あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

小月教育航空群

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 日本全国に「月」のつく町名はたくさんあります。

 北海道の「月形町」、群馬県の「月夜野町」、佐賀県の「三日月町」などの珍しい町名の他、月見町や五月町などメジャーな町名も多く、それこそ数え上げたらキリがありません。「月夜野」など、もう出来過ぎと思えるくらい素敵な町名ですが、そうでなくても「月」がつくだけで、仄かにロマンの香りが漂いますよね。

 そんな「月」のつく町の一つ、「小月」町をご存知でしょうか。私の知る限り一つしかないこの町名は「おづき」と読みます。山口県下関市にある町です。

 今回ご紹介するのは、小月教育航空群です

 まず、「航空群(こうくうぐん)」とは何か。

 群と書くだけあって、文字通りいくつかの部隊を集めて編成しているものが群(ぐん)と呼ばれる単位です。

 小月教育航空群(略して「月教空群(つききょうくうぐん)」)の場合、小月教育航空隊、第201教育航空隊、第201補給整備隊、小月航空基地隊の4個部隊で編成されています。

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 教育航空群はこの他、徳島教育航空群(同「徳教空群(とくきょうくうぐん」)、下総教育航空群(同「総教空群(そうきょうくうぐん)」)があり、それぞれ徳島県板野郡松茂町、千葉県柏市に所在します。

 各教育航空群の指揮官は「教育航空群司令」略して「教空群司令」と呼ばれ1等海佐が充てられます。

 そして、これら教育航空群(同「教空群」)を集めて編成されているのが「教育航空集団」(同「教空団(きょうくうだん)」)です。「集団」は、艦艇の部隊で言えば「艦隊」にあたる単位ですので、その指揮官は「司令官」です。つまり「教育航空集団司令官」略して「教空団司令官」と呼ばれ海将が充てられます。

 教空団は、海上自衛隊の航空機を運用する航空機搭乗員を養成する部隊で、教育機能ごとに3つの航空群と2つの直轄教育航空隊(ヘリパイの養成)を持っています。

 小月教育航空群は、海上自衛隊の航空機搭乗員が最初の教育を受ける部隊です。

 その隷下部隊のうち、小月教育航空隊(群はありません)では、一般教養の他、航空工学や航空法など、航空機搭乗員に必要な様々な座学教育を施します。

 そして基礎的な知識を身につけたうえで、第201教育航空隊に配属替えとなり、初めて航空機(T5練習機)の操縦訓練を受けます。

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 201教空での操縦基礎課程を終えると、哨戒機の戦術航空士(TACO)となる者は総教空群第203教育航空隊の戦術航空士課程へ、またパイロットとなる者は徳教空群第202教育航空隊の計器飛行課程へと進みます(TACOになる者は、201教空の前期課程のみ履修してTACO課程へと旅立ちます)。

 くどくど書いてきましたが、小月教育航空群の位置付けがお分かりいただけたでしょうか。くどくて分かんないか(≧∀≦)

 では、分かりやすい動画をご覧ください。

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 そんな小月で、今日、「スウェルフェスタ2018」という航空祭が行われます。

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 練習機T5によるフォーメーションフライトなどのイベントが盛りだくさんですが、佐世保音楽隊による演奏会も予定されており、東京音楽隊から、三宅由佳莉さんがゲスト出演することになっています。

 今回も、モンスターさんが福岡から出張っての取材を敢行されますので、レポートが楽しみですね(╹◡╹)

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 ところで、山口県なのに何故、呉音楽隊ではなく佐世保音楽隊なのか、不思議に思われた方はいらっしゃいますか? なかなか鋭い疑問です。

 実は、小月は佐世保地方隊の管轄なんです。何故なのか。

 陸上自衛隊は地面で戦いますから、部隊ごとの管轄を土地で決めます。

 ところが、海で戦う海上自衛隊は、そういうわけにはいかないんです。海峡の防備を考えると分かりやすいのですが、土地で分けると、海峡の向こうとこっちで管轄が違うことになってしまいます。ですから、「関門海峡」の防備は佐世保地方総監が責任を持つこととされ、その結果下関にある小月まで管轄権を持っているというわけです。

 ということで、今回は初めて航空部隊の紹介をしました。今後、航空集団の部隊や飛行教育の話なども書いていきたいと思います。