今年の「自衛隊音楽まつり」開催まで1週間を切りました。
毎年相当数の応募があり、おいそれとは入手できないチケットがプラチナ化していることもあり、明文で禁止されているにも関わらずネット上では実に堂々と高値で取引されていたりもします。
この、晩秋の熱狂は、多くのファンの間では年中行事の一つとなっていますが、国民一般にはどの程度浸透しているのかと言えば、甚だ疑問ではあります。
陸上自衛隊のホームページによりますと、昨年の応募倍率は6.6倍だったそうです。他方、1公演あたりの入場者数が約6,000名で募集公演が5公演ですから、招待者公演を除く入場者総数は約3万名だったことになります。
1枚のチケットで2名まで入場できますので、行使されたチケットの枚数は、1万5千〜3万の間となりますが、中間値をとって2万2,500枚と仮定します。
とすれば、単純計算で2万2,500×6.6=14万8,500件の応募があったことになります。もっとも、実際には行使されなかった「死にチケット」も相当数あると思われますが、逆に家族や友人同士での実質的な重複応募等、有効募集倍率の押し下げ要因もあるでしょうから、それらが相殺し合うと仮定して、実態的な応募総数は15万件程度であったと推計することにしましょう。
分母が1億2千万と考えると、0.1%強です。応募適齢者を8千万人程度と仮定しても、0.2弱ですので、大差はありません。
どうでしょう、何となく微妙な数字ですよね。決して少なくはないのですが、このブログを読んでくださっているのは、多くが自衛隊や音楽隊のファンの方々だと思いますので、「え、そんなもんなの?」と思われるかもしれませんね、
ただし、首都圏以外にお住まいの場合、「そりゃ応募したいけどさ、わざわざ東京まで行けるかよ(≧∀≦)」と、応募しない方がほとんどでしょうから、近くで開催されるなら応募したであろう方の数は、人口比からみて、更に2〜3倍はいるでしょう。そのような潜在応募者数も含めれば、自衛隊音楽まつりに足を運びたいと考えておられる方の数は、30〜40万人程度だろうと推定されます。
これは、自衛官総数25万人を上回る「相当な」数だと思います。同時に、総人口に占める自衛官の数が0.2%強に過ぎないということを思い出させてもくれます。
ちなみに、主要各国の軍人数の総人口に占める割合を粗々計算してみますと、西側先進国では、米国0.6%、フランス0.6%、イギリス0.4%、ドイツ0.2%、その他の国では、トルコ0.8%、韓国11%、インド0.3%、中国0.2%、ロシア2.5%となりました。
韓国は徴兵制による準戦時体制を取っているので別格です。また、ロシアは広大な領土を考えれば相当の地上軍兵力が必要なのでしょうね。インド、中国については総人口がべらぼうに多いので、比率的には西側先進国並みですが、その分実兵力数は桁違いです。こうしてみると、我が国の兵隊さんの数は、かなり抑制的ですよね。軍事力というものは政府が国民に提供するサービスの一つですから、私見ではありますが、同じ島国であるイギリス並みに0.3〜0.4%程度あってもいいのかなとは思います。
また、脱線してしまいました(≧∀≦)
話を戻しますが、自衛官総数を上回る潜在応募者数があるほどの人気イベントだからこそ、毎年ニコ動で最終公演が生中継もされているのでしょう。その視聴者数は存じませんが、それこそ「相当数」にのぼると思われます。
平成29年度 自衛隊音楽まつり@ニコニコ生放送 - 2017/11/18 18:00開始 - ニコニコ生放送
とは言え、NHKはもとより、民報各局が自局での中継や録画放映を行わないのは、未だ十分な視聴率が期待できるイベントとしては認識されていないということなのだと思います。あるいは、「軍」の宣伝に加担したくないという思惑も働いているのかもしれません。そんな、テレビ各局が「是非、放映させてほしい」と思えるほどのイベントになればな、と思います。それは、防衛省や音楽隊よりも、むしろ私たちファンの仕事なのではないでしょうか。