。
それはさておき、自衛隊病院は、防衛大臣直轄の共同機関であり、自衛隊中央病院の他、以下の各院が全国の主要な基地・駐屯地に置かれています。
札幌病院、仙台病院、富士病院、阪神病院、福岡病院、熊本病院、別府病院(7院)
三沢病院、岐阜病院、那覇病院(3院)…2021年に入間病院開設予定
中央病院を除き、各院の指揮官たる病院長は医師たる幹部自衛官(将補〜1佐)がその任に就いており、病院での一般診療の他、自衛隊部隊の海外派遣の際などには医官(もちろん自衛官です)を派遣しています。先般のダイヤモンド・プリンセス号での医療支援の際にも、医官団を中心とする医療チームを派遣していましたね。
中央病院長に限り、はえぬきの医官がシビリアンに転官し、制服を脱いだ上で就任します。一方、副院長には、将たる医官が充てられます。
自衛隊病院は、もちろん国家の戦闘力である隊員の健康を維持するという役割を担っていますが、有事の際には多数発生するであろう戦闘傷者の後送受け入れに当たるため常に一定の病床を空けておく必要があります。
ところが、財務当局から見れば、それは施設の「無駄」でしかなく、病院経営の効率化が求められました。このため、現在では、一般人の診療も受け入れています。
これは、実は自衛隊の医官にとっても悪い話ではありません。何しろ、基本的に健常者集団である自衛隊にあっては、医官が様々な症例について研鑽を積む機会が非常に限られたものになってしまうからです。
さて、自衛隊の医官や看護官(陸上自衛官)は、一般診療に加え、戦闘医療に係る様々な訓練も行っています。生物兵器脅威下での感染防止手順などもその一つです。
防護服の着脱一つをとっても、非常に細かな点に注意を払い、感染源を制圧しつつ医療行為を行うスキルを身につけているというわけです。
ところで、河野太郎防衛大臣は、ご自身のツイッターで、現在懸念されている新型コロナウイルスの感染者数、入院者数等の情報を頻繁に公表してくださっています。大変発信力のある方ですよね。
その河野大臣が先日、このような発信をされました。
自衛隊病院、3月10日時点でこれまで感染者122名を受け入れ、114名退院、2名転院、6名が現在、入院中です。
— 河野太郎 (@konotarogomame) 2020年3月11日
自衛隊病院が、感染者を受け入れているというのは知りませんでした。私はテレビを見ないのでわかりませんが、報道等もされていないようです。ですから、これを見ただけではその意味合いがピンと来ませんね。
ところが、河野大臣のツイートをご覧になった一人の血液内科医がご自身のツイッターで、次のように所感を述べられており、その意義を強く認識した次第です。
122名とおそらく日本で一番多い数の患者さんの受け入れ
— 血液内科医 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2020年3月11日
そのうち114名退院!#自衛隊病院 がこれだけ受け入れることができたことで、初期の医療崩壊が防げたと言って過言ではない#新型コロナウイルス
ぜひ広報を!#拡散希望 https://t.co/B4rmC7r8k7
そして、重要なポイントは、これだけの感染者を受け入れた自衛隊病院の職員の中に感染者は一人も発生していないということです。つまり、十分な注意を払い、適切に処理しさえすれば、感染は制圧できるということです。
これは実は大変重要な情報ではないでしょうか。
仄聞するところでは、大手メデイアは、毎日のように新型コロナの脅威を煽るだけ煽り、韓国が実施しているドライブスルー方式の検査を導入せよだの主張しているそうですし、コロナウイルスと何の関係があるのかわからないトイレットペーパー問題にしても、とにかく煽って煽って、何もないところに問題を作り出しているようなのです。
そんな愚にもつかない情報で国民が右往左往するのを楽しむのではなく、感染は抑え切れるという、国民の安心に繋がるに違いない自衛隊病院での立派な実績をなぜ報道しないのか。理解に苦しみます(本当はわかってますけど)。
マスコミ報道に踊らされるのではなく、目立たないところにある事実、エビデンスを私たちは自分たちの力で共有していく必要があると思います。