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今日は何の日?(5月27日)/2019年

 今日は何の日ですか?

 そうです、114年前の今日、対馬沖で、日露戦争の帰趨を決した大海戦、日本海海戦(The Battle of Tsushima)が戦われた日です。昨年もこの日に関連記事を書きました。

retcapt1501.hatenablog.com

 このシリーズは、色々な観点から「何の日」を紹介していますが、毎年取り上げるべきだろうと思える日がいくつかあります。5月27日もその一つです。

 昨年の記事でも書きましたが、それは大勝利を収めたからではありません。勝算はなくとも、国家存亡の危機に際し、膝を屈することなく敢然と戦いを挑んだ覚悟と勇気が長く記憶されるべき日だと思うからです。

 米海軍横須賀基地の隣に、三笠公園があります。日本海海戦に際し、我が連合艦隊の旗艦を務めた戦艦「三笠」が、記念艦として置かれています。

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1905年2月、日露海戦を間近に控える戦艦「三笠」

 この記念艦「三笠」では、毎年この日に「日本海海戦記念式典」が行われ、引き続き上甲板において横須賀音楽隊の演奏会が開催されています。もちろん、我が国の大メディアがこれを取り上げることはありませんが、毎年「niconico 動画」が中継配信してくれています。メディアが取り上げない理由はわかりませんが、日本人が誇りに思いそうな歴史的事実は報道したくないのかも知れません。しかし、自国の歴史に誇りを持つのは、国として成り立つための必要不可欠な要素なのではないのでしょうか? 国民の多くがそのように認識していると思います。

 さて、この記念式典ですが、主催団体は公益財団法人「三笠保存会」という組織です。戦前から政府により記念艦として横須賀に置かれていた「三笠」ですが、戦後、荒れるに任せる状態となっていることを憂慮した米海軍のチェスターミニッツ提督ら英米の有力者の働きかけで復旧保存が行われることとなり、その資金調達のため設立されたのが「三笠保存会」です。

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現在の記念艦「三笠」

 敵国海軍の記念艦を復旧保存すべきだと、ニミッツ提督に言わしめるほど、米海軍においては、日本海海戦での東郷大将と帝国海軍に対する畏敬の念が強かったし、おそらく今でも同じでしょう。当事者である日本人は、この海戦が歴史上もつ意味の大きさを知るべきですし、大いに誇りにすべきだと思います。

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