あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

本当に「たまて箱」でした!!

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 昨日、「音楽のたまて箱」を観るために、東京オペラシティに行ってきました。

 「音楽のたまて箱」は、海上自衛隊東京音楽隊が、例年2月に定期演奏会を開催している東京オペラシティが主催するコンサートです。大人から子供までが楽しめる演奏会というコンセプトで、夏休みに入った子供たちだけでなく、乳幼児連れでの入場も可能という、カジュアルで親しみやすいイベントになっています。

 今年で8回目となるこのイベントは、オペラシティと所縁のあるいくつかの団体による合同演奏会の形式をとっていますが、昨年に引き続き今回も、東京音楽隊はトリの演奏を務めました。

 

 さて、今回も朝一で並ぶつもりでいましたが、昨日のプチプレ報告でも書いたとおりに、ちょっと家を出るのが遅れ、私は待ち列30番目くらいになってしまいました。でも、予想どおり列の先頭には、ROSEさんの姿がありました。2番目はもちろん斎藤さんです。ROSEさんはなんと、開場3時間前の午前7時半、つまりオペラシティの開館と同時に並んだそうです。事前にオペラシティに開館時間を問い合わせたとのこと。恐れ入りましたm(_ _)m

 結果的に、運よく私も最前列に座ることができ、右のROSEさん、左の斎藤さんに挟まれる形となりました。ROSEさんの右隣には、長野から来られたという藤沼直樹さんのファン仲間の女性がおられ、二人で盛り上がっています。

 今回の演奏会のプログラム構成は次のとおりです。

11:00〜12:00 仮屋崎省吾さんのピアノとお話

12:00〜13:00 在日米陸軍軍楽隊による演奏会

14:30〜15:30 海上自衛隊東京音楽隊による演奏会

 

仮屋崎省吾さんのピアノとお話

 ステージ上に2台のグランドピアノが対面に配置され、なんだかワクワクします。

 誰もが知る気鋭の華道家、仮屋崎省吾さんですが、ピアノの生演奏を聴くのはもちろん初めてです。今回は、そのソロ活動のみならず、様々なジャンルのアーティストとの共演で注目を集めている若手ピアニスト小瀧俊治さんとのコラボです。

 ステージに姿を現した仮屋崎さんは、いつもながらの艶やかな衣装でご挨拶。

 まず、ソロでシューベルトの「即興曲第2番」、ショパンお「ワルツ第9番 告別」を披露。そして小瀧俊治さんが招かれます。キリッとした、文句なしの二枚目。私の右隣からは「カッコいい」というため息が聞こえます。やれやれ。

 お二人のコラボは、やはりクラシックのスタンダードナンバー7曲を、連弾で4曲、2台ピアノで3曲を演奏するという形でした。

 曲の合間に仮屋崎さんのトークも入り、楽しく素敵なステージでした。最後に、仮屋崎さんが小瀧さんのピアノ・リサイタルの予定と、この後小瀧さんのサイン会をロビーで行うことを紹介しました。

 

昼休みの出来事

 実は、昼休みにいろいろな出来事があったのですが、ROSEさん関連ばかりですので、ROSEさん主役のスピンオフ記事を別に起こすことにします。

 もう一つ重要なエピソードがありました。これもスピンオフします。

 

怪我の功名

 今回の演奏会では、このブログにコメントを寄せてくださっている回転さんと、TAK-CHANさんにお会いすることができました。で、事前のコメント交換でTAK-CHANさんが来られることがわかったので、「実は左手小指の腱が切れちゃったので、装具を装着しています。左手小指に怪しげなものを着けている奴を見かけたら私だと思ってください」とコメントしておいたのが功を奏し、識別してもらうことができました。

 更に、コメントは頂いたことはないのですが、「ブログ読んでます」という方が何人か声かけしてくださいました。怪我もしてみるもんだと思いましたし、コメント欄まで見てくださってるんだなと、とても嬉しく感じました。

 

在日米陸軍軍楽隊による演奏会

 今回の出演は、トランペット、サックス、ドラムセット、ウッドベースそしてピアノという5人のジャズ・コンボ編成でした。

 知っている曲も、初めて聴く曲もありましたが、ジャズナンバーは、やっぱり「本家」の演奏なんだなと思わせるなんとも言えない味わいがあります。会場はあっという間に魅了され、彼らの演奏に引き込まれました。スコッチ好きの私ですが、彼らの演奏を聞きながら、ついバーボンを飲りたくなったほどです(╹◡╹)

 最後の2曲は、私たちにも馴染みの深い「Fly me to the Moon」と「枯葉」で、会場は更に盛りがります。

 演奏が終わり、彼らがお辞儀をして下がろうとしても、鳴り止まない拍手と「アンコール」の声に、もう1曲演奏し、リーダーのトランペッターが歌も披露しました。曲名がわかりませんが、上手かったです。TAK-CHANさん、曲名わかりますか?

