あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

東京音楽隊の「泉佐野」演奏会レポート

 今年の正月に、東京音楽隊泉佐野市における避難訓練コンサートの記事を書きました。本来であれば昨年11月頃に書く予定だった記事です。投稿が遅れたために、応募期限前にお知らせすることができなかったという、私にとっては残念な記事でもあります。

www.capitandiaryblog.com

 

 1月18日に開催されたこのコンサートですが、その情報が全然見つからず、絡みようもないな〜、と諦めかけていたところ、ここ4〜5日の間に、複数の方からレポートや写真などを相次いで頂きました。ありがとうございます(╹◡╹)

 

 最初に何枚かの写真とコメントを送ってくださったのは「garicha」さんでした。

 このウリ坊、覚えてますか? 昨年11月のフリートウィークの記事でもご紹介した東京音楽隊のマスコットなのですが、garichaさんによると、パーカッションの皆さんの癒しになっているようだ、とのことでした。泉佐野市にも、ちゃんと付いていったんですね。でもよく見ると、ウリ坊の背中にタコが…これも新しいマスコットなのでしょうか、謎です。

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 garichaさんからは、この他にも何枚かの写真を送っていただいたのですが、打ち合わせの結果、この写真と下の楽器運搬車のみ掲載させていただくことに致しました。

 garichaさんは、一昨年くらいからこのブログを読んでくださっているそうです。詳しいことは分かりませんが、偶然にも今回の演奏会の裏方で会場入りすることになったらしいのです。

 「昨年チラシを見たとき、どれほど喜んだか!!!」と仰るgarichaさん、その気持ちよーく分かります(╹◡╹)

 そして当日、舞台裏でのお仕事の合間にリハーサルの様子などを目にする機会があったことから、色々と苦労をされながらレポートしてくださったのでした。

 会場では、岩田有可里さんや荒木美佳さんと遭遇する機会もあり、嬉しさのあまり「あ、『生』岩田さんだ!」「あ、『生』荒木さんだ!」とお声かけしたところ、「え、私の名前ご存知なんですか?」と、お二人とも大変驚いておられたそうです。

 リハーサル前に、荒木さんに「写真を撮らせて頂きたいのですが」とお願いした際には、まだ私服姿だったので断られるに違いないと思っていたそうですが、なんと「いいですよ(^ ^)」の返事が。しかもツーショットの写真を撮らせて頂いたことに感激されていました。garichaさん、よかったですね(╹◡╹)

 それから、ステージ上の隊旗を撮影していると、「写真撮りますよ」と仰ってくださる声が…振り向くと、なんと樋口隊長だったそうで、恐縮しつつもとても感激したとのことでした。樋口隊長と隊旗のツーショット写真も撮らせて頂いたそうです。

 うん、やっぱり樋口さんだな〜と思いますよね。

 興味深い話もありました。ここはgarichaさんのコメントをそのまま転載します。

 休憩中でもビュンビュンとトランペットのハイノートが楽屋から聞こえて来るので、あまりにも元気な音なので隊員の方に「藤沼さん?」と聞いたら、「あの音は成澤さんだと思う」と。感服しました。

 なるほどー、お互いのことが本当によく分かっているんですね。だからこその一体感なんでしょう。

 演奏会場の裏方と思しき方が、ブログチームとしてレポートしてくださったのはもちろん初めてのことでしたので驚きましたが、普段目にすることのないリハーサル前後の様子の一端を知ることができましたし、樋口隊長をはじめ、隊員の皆さんのいつも変わらない温かさが伝わって来ました。

 あ、それから、「避難訓練演奏会」のどこで避難訓練が行われたんだろうと思っていましたら、演奏会が全て終わり、隊員の皆さんがステージから退場された後に「発動」になったとのことです。観客の皆さんの退場を兼ねての避難訓練ということのようです。「避難」が完了するまで、東京音楽隊の皆さんはステージの撤収作業に取りかかることができないものですから、舞台裏で待機されていたそうです。

 

 下の写真は会場の搬入口に横付けした楽器運搬車です。カーゴボックスの両サイドは、まだ「真っ白」だったとのことでした(╹◡╹) 

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 garichaさん、大変貴重なレポートをありがとうございました。

