今年は、順番から言えば、3年に一度の自衛隊観艦式が行われる筈です。筈ですと言うのは、来年度予算案の国会審議が1月22日に始まったばかりで、来年度の業務計画が確定していないからです。
それから、昨年の航空観閲式が荒天のため中止されましたが、中止というのはこれまで例がありませんので、場合によっては、年度繰り下げ実施という可能性もないわけではないのかな?とも思ったりします。
さて、観艦式とは何か。ご存知ない方もおられるかもしれませんので、そもそもの話から書いていきたいと思います。
観艦式は、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣が、艦隊を観閲することにより、部隊・隊員の士気を高め、国内外に自衛隊の精強さをアピールすることを目的に行われます。また同時に、国際親善や防衛交流を促進したり、国民の自衛隊に対する理解を深めてもらうこと(広報)も大切な目的です。
防衛省のホームページに、観艦式の歴史について載っていましたので引用します。
(観艦式の)起源は1347年、英仏戦争のとき、英国王エドワード3世が自ら艦隊を率いて出撃する際に、その威容を観閲したことが始まりとされています。
日本では明治元年、天皇陛下をお迎えし、大阪天保山沖で実施されたものが始めてで、当時は「観兵式」と呼ばれていました。「観艦式」と初めて呼ばれたのは、第4回にあたる明治33年神戸沖で行われた大演習観艦式です。
海上自衛隊では昭和31年「自衛隊記念日」が制定され、翌32年に「自衛隊記念日行事」の一環として観艦式を実施することが定められました。
昭和5年に行われた帝国海軍の「特別大演習観艦式」の模様を収めた動画がありましたので、下に埋めておきます。
受閲艦が錨泊した状態で、観閲艦が巡閲する形式の観艦式です。
自衛隊記念日(11月1日)行事の一環として行われる観艦式ですが、ずっと以前には、陸自主体の中央観閲式(朝霞)と海自の観艦式は、それぞれ別個に毎年行われていました。ただ、観艦式については、1970年代に世界を襲ったオイルショックに伴う燃料費の高騰を受け、年度毎の予算状況等を踏まえて、実施できるときには実施するという不規則な行事となりました。航空観閲式はもともと行われておらず、基地ごとの航空祭がメインだったと記憶しています。
このような状況は、省としてみた場合、なんとも統一性に欠けていますし、何と言っても効率的ではないように見えます。
そこで、陸主体の中央観閲式、海主体の観艦式、空主体の航空観閲式を、防衛省の行事として持ち回りで行うこととされ、1996年の航空観閲式を皮切りに、現在のやり方になったのです。つまり、航空観閲式は、この時にはじまったわけです。
さて、前回の観艦式に先立ち、防衛省はでは、三宅由佳莉さんを起用したPR動画を公開しました。まさに、海上自衛隊の顔ともいうべき存在ですから、この起用は当然なのですが、何にでも引っ張り出されて「大変だな」とも思います。
今年も、同じような動画で、観艦式のことや、付帯行事の予定などについてPRしてくださるかもしれませんね。
前回の観艦式を、付帯行事も含めダイジェストとしてまとめた動画がこれですが、ダイジェストと言っても25分ものですので、時間がある方はご覧になってください。
東京音楽隊や三宅由佳莉さんの演奏の様子なども収録されていますよ。
短時間でざっとみたいという方は、こちらをどうぞ。
今後、今年の観艦式の概要が徐々に判明していく筈ですので、その都度、追加の記事を書いていきたいと思います。
とりあえず、今回は、観艦式そのもののご紹介ということで。
【追記】
その後の情勢の変化等を受け、以下の記事を書きました。こちらもご覧ください。