あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの効能(8)

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 「全日本こころの歌歌謡選手権大会」をご存知でしょうか?

 大会事務局によれば、「心を伝える歌」を歌えるスターを日本全国から発掘するという「歌謡ルネサンス」運動が展開されているようです。その第2回決勝大会が明日、東京都江戸川区総合文化センター大ホールで開催されます。

 「明日行くよ〜」という方もおられるでしょうし、「何それ?」な方もおられるでしょう。私も2016年の第1回大会の写真を見たことがあるだけで、この大会のことはよく知りませんでした。

 下の写真は第1回決勝大会の写真を使用した、今次大会のPR画像です。

 もうお気づきですよね、指揮台の上でタクトを振っているのは、我らが樋口好雄隊長です。そうなんです、一昨年の第1回大会で終始伴奏を勤めたのが海上自衛隊東京音楽隊だったんです。

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heartful-song.com

 で、明日の第2回大会はどうかというと、やっぱり我らが東京音楽隊が伴奏を務めます。今年の前半に、全国各地の地区予選を勝ち抜いた、22名の方々がそれぞれ、地元を代表する「こころ歌大使」として、明日の決勝大会に臨み、「こころ歌大賞」を争います。本日は、用賀にある東京音楽隊の奏楽堂で、リハーサルが行われた筈です。

 前回大会の前日に奏楽堂で行われたリハーサルの模様です。なんというか、樋口隊長の愛すべき人柄と、臨機迅速な対応能力にちょっと感動します。

www.youtube.com

 

 何故に「歌謡ルネサンス」なる国民運動が巻き起こったのでしょうか。私のような門外漢にわかろうはずもありません。でも、それは海上自衛隊東京音楽隊が伴奏を務めていることと無関係ではないと思います。

 昭和の頃に全盛を誇った歌謡曲ですが、やがてニューミュージックが幅をきかせるようになり、1990年代にはJ-POPに席巻され、昭和とともに歌謡曲は終焉を迎えたとされています。でも、その後も愛好家に支えられる形で様々様相を変えながら、昭和の歌謡曲は命脈を繋いできました。

 ここからは、私の想像、あるいは妄想です。なんの根拠もありません(というか調べていません(≧∀≦))。

 2013年8月28日にリリースされた、三宅由佳莉さんの実質的なデビューアルバム「祈り」が、社会現象を引き起こすほどのセンセーションを巻き起こしたことは、音楽界に衝撃を与えたはずです。収録された曲は、「祈り〜a prayer」を除けば、馴染みのある曲ばかりです。奇を衒わず、まっすぐな思いを聴く人の心に届けようという姿勢で編まれたこのアルバムが人々に受け入れられたことは、ともすれば商業ベースに乗って売り上げにフォーカスしていた業界の方々の少なくとも一部にとって、歌を届けるということの原点を見つめ直す機会となったのではないかと思えるのです。

 ジャンルじゃないんだ、人々の心に届く歌が必要なんだ。

 そして、日本人の心に届く歌とは何かを突き詰めれば、演歌も含めた歌謡曲なのだと思います。

 「ネイビーブルーに恋をして」というブログがあります。やはり東京音楽隊を応援する女性(私は勝手に「ネイビーブルーさん」と呼んでいます)が主宰されているブログですが、この方はおそらくご自身がプロの音楽家なんだと思います。私などには理解できないような難しい技術面のお話なども詳しく書かれています。

 ネイビーブルーさんによれば、J-POPは洋楽のマナーで編まれているにも関わらず、どの曲も必ず日本らしいテイストがどこかに現れるので、初めて聴く曲でも「あぁ、これは日本人の楽曲だな」と分かるそうです。

 音楽だけでなく、絵画であれ、詩歌であれ、さらには政治や外交に至るまで、日本人は日本人らしさから逃れられない、自分の根を刈って生きて行くことはできないということだと思います。

 そして、そんなジャパン・テイストが醸し出されているからこそ、異文化圏で驚きと感動を持って迎えられるのではないかとも思います。

 だからこそ、「心を伝える歌」歌謡曲が歌えるスターを発掘しようというムーブメントが起きたきたのではないかと思えますし、その伴奏は、三宅由佳莉さんが所属し、その楽曲を作り上げてきた海上自衛隊東京音楽隊をおいて考えられない、という流れだったのではないかと思えるのです。

 ひょっとしたら、見当違いのことを言っているのかもしれませんが、私の中では矛盾なく話が繋がっています。

 

 音楽ど素人の私が、音楽についてこんなに真剣に考えるようになったこと自体、そして、「歌謡ルネサンス」のようなムーブメントを引き起こしたこと自体、まさに三宅由佳莉さんの大きな効能なのではないでしょうか。

retcapt1501.hatenablog.com