シリーズも今回で第7回を数えます。
今年(2018年)4月28日(土)、海上自衛隊東京音楽隊は、昨年に引き続き幕張メッセで開催されたニコニコ超音楽祭に出演しました。その中で演奏された「アスノヨゾラ哨戒班」は、藤沼直樹さんの超絶ヴォーカルが話題となりましたが、この曲には他にも主役がいます。終始重厚なベースラインでこの曲を支え切った、ベーシストの岩田有可里(あかり)さんです。
岩田さんのベースの響きに集中できるよう画像を編集した動画を仕立ててみましたので聴いてみてください。この曲のもう一人の主役であることがよくわかります。
女性に対し、このような褒め言葉はどうかとも思いますが、ベースギターを弾く姿が「男前」だなと、以前から思ってはいました。でも、「アスノヨゾラ」での岩田さんは格別です。惚れ惚れするほど「格好いい」と思わずにはいられませんでした。
余計な言葉はいらない。ストレートに「格好いい」という表現が似合う方だと素直に思います。
そんな「格好いい」岩田さんですが、ご存知のとおり、コントラバス奏者でもあります。クラシック系でもベースというわけですが、コントラバスを奏でる岩田有可里さんは、ベースギターの時とは一転、「優雅な」姿です。
このギャップがまた魅力ですね。
私が初めて岩田さんの演奏を意識して聴いたのは、2010年の自衛隊音楽まつりで披露された「祈り〜朧月夜」の動画でした。岩田さんのコントラバスと太田紗和子さんのピアノが奏でる哀調を帯びた流麗な旋律に載せて三宅由佳莉さんが歌い上げるこの曲には、本当に心が揺さぶられました。奇跡のアンサンブル、そう思いました。
昨日の「ロビーコンサート」の記事でも紹介しましたが、荒木美佳さんとのデュオ・アンサンブル「雅」として奏でる「おくりびとのメインテーマ」です。荒木さんの説明にもありましたが、本来はチェロが奏でるパートを、コントラバスで弾くのは大変だと思います。それでも岩田さんは、とても自然な感じで優雅に弾きあげます。
そしてこちらは、2013年12月6日(金)、千葉県松戸市の「森のホール21」で行われた、東京音楽隊第49回定例演奏会(クリスマスコンサート)開演前のウェルカムコンサートでの演奏です。これも荒木美佳さんのハープとのデュオです。
荒木さんとのデュオはとても息が合っている感じがします。きっとプライベートでも仲が良いんでしょうね。
岩田さんは、部外でのコントラバス演奏もされているようです。今年(2018年)1月7日(日)、三重県桑名市の桑名市民会館で行われた「コントラバスアンサンブル東海支部親睦演奏2018」というイベントでの演奏です。左から二人目が岩田さんです。
一宮市出身で、愛知県立芸術大学で学ばれた岩田さんは、当然、東海地方にバックグラウンドをお持ちです。学生時代から演奏を通じて知り合った方々とのこのような催しにも参加され、ご自身の演奏技術の向上に努めておられるのではないでしょうか。
この動画をアップされた、コントラバス奏者の井上裕介さん(動画では一番左の奏者)のブログ記事です。親睦演奏会の雰囲気がよく伝わります。岩田さんの演奏の安定感についても言及されています。
ベースギターにしろ、コントラバスにしろ、渋いパートですから、ブラスパートの華やかな音色の裏に隠れがちですが、どの曲も岩田さんのしっかりしたベースラインが支えています。
これからも、そんな岩田さんの渋くて格好のよい演奏に注目して行きたいと思います。
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【追記】
愛知公演で岩田さんとばったり出くわした方からの報告をもとに書きました。
英文での紹介記事を書きました。よろしければ併せてお読みください。