皆さんは、ダニエル・ビダルさんを覚えていますか? あるいは、ダニエル・ビダルさんをご存知ですか?
モロッコ生まれのフランス人である彼女は、あのシャルル・アズナブルに見出されて1969年に17歳で 歌手デビューしました。
デビュー曲は、ロシア(当時はソ連)のポピュラーをカバーした「Aime ceux qui t'aiment(汝を愛する者たちを愛せ)」で、日本でも「天使のらくがき」として大ヒットし、日本語版も出されるほどの評判でした。
それがきっかけだったのでしょう、その後、日本での活動に軸足が置かれるようになりました。
そして、カトリーヌという曲がヒットし、人気はうなぎのぼり。
そんな彼女の代表曲とも言えるのが「ピノキオ」です。
Monsieur, monsieur l'automne. Monsieur, monsieur l'automne(秋さん、秋さん)
Je suis un peu trisute (僕は少し悲しいんだ)
で始まるこの曲は、人間になりたいというピノキオの切ない思いを歌いあげます。
petit peteit petit petit pinocchio ♫ が耳に残ります。
こうして、次々とヒットを飛ばした彼女は、いつの間にか、まるで日本のアイドル歌手のような存在となり、日本での長期滞在が当たり前になっていました。
当時まだ小学生だった私は、そんな彼女の芸能活動がどんなものであったか記憶にないのですが、サンスターの歯磨きのCMで「透き通ってるってほんとかな〜♫」と歌う日本語がとても上手なので驚いたことはよく覚えています。
小柄でブロンドヘアと綺麗な青い目を持つ彼女は、フランス人形のようだとも評され、ちょっと舌足らずなハスキーっぽい声で、多くの日本人を魅きつけました。
でも、彼女がヒットさせた曲のうち、誰もが知る曲といえば間違いなく「オー・シャンゼリゼ」でしょう。ちなみに「オー」は「Oh!」ではなく「Aux」という前置詞です(前置詞と言い切っていいのかな?)。Aux Champ.-Elysees は「シャンゼリゼには」と訳されています。そもそも、フランス語の曲名は「Les Champs-Elysees/シャンゼリゼ」です。
この素敵な曲は、本当に誰もが知っていますよね。
それはいいのですが、私が何故突然ダニエル・ビダルさんのことを記事にしたのかをお話ししなければなりませんね(^。^)
実は、私が中学生の頃、レコード店(今はCDショップでしょうか)で何気に商品を見ていた時に目にしたジャケットに釘付けになりました。
これがそうです。美しい写真ですが、何と言ってもその目です。
この世に天使がいるとすれば、こんな目をしているはずだと思いました。
もちろん、4曲入りのこのレコードを購入し、聴き込みました。収録曲は「太陽の恋人」「ピノキオ」「オー・シャンゼリゼ」「天理のらくがき」というプレミアム版でした。こうして、ダニエル・ビダルさんのファンになったのですが、プライベートでのいろいろ事情もあったのでしょう、数年もしないうちに活動の軸はフランスに移ってしまったようです。
とはいえ、今でも時々ネットで検索しては彼女の歌を聴いたりしているのですが、昨日久しぶりに検索して見たところ、「ダニエル・ビダルIN岩下の新生姜ミュージアム」という動画がヒットしました。なんだこれ、と思って見て見たところ、今年の4月に来日、栃木県真岡市で開始されたイベントで「オー・シャンゼリゼ」を歌ってくれていたのでした。齢を重ねたとはいえ、昔と変わらない天使のようなオーラを纏っていることに、驚きと喜びを感じました。その動画です。
ちょっと感動しました。ちょっとじゃないか(≧∇≦)
私の生涯で、誰かのファンになったのは、ダニエル・ビダルさんと三宅由佳莉さんだけです。出会い方は全く違いますが、突然いなづまに打たれたように出会ったのは全く同じです。
そして、思います。ダニエル・ビダルさんが未だに多くの日本人に愛されているのと同じように、三宅由佳莉さんもまた、たくさんの人に愛され続けて欲しいと。そして、そうなるに違いないとも。