昨日の続きです。
昨年の音楽まつりの演出は、従来とは異なる企業が担当したと書きました。今年はどうかというと、従来の企業が返り咲いたとのことです。実は、その企業で音楽まつりの演出を長年担当されてきた西見茂雄さんが、Twitterで今年の音楽まつりの練習風景を少しづつ報告して下さっています。
また、空自の歌姫、森田早貴さんも、ご自分の練習の様子や、感じたことなどを日々ツイートされています。
もちろん肝心なところは明かされてませんけど、そのおかげで、私たちは事前に音楽まつりへの期待を高めることができています。便利な世の中になったものですね。
お二人のTwitterから見えてくる今年の音楽まつりの目玉はというと、まず、先日もお伝えしたとおり、横須賀音楽隊の歌姫・中川麻梨子さんが初めて出演されることです。西見さんが提供して下さっている練習風景の写真を見ると、三宅由佳莉さんと中川麻里子さんが一緒に歌い、その向こうに自衛艦旗が見えますので、東京音楽隊の単独ドリル演奏にお二人が初めて揃って出演されるのは間違い無いと思います。写真がご覧になりたい方は、西見さんのツイッターを覗いてみてくださいね。
中川麻梨子さんは、大阪府泉佐野市のご出身で、愛知県立芸術大学音楽学部声楽専攻のクラスを首席で卒業された才媛です。その後同大学大学院を修了、2014年4月に海上自衛隊に入隊、同年8月に横須賀音楽隊に配属となりました。豊かな声量と正確な音程には定評があり、多くのファンを抱えています。
その歌声をちょっと聞いてみましょう。素晴らしいですよ。
考えてみれば、今回が初出演というのが不思議なくらいです。今まで、どうして中川さんは出演しないの?と不満に思っておられる方も多かったのではないかと思いますが、ようやくにして実現する運びとなりました。
実は、海自としては昨年の音楽まつりにも中川さんを出演させたかったらしいのですが、3等海曹に昇任した中川さんが初任海曹過程に入校中だったため、果たせなかったのだそうです。中川さん、まずはおめでとうございます!
そして、おそらくフィナーレだと思うのですが、陸中方の鶫真衣さんも含め、自衛隊の5人の歌姫全員が初めて同じステージに揃うんです。森田さんのTwitterによると、振り付けなどを5人で相談しながら決めたそうです。それぞれ持ち味の違う5人の共演がとても楽しみですね。
もう一つ、今回招待される外国の軍楽隊は、フランス海軍軍楽隊だそうです。
フランス海軍軍楽隊「バガット・ド・ラン=ビウエ」は、1952年創設の伝統ある軍楽隊で、日仏交流160周年祝賀の一環として20年ぶりに日本を訪問中です。
ブルターニュ地方南部のロリアン市に置かれる同名の海軍航空基地で、愛好家のサークルとして発足して以来、徐々に実力と実績を積み重ねて成長し、現在ではフランス海軍を代表する軍楽隊の地位を占めるまでになりました。素晴らしいですね。
11月9日(金)〜25日(日)までの17日間の滞在期間中、10日(土)には横須賀製鉄所創設153周年記念式典を皮切りに、11日(日)には第1次世界大戦戦没者追悼式(フランス大使公邸)、横浜外人墓地での追悼演奏、その後六本木での「青山まつり」パレードへの参加、14日(水)〜15日(木)北海道稚内でのフランス人航海家ラ・ペルーズによる宗谷海峡発見などを記念する式典に参加、そして、21日(水)〜23日(金)自衛隊音楽まつり出演という日程です。音楽隊・軍楽隊はどの国でも忙しいですね(^。^)
11月10日(土)横須賀製鉄所(造船所)創設153周年記念式典での演奏と思われる動画が投稿されていましたので、リンクを貼っておきます。この素敵なバンドが、音楽まつりでどんなドリル演奏を見せてくれるのでしょうか、期待感が高まります。
出演各部隊の単独ドリル演奏については、全くわかりません。そこを明かしてしまったのでは面白くないですもんね。それは本番でのお楽しみということで。
今回、私は会場で音楽まつりを鑑賞します。実は、とても楽しみにしているのが「自衛太鼓」なんです。動画で観ているだけでもすごい迫力なんですが、きっと会場ではとんでもないことになっているんじゃないかと、そう思います。
防衛大学校儀仗隊のドリル展示について触れておきたいと思います。以前、別の記事でも書きましたが、私自身防衛大学校儀仗隊のOBでもありますので、学生時代は毎年、音楽まつりに出演していました。舞台袖から覗き見しながら、自分たちの出番を待つ緊張感を思い出します。当時の私たちは、何しろ他の大学に同じような活動をしているチームがありませんから、同じ儀仗隊である302保安中隊(当時の名称)を勝手にライバル視していました。302の方もおそらく意識していたと思います。今の学生さんたちはどうなんでしょう。音楽まつりでしか出会うことのない両者ですが、きっと良いライバル関係にあると信じます。
でも、302の皆さんには絶対にできないのが銃の投げ業です。技術的にできないのではなく、そもそも「銃を投げる」などということは軍人にとってとんでもないことなのです。きっと302保安警務中隊の方々は防大儀仗隊を見て「銃を放り投げるとは何事か、貴様らそれでも軍人か!」と思っておられるのではないでしょうか。
今の防大儀仗隊を見て思うのは、リズムが早い、技術がしっかりしているということです。私が心底驚いているのが、捧げ銃です。おそらく「回せ捧げ銃」という名称なのだと思いますが(上の写真)、控え銃の姿勢から左手で銃を回転させつつ右手で挙手の敬礼をするこの技、信じられないほど難しい技です。どれほどの訓練を積んでいるんだろうと、いつも感心しながら見ています。
さて、以上つらつら綴ってまいりましたが、正直言って、今年の音楽まつりがどんな感じなのかは全く予想がつきません。ただ、ご紹介したような見所もありますので、よかったら注目してみてください。