あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

横須賀音楽隊のクリスマスコンサート…スピンオフ⑤ 名残り

 このところ、呉音楽隊のスペシャルコンサート、米第7艦隊音楽隊と横須賀音楽隊のジョイントコンサートが続き、昨日と本日は、東京音楽隊が在日米陸軍軍楽隊のクリスマスコンサートに出演するなど、イベントが盛りだくさんですが、私が記事を書く時間がなかったものですから、すっかり周回遅れになってしまっています(≧∀≦)

 ここから巻き返しを図りますので、少々お待ちください。

 さて、まずは横須賀音楽隊による館山コンサート・スピンオフの続きです。早いもので、うかうかしているうちに、館山のコンサートから随分時が流れてしまいました。書きたいことがたくさんあったのでスピンオフ記事が続いていますが、何しろ専従でブログが書けるような身分ではありませんので、時間がかかるのは仕方ないでしょう

( T_T)\(^-^ )

retcapt1501.hatenablog.com

 さて、当日はとても寒い上に小雨交じりという生憎の天候でしたから、私とモンスターさんがホールの外に出た15時過ぎには身が縮むような思いがしました。そこから先の話は先日、スピンオフ③で書いたとおりです。www.capitandiaryblog.com

 私が乗るバスの時刻を確認した上で、軽い食事でもしながら反省会をやろうということになり、モンスターさんの車で適当に流して辿り着いたイタリアンなファミレスに転がり込んだのでした。

 一方、私とモンスターさんが、暖かいファミレスの店内で呑気にピザを頂きながら演奏会のことをあーでもない、こーでもないと楽しく語らっているさなか、ブログチームの何人かの皆さんは、演奏を終えた後も現地に留まり、帰隊する横須賀音楽隊の出発を見送るべく、1時間もの間、寒空の下で待ち続けておられたそうです。

 残って見送りするなどという発想は、私には(多分、モンスターさんにも(≧∀≦))ありませんでした∑(゚Д゚)

 なんという、心がけの違い!

 今回は、そんな居残り組の皆さんから寄せられた写真やコメントを元に、「お見送り」の様子をお伝えしたいと思います。

 今回の演奏会は、横須賀音楽隊による自主広報ではなく、館山基地に展開する海上自衛隊第21航空群が主催するクリスマスコンサートに横須賀音楽隊が出演するという形式でした。ですから、21空群による見送り行事が行われたわけですが、そこに、我がブログチームのパワフルなユニットが加わったのでした。

 寒空の下、見送りにまで参加するという熱心さには21空群の皆さんも感激されていたようで、感謝の言葉をかけてくださったり、音楽隊が出てきた時には、撮影しやすいように様々便宜を図ってくださったそうです。ブログチームの面々も、その心遣いに大変感謝していましたし、そもそも、21空群が総出で音楽隊の見送りをするとは思ってもいなかったようで、最後は「帽振れ」で見送る様子に、皆、涙が出るほど感激したとのことでした。こういうところが、地方公演の魅力の一つなんだと思います。

 ピザなんか食ってる場合じゃなかったぞ(≧∀≦)

 さて、そんな見送りの際、微笑ましいエピソードがあったそうです。

 すでに、YouTubeに動画をアップしてあるので、ご覧になった方もおられると思いますが、今回、三宅由佳莉さんは、楽器運搬車の運転補助員として助手席に乗って帰路に就かれました。そう、あの動画はこの記事に使うためにアップしたのですが、記事書きがこんなに遅くなってしまったので、動画だけ浮いてしまいました(≧∀≦)

www.youtube.com

 東京音楽隊時代にも、そんなことがあったのかも知れませんが、とにかくこの目で見るのは初めてのことでした。大変珍しいシーンだと思います。三宅由佳莉さんのファンであるドイツ人のuropepeさんが、この動画に大喜びでした。「最初見た時、三宅さんがこのトラックを運転しているのかと思った!すぐに、日本では運転席が我々とは逆だったことを思い出したんだけどね。とにかく彼女は素晴らしい!」…確かに出だしを見ると運転しているようにも見えますね(^ ^)

 それはともかく、エピソードです。

 音楽隊の皆さんが出てこられて、乗車を始めますが、三宅さんがトラックの助手席に向かったので、皆びっくりしたそうです。え、そこに乗ってくの?

 乗車される前に、馴染みのファンの存在に気づき、手を振りながら笑顔を振りまいてくださったとのこと、みんな大喜びでした。音楽隊の皆さんのお出ましを、一緒に待っているうちにすっかり打ち解けた21空群の皆さんが、「もっと前に行って撮影していいんだよ」と勧めてくださったそうですが、流石にちょっと遠慮気味に撮影させていただいたとのことです。

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 音楽隊の移動は複数の車両に分乗して行われますが、部隊として行動していますから、個々の車両が勝手気ままに動いている訳ではありません。原則として、隊としてまとまって行動します。ただ、海の上ではありませんから、信号や隣接車線からの合流車など、部隊が分断される要素はたくさんあります。ですから、指揮官である音楽隊長の指示により、各車両の遅れ進みを調整したり、休憩場所を同じパーキングエリアにすることで体制を立て直すなど、部隊としての行動を統制します。通信手段は手旗や発光信号ではなく、もちろん無線機です(^ ^)

 そして、今回三宅さんが務めた運転補助員は、ドライバーのナビであると同時に無線通信手の役割も担っています。

 ところが、助手席に座った三宅さんは、勝手が飲み込めていないようで、ちょっとあたふたしたようです(^ ^)

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 このレポートをもらった時、思わず笑ってしまいました。

 ステージ上では無敵の三宅さんが無線機相手に悪戦苦闘するとは…そのギャップが堪らないですね。分からなくても、シラっとさり気なく済ますことだってできるのに、「え?わかんなーい」と、格好付けることなく、実に素直に言ってのけてしまう、そんな素朴で、全然クールじゃないところが彼女の持ち味であり、多くの人を惹きつける魅力なんだと思います。

 結局、三宅さんにとって勝負の場はステージの上なんですね。そこでの姿はプロとして、どこまでも高みを目指すけれど、ステージを降りたら全くの素顔でみんなを和ませる、そんな存在だと思います。

 21空群の隊員の多くにとって、三宅由佳莉さんの姿を直に見るのは初めてのことだったようで、口々に「初めて見た、綺麗だった!」「歌声に感激した。噂以上だ!」と興奮気味に仰っていたそうです。

 海上自衛隊の隊員にとっても、三宅さんの歌声を聴く機会は非常に限られているでしょうし、伝わる感動は私たちと何ら変わらないということがよくわかります。

 三宅さんの微笑ましいシーンでほっこりさせられながら、その場に居合わせた21空群の皆さんも、ブログチームのみんなも、あんな素晴らしいステージで多くの人々を魅了した横須賀音楽隊の皆さんが帰ってしまうことへの寂しさを感じていました。館山には似つかわしくない、うら寒い夕景が、そんな寂寥感をさらに助長したことでしょう。

 出発する横須賀音楽隊の車列を見送る頃には、名残を惜しむ気持ちが堪えきれないほどに募っていたのではないでしょうか。「帽触れ!」のシーンでは、ブログチームの皆さんも感極まったようです。

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 皆さんが名残を惜しむ中、音楽隊の皆さんは一路横須賀へ…

 来年も楽しみにしてるよ〜*\(^o^)/*

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