あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

盟友インドの決意

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 昨日、twitterをチェックしていましたら、「インド、日本人のビザ無効に」という共同通信の記事のことで盛り上がっていました。

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 ご存知のとおり日印両国はここ数年、軍事を含めた多くの分野での関係強化を進めており、互いに準同盟国と認識する間柄になっています。安部総理とモディ首相の旧来の信頼関係も、流れに棹さす要因であったと思われます。

 そのように良好な関係が構築されつつあったインドが、日本人向けに発給したビザを無効にするのは、もちろん、新型コロナウイルスへの対応の一環です。

 twitter上には「いつかそんな国が出てくると思っていた」「やっぱり」といった、織り込み済みとのツイートも少なくありませんでしたが、中には敵意をあらわに反発するものもありました。

 でも、客観的に見た場合、今回のインドの決定は至極当たり前の措置ではないかと私は思います。別に日本や日本人への敵対の意図があるわけではなく、感染の拡大が懸念されている日本から、その媒体となり得る日本人の流入を当面遮断するというのは、自国民の安全を確保しようとする、インド政府の理に適った対応だと思えるからです。

 大切なのは、感染をコントロールすることです。完全に防ぐことなど不可能ですが、感染をコントロールすることさえ出来ていれば、対策を打つことは出来ます。

 恐ろしいのは、コントロールに失敗した時です。もうあとは、自然の成り行きに任せる他なくなってしまいます。

 ですから、減らせるリスクは可能な限り減らす。インド政府が行なっているのは淡々とした理詰めの対策であって、国民を守るという決意に他なりません。

 日本とインドの盟友関係を好ましく思わない方々が、このような極めて客観的な判断に基づくインド政府の意思決定を、両国の離間材料とすべく巧妙な情報戦を展開する可能性にも注意を払う必要があるでしょう。

 そのような点も踏まえ、私たちは、感情ではなく冷静に頭で理解することが大切であると思います。