 

いよいよ、本題、東京音楽隊の演奏会です

 米陸軍のステージが終わると、両袖から東京音楽隊の皆さんが繰り出し、ステージのセットアップが始まりました。こういうシーンを見る機会はまずありませんので、貴重な体験でした。皆さんのテキパキとした作業で、あっという間に東京音楽隊のステージが仕上がります。見てて気持ちいいくらいの手際の良さでした。

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 セットが終わり皆さん一旦捌けますが、荒木さんと岩田さんがそれぞれハープとコントラバスのチューニングを始めました。今回、私は、岩田さんの近くまで行き、写真を一枚撮らせていただきました。昨日報告したとおりです。

retcapt1501.hatenablog.com

 さて、そこからが問題です。セットが終わったステージ上を見ると、指揮台はかなり客席側におかれていますし、スタンドマイク、器材等の設置状況を見た限り、「美女と野獣」のパフォーマンスに十分なスペースがあるようには思えません。

 しかも、パイプオルガン下の正面2階席には観客を座らせていないようです。昨年のクリスマスコンサートでは、トリフォニーホールのパイプオルガン下2階席で「美女と野獣」が披露されましたよね。

 どっちなんだろ? ステージ上なのか、正面2階席なのか・・・後席の方にとってはどちらでも変わりありませんが、最前列だと天と地ほどの差があります。特に私の右隣のお二人にとっては極めて重要な問題でした。長野から来られたROSEさんのお友達は、川越ライブに行かれたのですが、その際には「美女と野獣」自体が演目に入っておらず、先日の昭和女子大ライブには時間の関係で来られず、今回のライブに賭けていたからです。そんな疑問を残しながら海自ライブが始まります。

 左右袖から隊員の皆さんが入場し、席に着きます。そして左袖から荒木さんが登場しますが、何度見てもエレガントです。

 「みなさん、こんにちは〜」

 人見記念講堂の時とは違い、満席の会場から大きな「こんにちは」が返ります。やっぱり満席の会場がいいですね(╹◡╹)

 そして樋口隊長が登場し、指揮台の上から喝采に応えます。

 1曲めは「マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ」

 昨日投稿した「西日本公演の再現」でも書きましたが、先月の大遠征でも演奏されたこの曲は、今年の全国吹奏楽コンクールの課題曲であることもあり、この演奏会でも、夏休みを迎えた学生さん向けという意味を込めて演奏されました。

 さて、冒頭でもご紹介したとおり、このイベントは、乳幼児連れでも気軽に楽しめる演奏会というコンセプトですので、後方に設けられた親子席の方からは、ひっきりなしに小さな子供達の大きな声が聞こえていました。

 樋口隊長が指揮台の上から会場を振り返り「元気いっぱいですね〜、騒いでもいいんですよ〜」と呼びかけると、会場全体が沸きました。こういうところが樋口隊長の魅力なんでしょうね。

 荒木美佳さんから「ここで一つ皆様にご報告したいことがございます」との前置きで、今年東京音楽隊がスーザ記念財団から「ジョージ・ハワード大佐顕彰」を受賞したことが報告され、満場の喝采を浴びました。

 「そこで、スーザ氏への敬意を込めた1曲を演奏したいと思います」と紹介された2曲めは、「海を越える握手」でした。タイトルを聞いて「?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、聴けばすぐに「あぁ、あの曲」とわかる名曲です。

 3曲めは、先日の昭和女子大ライブでも披露されたNHK大河ドラマ西郷どん」のメインテーマです。曲紹介をする荒木さんですが、ドラマの時代背景や西郷隆盛の生い立ちを語り、「これ以上言ってしまうと、ドラマを観る楽しみがなくなってしまいますのでこの辺で」と切り上げるところが上手です。

 演奏が始まり吹奏が続きますが、後半、左袖からしずしずと三宅由佳莉さんが登場、またしても目の前で歌い始めます。今回はステージが低いので、本当に目の前です。ROSEさんが思わず「オーラ半端ない」と漏らしていましたが、まさにそのとおり。見るたびに色の異なるオーラが放たれているのでしょうか、説明のしようもないのですが、人見記念講堂で見た三宅さんとは別人のように感じます。研ぎ澄まされた淡いブルー…日本語として成り立ちませんが、私が受けた印象です。

