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グアテマラに響く行進曲「軍艦」

 先回、「応援してます」さんからの情報提供によりグアテマラ国立劇場でのジョイントコンサートのフル動画の存在を確認し、三宅由佳莉さんが歌われた「Time to Say Goodbye」をトリミングした動画をアップしたことを報告しました。

 今回は、同じ動画から、練習艦隊音楽隊とグアテマラ国軍軍楽隊の合奏による行進曲「軍艦」の動画をご紹介したいと思います。

 このジョイントコンサートは、グアテマラの軍隊記念日(6月30日)を祝う一環として毎年行われている記念演奏会なのでしょう。そこに、練習艦隊音楽隊が出演しての合同コンサートになった意味は大変大きいと思います。

 演奏会のあと、おそらく国立劇場内において開催されたと思われる、大統領主催レセプションに、練習艦隊音楽隊の皆さんが招待されたことが、そのことを雄弁に物語っています。三宅由佳莉さんが大統領閣下と談笑する様子は先回の記事で報告したとおりです。画面の中の全員が注目しています。三宅ファンとしては大変誇らしいシーンですよね。

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 さて、「応援してます」さんから情報提供をいただいた件の動画ですが、三宅ゆかりさんの「Time to Say Goodbye」の後に両国軍楽隊の合奏による行進曲「軍艦」が収録されていました。

 もちろん両国軍楽隊はともにプロ集団ですから、楽譜を見れば演奏はできます。でも、文章で言えば行間の意味をどう解釈するのかとか、楽譜上の記号だけでは表現できない部分について、指揮者はどう考えているのかなど、細部にわたる意識合わせが必要なんだと思います、素人考えですけど。

 この演奏会は、入港した翌日に行われていますから、そのような意識合わせ、音合わせの時間は極めて限られていたはずですが、やっぱり流石ですね。きちんと音を作り上げています。もちろん、海上自衛隊の音楽隊だけによる演奏とは趣が少し違いますが、そこは精神文化の違いの折衷だったのではないかと推察します。一言で言うと、少し緩めの演奏かな、と言う印象です(すみません、素人の印象です(≧∀≦))。でも、このように、他国の軍隊とこの曲を合奏することの意味が大きいのだと思いますし、貴重な記録として残すことができて、私は幸せです。聴いてみてください。

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 動画をご覧になってすぐに気づかれたと思いますが、三宅由佳莉さんがシンバルを手に演奏に参加されています。「Time to Say Goodbye」の歌唱から、衣装をメスドレスタイプに着替えてらっしゃいますので、その姿でのシンバル演奏です。

 三宅由佳莉さんがシンバルを演奏する動画自体が貴重である上、この服装でのパーカッション演奏もとても貴重です。各音楽隊の動画を見てもわかるとおり、クラリネットやフルートなど木管楽器の女性奏者はメスドレスタイプの演奏服を着用しますが、パーカッションパートの女性隊員は通常着用しません。画的にとても貴重だと思います。

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 私は音楽の素人ですし、シンバルの演奏など全くわかりませんが、それでも、この動画を見ると、三宅由佳莉さんが、練習艦隊に配属される前にパーカッション奏者として、相当の訓練を積んでこられたに違いないと思いました。シンバルの演奏の技は色々あるのだと思いますが、音を長引かせないよう制振する際には自分の胸に押し当てて音を止めます。そんな動作が迷いなく自然にできているのがよくわかります。

 この動画では、行進曲「軍艦」の「海行かば」パートが終わり間奏に入る際のシンバルの見せ場で、三宅さんの演奏が映っていないのが残念ですが、こうして演奏されている様子を記録することができただけでも良かったと思います。