  
 そして、演奏会本番です。

 こちらは、会場に足を運ばれた「あさかぜ」さんがプログラムなどに付いて情報を寄せてくださいましたので、それに沿って可能な限り再現して見ました。

 あ、「あさかぜ」さんのレポートにはなかったのですが、garachaさんによると、ウェルカムコンサートが行われたようです。garachaさんは舞台裏の作業に当たっていたため、内容はわからなかったとのことでした。

 新たな情報があれば、後日追記したいと思います。

 

 

第1部

01 式典のための行進曲「栄光をたたえて」

 演奏会の口火を切ったのは、式典のための行進曲「栄光をたたえて」でした。この曲は2001年度吹奏楽コンクールの課題曲の一つですが、「式典のための」と銘打つだけあって、格調高い旋律が、聞くものの心を力強く高みへと運んでくれるように思います。

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 この短いコンサートマーチの演奏が終わったところで、MCの登場です。もちろん、荒木美佳さんです。ご挨拶の内容などは分かりませんが、いつものように、元気よく「みなさん、こんばんはー」、いや時間的には「皆さん、こんにちはー」でしょうか、1630って微妙な時刻ですね(≧∀≦)

 

02 交響的舞曲

 二曲目に紹介されたのは、やはり吹奏楽コンクールの1988年度の課題曲である、交響的舞曲でした。演奏技術のことは分かりませんが、聴いてみると、この曲が「難曲」と言われている理由がなんとなく分かる気がします。

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 今回もですが、地方公演の場合、過去の課題曲から入ることが多いような気がします。地元の中高吹奏楽部員やその父兄を招待していたりしますし、吹奏楽関係者や経験者が多数来場されているからなのかもしれません。共通の思い出に繋がる楽曲を序盤に持ってくることで、コンサートの流れを一気に作るということではないでしょうか。

 

03 マークへの招待

 この曲は、大阪出身のチューバ奏者、芝陽子さんのソロ演奏が披露されたそうで、演奏前にソリストとして芝さんが紹介された際には、地元出身ということで会場は大変

盛り上がったそうです。チューバのソロって、なかなか聴く機会がないですよね、どんな演奏だったのか大変気になります。

 で、この曲の音源を探してみたのですが、さっぱり見つかりません。逆にチューバソロで検索してみると、出るわ出るわ、ものすごい数の動画があります。いくつも聴いてみましたが、いやなんと魅力的な(╹◡╹)「チューバソロってなかなか聴く機会がないですよね」の前言を撤回します(≧∀≦)

 低音を支えるチューバの魅力は、ベースギターやコントラバスと全く同じですね。

 芝洋子さんは、一昨年の1月、米陸軍軍楽隊テューバユーフォニアム・ワークショップに参加するため、単身米国入りされました。これ、いつか紹介したいと思っていたのですが、今回芝さんのソロ演奏を取り上げる機会に恵まれましたので、触れさせていただきました。芝さんご自身によるレポート、読み応えありますよ。

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  ということで、残念ながら演奏曲目の動画を見つけることができなかったのですが、芝さんの話題を紹介することができました。

 

04 流れの上で(ソプラノ 中川麻梨子さん)

 次に紹介された曲は、シューベルトの「流れの上で」

 演奏会場のある泉佐野市出身、東京音楽隊の歌姫、中川麻梨子さんのソプラノが披露されました。地元の皆さんはきっと大変喜ばれたことだと思います。

 太田紗和子さんのピアノと、ホルンのソリストの演奏だったそうですが、おそらく、藤吉正規さんではないかと思われます。

 二人の名プレイヤーに伴われた中川麻梨子さんのソプラノ、是非ライブでお聴きしたいものです。

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05 ブルー・ホライズン

 第1部の最後を飾るのは、「ブルー・ホライズン」です。海を題材とした幻想的な作品です。楽曲としてはちょっと長めで、下の動画ですと15分ですが、深海の静謐さを思わせる出だしから、荒々しく不安感を煽るような中盤の盛り上がり、そして泰然としたうねりのような終盤へと、鮮やかな構成で、あっという間に曲が終わってしまうような感じになります。是非東京音楽隊の音をライブで聴いてみたいなぁと思いました。

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 ここで15分間の休憩です。

 

 

第2部

06 オン・ジ・アザー・ハンド

 第2部のスタートを飾るのは、ミッシェル・カミーロの「オン・ジ・アザー・ハンド」、とてもかっこいい曲ですが、何と言ってもピアノです。太田紗和子さんの見事な演奏を聴きたーいけど、ムリ(≧∀≦)

