「マイ・ウェイ」と言えば、フランク・シナトラの代表曲として世界中で愛されてきた名曲です。私と同世代の方々はもちろん、おそらく若い世代にもよく知られた曲ではないかと思います。
日本語の歌詞はいくつかのバージョンがあり、多くの歌手によってカバーされてきましたが、やはり布施明さんの印象が強いですよね。
また、私には挑戦する勇気はありませんが(笑)、この曲をカラオケの十八番にしておられる方も少なくないのではないでしょうか。
ことほど左様に、この曲は歌詞を乗せて「熱唱」するものだというのが一般的な認識ですし、私もそう思います。
ですから、東京音楽隊による「マイ・ウェイ」ということなら、先日の記事でもご紹介した男性ヴォーカリスト・川上良司さんの熱唱を思い浮かべます。
あるいは、三宅由佳莉さんによる、一味違う「マイ・ウェイ」も、想像するだけでワクワクしますよね。
でも、今回ご紹介する「マイ・ウェイ」は歌唱抜きのインスツルメンタル・サンバ・バージョンなんです。
こういう、予想を裏切る展開が、私は嫌いじゃありません。
2013年6月15日(土)、海上自衛隊東京音楽隊は、東日本大震災の被災地を巡る大遠征の一環として、岩手県遠野市の遠野市民センターで「東日本大震災復興祈念演奏会in遠野」を開催しました。この演奏会のラストナンバーとして演奏されたのが、「マイ・ウェイ」のサンバ・バージョンです。
サンバのリズムは東京音楽隊の得意分野なんでしょうか、掛け値無しに楽しいステージに仕上がっています。関水優子さんの魅惑のサックスソロを皮切りに、途中に入る各パートのソロ演奏がまた格好良く、つい引き込まれてしまいます。
三宅由佳莉さんはスキャットで参加しています。マイ・ウェイを歌でなくスキャットで、というのも何か新鮮な感じがします。
河邉隊長の、まるで踊るような躍動感あふれる指揮も見応え有りです。
演奏後、たくさんの「ブラボー」が掛かるのも頷けます。聴きごたえのある東京音楽隊の「マイ・ウェイ」サンバ・バージョン、是非ご覧になってください。
この演奏を聴くと、東京音楽隊の力量の高さが嫌というほどよくわかります。
演奏技術だけでなく、聴衆を楽しませようとする、旺盛なサービス精神に溢れていますし、これこそが東京音楽隊だ、と思わせてくれる演奏でした。