三宅由佳莉さんが、横須賀音楽隊に異動になったことは先般の記事で報告したとおりですが、やはり10年間同一部隊に所属というのは長すぎたよなぁと思い、過去の出来事などを見直してみました。
そして見えてきたのは、本来、三宅由佳莉さんは入隊5年後の2014年に横須賀音楽隊に異動し、同年入隊の中川麻梨子さんが東京音楽隊に配属されるという人事線表になっていたのではないかということです。そうすれば、長期勤務になることもなく、以後概ね5年ごとに相互交代すれば無理のない人事管理ができたと思えるからです。
それを裏付ける事実としては、2014年にリリースされた一枚のCDがあります。
海上自衛隊の各音楽隊が部外の作曲家に委嘱して創られた、あるいは音楽隊員が作曲したオリジナル曲を集めたCDなのですが、その演奏を担当しているのは東京音楽隊ではなく、横須賀音楽隊です。東京音楽隊は、これまで数多くのCDを世に送り出してきましたが、地方の音楽隊がCDを出すのは珍しいことです。
そして、このCDには元東京音楽隊長・河邉一彦さんの「嵯峨野」から、三宅由佳莉さんをフィーチャーした「川のほとり」が収録されています。もちろん、ヴォーカルは三宅由佳莉さんです。
なんとなくですが、海上自衛隊としては、東京音楽隊と横須賀音楽隊を二枚看板として広報を展開しようとしていたのではないかと思えるのです。当時、私はまだ現役でしたが、さすがに広報戦略などは担当部署でなければ知る由もありません。単なる憶測に過ぎませんが、2014年のこの動きを見て、ひょっとしたらと思ったのです。
ところが、2013年にメジャーデビューを果たした三宅由佳莉さんが、誰も予想しなかったような活躍をされたことから、海上自衛隊としても既定路線を変更せざるを得なくなったのではないかと推察します。
そしてその時に、三宅由佳莉さんの10周年、中川麻梨子さんの5周年に当たる2019年3月に相互交代という新たな既定路線が敷かれたのではないでしょうか。
私の憶測どおりだとすれば、今後、知名度の高い三宅由佳莉さんを擁する横須賀音楽隊は、東京音楽隊に匹敵する広報ツールとして、従来にも増した活躍が期待できますし、メディアへの露出も格段に増えるのではないかと思われます。
まぁ、真偽のほどはわかりようもありませんが、何れにしても、今後東京音楽隊と横須賀音楽隊には、これまでとはまた違う活躍のフィールドが増えてきそうで楽しみですね。
そしてもう一つ。陸自の歌姫のことです。
中央音楽隊の松永美智子(写真右)さんと、中部方面音楽隊の鶫真衣(同左)さんは、やはり5年前の2014年3月入隊です。陸自と海自では人事管理の考え方が違うのかもしれませんが、長期勤務を避けるという基本的な考え方は同じはずです。陸自の場合、5年程度は長期勤務とは言わないのかも知れませんが、そう遠くない将来、お二人の相互交代があると思います。同時入隊ですから、異動の時期については、海のお二人より柔軟性を確保できているとは思いますが、こちらも気になりますね。