(牟田春雄・海曹長、9月29日人見記念講堂にて、村川豊海幕長と)
昨夜、モンスターさんから頂いたコメントに、東京音楽隊のホームページに牟田曹長の定年退職の話題が掲載されていると書かれていたものですから、早速確認してみました。
ありました。「いけちゃん」ことクラリネット奏者の池田さんが不定期に執筆されているコラム「はじめての Tokyo Band☆」シリーズのPart Ⅴとして掲載されていました。
このコラムは、掲載され始めたのが、丁度私が東京音楽隊を聴き始めた頃だったものですから、毎回楽しく読ませて頂いていました。今年に入ってからは掲載がなく、「ひょっとして終わっちゃったのかな」と思い始めていた矢先だったので、1年ぶりに更新されているのを知り、とても嬉しかったです(╹◡╹)
第1回コラムの末尾に「つづく…(のか?)」とあり、思わず笑ってしまったのを思い出しますが、この「(のか?)」には様々な思いが込められているんだろうなぁと観ぜられ、多忙な日々の業務の合間を縫って一生懸命書いてくださっていることも伝わってきました。
私たちが普段目にすることのない東京音楽隊の日常を上手に切り取って味付けした、興味深い記事が並んでいます。
前回の記事は、丁度1年前に遠洋練習航海部隊への乗組を終えたばかりの原士長へのインタビューでした。私は、練習艦ではなく随伴する護衛艦への乗組みで、航海中の音楽隊の様子などはほとんど知りませんでしたから、とても興味深く読ませていただきました。
そして今回は、牟田春雄・海曹長の定年退職の話題です。
私が牟田さんを初めて認識したのは、昨年7月19日に松山市で行われた「第37回ふれ愛コンサートin愛媛」の様子をフルで収めた動画を見た時です。
第二部の後半で演奏された「ドリフメドレー」での、ハゲヅラ・メガネとチョビヒゲ姿には驚きました。ベテランCPOがここまでやるのは凄いな、まさに率先垂範。でも、これ牟田さんにしかできないんじゃないでしょうか(^ ^)
とにかく、東京音楽隊を聴き始めたばかりの私にとっては、観客を楽しませるために本気で取り組んでいることを強烈に印象付けたシーンでした。
そして、牟田さんのトランペットソロをはじめて生で聴いたのは、今年7月30日にオペラシティで開催された「音楽の『たまて箱』」でした。
この日の7曲めとして演奏された「エストレリータ(小さな星)」で、「東京音楽隊最古参」と紹介された牟田春雄曹長のソロを交えた演奏となりました。円熟したトランペットの音色が響きわたる素晴らしい演奏でした。
一流の演奏家だからこそ、ドリフメドレーとのギャップが際立ち、楽しいステージを作っていける。東京音楽隊のまさに真髄ではないかと思います。
そんな牟田曹長について書かれたコラムには、同じトランペットパートの後輩諸官による思いでのエピソード披露や、合計4回参加したという遠洋練習航海での、牟田さんご自身による興味深い回想などが盛られています。
詳細は下のリンクからどうぞ。
海上自衛隊東京音楽隊: はじめての Tokyo Band☆PartⅤ
牟田さんの遠洋練習航海の回想のうち、個人的にはチリのバルパライソ入港の際の話題がとても興味深かったです。私も、遠洋航海で同じバルパライソに入港したことがあるからです。私が入港したのは1982年、牟田さんが海士長として入港したのは1997年です。15年の間に、治安が相当悪化したのがわかりました。今はどうなんでしょうね。
さて、9月29日に昭和女子大人見記念講堂で行われた第58回定例演奏会が、牟田曹長の現役最後のステージとなりました。
現在は、東京音楽隊付となり、定年退職やその後に向けた準備をされていることと思います。トランペットパートを、そして音楽科のみなさんを率いて、東京音楽隊を支え、海上自衛隊と国民の架け橋としてて永年精勤されて来られた海曹長・牟田春雄さんに、心からの感謝と労いの言葉を贈らせていただきたいと思います。
ご苦労様でした、そしてありがとうございました。