 歌い終え、会場に笑顔で手を降りながら左袖に消えてしまいました。

 4曲めは「初恋」、これをライブで聴くのは今回が初めてです。昨年リリースされた「SING JAPAN」の収録曲の一つです。西日本公演のまとめ記事の中では、このアルバム音源に現地での写真を載せて動画に仕立てたものを埋めましたが、今回拝見して、はじめてその様子がわかりました。まず、左袖からの登場の仕方です。潮騒の音だけが流れるステージ上を左袖から、物思いに耽りながらゆっくりと歩を進める女性を演じながらの登場です。ミュージカルなんです。そして、潮騒のなかア・カペラで歌い出し、美しい声が会場を満たしていきます。この時気付いたのです、さっきまであんなに響いていた子供達の声がピタッと止んでいることに。やっぱりそうなんです。私たちの心に響き届く理由がちゃんとあったんです。この演奏会での大きな驚きの一つでした。

 続いて演奏されたのは、このところ定番となってきた「ネイビート・ラプソディー」です。いつも言ってますけど、格好いい曲です。CDとか出すまでは音源出て来ないのかもしれませんね。

 続いては6曲めの「ゲッタウェイ」、これも西日本遠征で演奏された曲です。アース・ウィンド&ファイアの1970年代の大ヒット曲です。私の年代には懐かしい曲ですね。

 7曲め「エストレリータ(小さな星)」は、東京音楽隊最古参である牟田春雄曹長のトランペットソロを交えた演奏です。円熟したトランペットの音色が響きわたる素晴らしい演奏でした。

 そしていよいよ、問題の「美女と野獣です」。私たちの予想は、狭いステージ状況からして十中八九「2階席」というものでした。

 演奏が始まり、みんなの目線が2階席に集まります。その時、ROSEさんが「あっ」と言いながら私の肩を叩きます。なんと、ステージ左袖から三宅由佳莉さんが登場、歌い始めます。右隣の二人は大興奮です。今度は私が藤沼さんの登場を発見して彼女に教えてあげました。二人の興奮はもう頂点です。この狭いスペースで中央に寄ってくるとなると、本当に目の前でラストを見ることになるのですから、その気持ちはよくわかります。

 そして、器材をかわしながら、次第にお二人が中央に寄り、指揮台の手前で見つめ合いながら歌い終えます。感動のシーンを本当の目の前で見ることができました。素晴らしかったです。ROSEさんは「涙で見えなかった」とのこと。うーん。

 そして最後の曲の紹介の前に、荒木美佳さんが「今この時も、皆様の目の届きにくい海の上、空の上で、多くの海上自衛官が任務に就いています。本日の演奏会を通じて、そんな海上自衛官を身近に感じていただければ幸いです」と、いつもの語りかけをします。動画で見ていていつも感じるのは、「ここで共感の拍手が欲しい」ということだったので、今回は浮いてもいいから拍手しようと決めていました。でも、私が拍手し出すとあっという間に会場全体が呼応してくれました。みんな拍手したかったんだ。とても嬉しい気持ちになりました。

 そして、最後の曲「オーメンズ・オブ・ラブ」が演奏されます、先日の昭和女子大ライブでも高校吹奏楽部とのコラボで演奏された名曲です。

 演奏終了後、樋口隊長は左袖へ、鳴り止まない拍手「アンコール」の呼び声。樋口隊長が左袖から、なんと駆け足で出てきました。そして右手の人差し指を立てて「もう1曲」。演奏されたのは「軍艦」です。今回は会場も拍手します。ひょっとして「軍艦」の前に三宅さんの歌が一つ入るのかなとも思っていましたが、今回もたくさん歌っていただいたので、十分満足していました。

 「軍艦」の迫力ある演奏が終わり、樋口隊長が喝采の中袖に消えた直後、荒木美佳さんが登場して、「では、万雷の拍手にお応えして、もう1曲お届けします」

・・・なんというサプライズ、会場は喜びに響めきます。本当に驚きました。

 最後は、三宅由佳莉さんの「故郷」です。先日の昭和女子大ライブでも、この歌をラストに持ってきました。斎藤さんの解釈では、未だ大きな災害に苦しんでいる西日本のことを念頭に、被災地に家族もつ隊員たちの気持ちものせて、ラストにこの曲を持ってきているのではないかとのこと。なるほどと思いました。三宅由佳莉さんの郷里倉敷市玉島も、大きな被害が出ていると、玉島に住む私の同期から聞いています。きっとそんな故郷への想いがこの歌に込められているのでしょう。いつも以上に心に響く素晴らしい歌声でした。

 今回も、また違う意味で驚きの多い演奏会でした。本当に東京音楽隊の奥深さは知れば知るほど果てがない。深みにハマりそうです。

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 このコンサートのスピンオフ記事へのリンクを貼っておきます。

www.capitandiaryblog.com

 

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