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海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

2018年自衛隊音楽まつり…スピンオフ② 防大儀仗隊のこと

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演技中の防大儀仗隊。右奥、空中を飛んでいる銃の角度まで揃っています。

 1週間のご無沙汰になりました。このところ慌ただしく、ブログの面倒をみる時間が全く取れなかったものですから、なんだかすでに時期を失してしまいましたが、自衛隊音楽まつりスピンオフの残りを投稿しておきたいと思います。

 今回の音楽まつりでは、11月22日(木)の第3回公演のチケットが当選したため、幸運にも会場で、素晴らしいイベントを体感することができました。

 このイベントを影で支えておられる陸海空各部隊からの支援隊の皆様が、出口通路に並んでお見送りしてくれています。皆様に「ご苦労様でした。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えながら、退場したのですが、出演者入り口の付近に人が集まっているので、「なんだろう」と思い近づいて見ますと、防衛大学校儀仗隊の学生さんたちが何人かいて、その周りに人が群がっていました。

 儀仗隊OBとして、聞きたいこともありましたので、そちらへ向かいます。どうやら、友人知人の方々との面会が行われているようなのですが、詳しくはわかりません。私が学生だった頃には、このような機会はなかったように思います。

 第4学年の学生さんを捕まえることができたので、話を聞いて見ました。ちなみに、防衛大学校の学生は自衛隊員ではありますが、自衛官ではないので階級はありません。ただ、下級生は上級生に敬礼する義務がありますので、学年を識別するために制服には「学年識別章」というものが装着されています。詰襟の制服(夏は白、冬はネイビーブルー)の場合、袖に縫い付けられた蛇腹のちょっと上に金色の桜の徽章が付いています。

 袖に何もないのが第1学年(1年生ですね)、桜1個は第2学年、2個が第3学年、そして3個が第4学年(最上級生)となりますので、袖を見れば一目で学年がわかります。3月末に、第2学年への進級を控え、初めて学年識別章をつけるために、千枚通しで袖に穴を開けた時の嬉しさを今でも覚えています。校内で着用する名札も、第1学年の時は真っ白ですが、第2学年になると、学年を示す色と陸海空の要員区分を示す色の2色が入り、カラフルになります。

 第二学年は緑色、第3学年は黄色、第4学年は赤、信号と同じで、学年が上がるにつれ、「要注意」の警戒色となっていきます。第1学年にとってはわかりやすい配色ですね。

 また陸上要員は茶色、海上要員は紫色、航空要員は青色となっています。イメージはこんな感じです。

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 上の例ですと、第213小隊所属の第4学年で、海上要員、教務班(専攻学科)は8班ということがわかります。ところで第213小隊と言っても、小隊が200個もあるわけではありません、これは第2大隊第1中隊の第3小隊ということです。軍隊の部隊番号はだいたいこんな形でつけられています。

 ですから、名札に施された二つの色や数字を見ただけで、学年と要員区分、所属や専攻学科までが一目でわかり、とても便利です。

 もっとも、これは私が学生だった時の話です。多分、今も基本は変わってないと思いますが、教務班などはカリキュラム自体が全く変わってしまったのでどうなっているのかわかりません。どうなんでしょう。

 ちょっと脱線しましたか? だいぶ脱線しましたね(≧∀≦)

 私が話しかけた第4学年の学生さん。名前を聞くのを忘れましたが、私が儀仗隊OB

だと言うと、少し驚いた顔をされていましたが、終始笑顔で対応してくれました。好青年です。

 私が予々感じていたことを伝えました。「今のドリルを見て思うのは、リズムが早いということと、技の難度が半端ないということです。」と伝えると、「諸先輩方の努力の積み重ねが今に繋がっています」と、素晴らしい回答が返ってきました。こんな受け応えが咄嗟にできる後輩を持って、ちょっと誇らしく感じました。

 そこで、本編でも書いた捧げ銃の技の名称を聞いて見たのです、「回せ捧げ銃というんですか?」と。そこでの回答が「いえ、あれは夢に幻という字を当てて「夢幻(むげん)捧げ銃」と呼んでいます。いつの頃か、この技ができた時に誰かが名付けたんだと思います」とのことでした。すでに結構歴史のある技だということを知りました。

 他方、私の2期先輩である青木さんが考案した「青木担え銃(あおきになえつつ)」は未だにその名称が残っているということで、伝統は守ってくれていることがわかり安心もしました。もっとも、私の時代には難易度の高かったこの技が、今では基本技になっていることに40年という時の流れを感じた次第です。