 トランペット、クラリネット、サックスのソロ演奏があったとのことですが、トランペットの藤沼直樹さんだけ、情報をいただいています。

 この曲、首都圏の演奏会でも演奏される機会があればいいな、と思います。

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【追記】

 泉佐野演奏会の翌週に行われた「静岡音楽祭」でのこの曲の動画を、「海上自衛隊横須賀地方総監部Gallery」さんがアップしてくださいましたので貼らせていただきます。太田さんのピアノ素晴らしいです。

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07 やさしく歌って

 次に紹介されたのは、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」。ネスカフェのCMでもおなじみのこの曲ですが、ボーカルではなく、トロンボーンとトランペットのソロを効かせた演奏だったそうです。ジャズバージョンじゃないでしょうか。2015年観艦式のフリートウィークの際に舞鶴音楽隊が演奏した動画がありましたので、貼っておきます。

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08 流れ星(ヴォーカル 中川麻梨子さん)

 次に紹介された曲は、MISIAさんの「流れ星」、映画『S-最後の警官-奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』の主題歌です。

 中川麻梨子さんがヴォーカルを披露されたそうです。この曲をどんな風に歌われたんでしょう、気になります。ソプラノ以外で最近拝聴したのは、昨年11月の音楽まつりのフィナーレで披露された「瑠璃色の地球」でしたが、情感溢れる歌声にただただ聴き入るばかりでした。

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09 ジェラシー

 次はタンゴの名曲「ジェラシー」ですが、今回東京音楽隊がどのようなバージョンで演奏したのかは分かりません。ですから、とりあえずスタンダードな音源を貼っておきます。

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10 ユー・レイズ・ミー・アップ(ヴォーカル・中川麻梨子さん)

 そして次は、「ユー・レイズ・ミート・アップ」、もうおなじみの曲ですね。中川麻梨子さんは今回3曲めのボーカルです。泉佐野市の皆さんも大満足ではないでしょうか。この曲に関しては、中川さんが横須賀音楽隊におられた頃に撮影された動画が結構アップされていましたので、その中の1本をここに貼らせていただきます。

 まだ海士長の階級章をつけてらっしゃいますが、堂々たる歌いぶりですね。表情豊かに、情感溢れる声でこの名曲を歌い上げています。泉佐野のステージでも、きっと素晴らしい歌声で会場を魅了されたことでしょう。

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【追記】

 この曲も、静岡音楽祭での動画を「横須賀総監部Gallery」さんがアップして下さっているので貼らせていただきます。上の動画と聴き比べると、より洗練された仕上がりになっているように感じられます。

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 ここで、最終曲の紹介をする前に、MCの荒木美佳さんから、いつもの口上が述べられたはずです。会場からの大きな拍手が聞こえて来そうです。荒木さんの口上は、昨年の音楽まつりで特上のを聴かせていただきましたが、演奏会の締めの口上はしばらく聴いていません。懐かしくなって来ました。3月の定期演奏会に当選することを祈るばかりです、そろそろ応募要領が公表されるんじゃないかなと思います。

 

11 サンチェスの子供たち

 最終曲として演奏されたのは、「サンチェスの子供たち」です。同名の映画のテーマ曲として作曲されたものです。おそらく、トランペットとサックスのソロがあったと思うのですが、実際の演奏がどうであったかは分かりません。

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アンコール① パプリカ

  アンコールの1曲目は、もう今や定番となっている「パプリカ」です。もちろん中川麻梨子さんのボーカルで、garichaさんが送ってくださった写真を見ると、左右に2名づつの女性隊員が並び、女性5人のユニットになっているように見えます。ステージ右袖からの写真なので、一番手前にパーカッションの八木理恵さんがいらっしゃるのがわかるんですが、他の方については人影に入ったりして識別ができませんでした。

 ちょっと構成は違いますが、昨年のフリートウィークの際のパプリカをどうぞ。

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アンコール② 行進曲「軍艦」

  そして、本当の締めは、もちろん「軍艦」ですね。聴くだけで嫌なことも吹き飛びそうな東京音楽隊の「軍艦」をお聴きください。

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 さあ、いかがでしょうか。何も情報がない状態から、garichaさん、「あさかぜ」さんのレポートのお陰で、あーこんな感じの演奏会だったんだ、ということがなんとなく分かりましたね。貴重な情報を寄せてくださったお二方には感謝の言葉もございません。

 本当にありがとうございました(╹◡╹)