あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

お辞儀と敬礼

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 以前、「三宅由佳莉さんのお辞儀と敬礼」という記事で、三宅由佳莉さんは、曲によって、歌い終えた後にお辞儀をするか敬礼するかを使い分けておられるに違いないと書きました。

 つまり、一般の歌を歌った後は深々とお辞儀をされますが、軍歌や、海上自衛隊の隊歌をを歌った後には10度の敬礼をされていると思われるのです。詳しくは記事をお読みください。

retcapt1501.hatenablog.com

 

 このように、敬礼というものはお辞儀とは区別して考えられています。

 端的に言うならば、お辞儀は挨拶であり、コミュニケーションのツールであるのに対し、敬礼は、秩序を守るためのツールです。

 制服姿の自衛官や軍人同士がすれ違う場合などには、下級者から上級者に対して「敬礼」が行われ、これを受けた上級者は「答礼」をします。動作は同じですが、意味が違うわけです。

 順序としては、まず下級者が挙手の敬礼をする、それを受けた上級者が挙手の答礼をし、その手をおろす、それを確認してから下級者は手を下ろします。

 敬礼をした下級者が、上級者の答礼も終わらないうちに手を下ろすのは失礼な行為に当たります。このルールはどの国の軍隊でも同じですから、新隊員はみっちり仕込まれます。

 ちなみに、陸海空それぞれ同じ軍種の自衛官同士の場合、下級者が上級者に敬礼するのは義務です。他方、軍種が異なる上級者に対しては、外国の軍人に対するのと同様、義務ではありませんが、敬礼することとされています。

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 また、同じ階級の隊員の間でも相互に敬礼を行います。この場合には、どちらが先任かがわかっていれば後任者から敬礼し、先任者が答礼しますし、先後任が不明の場合には、互いに同時に敬礼します。

 このように、敬礼動作は厳格に作法が定まっていますが、知り合い同士の敬礼の場合には、挨拶を兼ねる場合もあります。朝であれば「おはようございます」と挨拶しつつ敬礼しますが、朝以外の場合には、「お疲れ様です」「お疲れ様でした」と言いながら敬礼する場合が多いように思います。

 

 

 敬礼という動作は、常に階級を意識させます。階級は、上下関係をはっきりさせるものですが、人間として上等かどうかを決めているものではありません。組織の中での役割分担を明確にすると同時に、その人間が好きか嫌いか、尊敬できるかできないか、そんな個人的な判断基準を全て切り捨ててくれるものです。

 国民から殺傷能力のある兵器・武器を預かる軍事組織である自衛隊は、鉄の統制と秩序を維持する必要があります。だからこそ、敬礼を義務化して、常に階級というものを意識させているのだと、私は理解しています。

 今回の記事に関連して、次回は、「船の敬礼」について書いて見たいと思います。