これまで、三宅由佳莉さんの出会いシリーズとして、「作曲家の河邊一彦さん」、「ピアニストの太田紗和子さん」を取り上げてきました。
今回は、現在東京音楽隊でフルート、ピッコロ奏者として大活躍中の目黒渚さんをご紹介したいと思います。東京音楽隊のフルート奏者といえば、田中英暢さんが第一人者ですが、目黒さんの繊細な演奏はまた、格別の雰囲気を持っています。
目黒さんは、長らく横須賀音楽隊で活躍されてきましたが、一昨年の夏に、東京音楽隊に異動されました。
まずは、目黒さんのフルート演奏を聴いてみましょうか。
下の動画は、昨年7月19日(水)、松山市民会館大ホールで行われた、「第37回ふれ愛コンサートin愛媛」での目黒渚さんをフィーチャーしたプログラムです。
実は、目黒渚さんは、松山市のご出身で、今回のふれ愛コンサートが凱旋公演となりました。そのため、目黒さんのソロプログラムが準備されたわけですね。
目黒さんにとっても、地元松山市の方々にとっても、とってもハッピーなコンサートだったのではないでしょうか。
演奏後、指揮者である東京音楽隊長の樋口好雄さんとハイタッチする様子など、微笑ましく、小悪魔的な目黒渚さんの魅力が弾けています。
下のコラージュをご覧ください。左半分はいまご紹介した愛媛でのコンサートの写真です。三宅由佳莉さんでもおなじみの、メスドレスタイプの演奏服ですが、とてもお似合いですし、なんとも言えない気品が伝わってきますね。美しい方ですが、仕草がなんとも可愛らしくて、大変人気があるのも頷けます。
コラージュの右上の写真の袖には階級章が縫い付けられています。もうお分かりですよね、2等海曹です。そして左胸です。防衛記念賞が8個も装着されています。このうち、一番右下の防衛記念章に御注目ください。白地に青い縦のストライプが何本か入ったものです。これは、「海外訓練経験者」に装着が許されるものです。個々の受賞内容について知り得る立場にはありませんので、断定はできませんが、音楽隊で海外訓練参加となれば、遠洋練習航海部隊の音楽隊であろうと思われます。しかも、記念章の真ん中に銀の星(実際は桜)が1個ついています。つまり、同じものを2個受賞しているということですので、目黒渚さんはこれまで2度、遠洋練習航海部隊の音楽隊員として遠洋航海に参加されたことがあるということではないかと思います。
そして右下の写真は、横須賀音楽隊時代の、ちょっとだけ前の写真です。まだあどけない雰囲気の残る目黒さんは、まだ3等海曹ですし、防衛記念章も1個しかつけていませんね。お名前もまだ「村上渚」さんだった頃の写真です。
おや?と思われましたか?
そうですね、マイクを手に歌を歌ってらっしゃいます。
そうなんです、この頃の目黒(村上)さんは、とても人気者の歌手でもあったんです。三宅さんのような声楽家ではありませんが、なんとも言えない癒し系の歌声で多くのファンがいましたし、今でも彼女の歌を聞きたいという人はたくさんいらっしゃると思います。
ちょっと聞いてみましょうか。
下の動画は、2008年8月2日(土)ヨコスカサマーフェスタ2008の際、横須賀地方総監部と思われる建物の前での演奏です。アンジェラ・アキさんの「手紙〜拝啓十五の君へ〜」を、時々はにかみながら歌う村上渚さんです。デュエットされてる方も何気に凄いですよね。お名前ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。
www.youtube.com とても爽やかに歌われていますよね。
ファンの方のブログ記事のリンクも貼っておきます。
でも、私が一番お気に入りの動画は、2011年2月11日(金)神奈川自衛隊音楽まつりでの演奏です。行進曲軍艦のショートバージョンの後、村上渚さんによる、会場全体を巻き込んだドレミの歌の輪唱です。あっという間に観客を合唱団にしてしまう手腕は驚きです。それだけ魅力的だということなんでしょうね。
とても素敵な動画です、是非ご覧になってください。
横須賀音楽隊のフルート奏者兼歌手として、とても人気のある村上渚さんですが、ご結婚され、目黒渚さんになりました。東京音楽隊への異動時期は、両音楽隊の演奏会への出演実績から、2016年夏の定期であろうと思われます。
一昨年9月に行われたランチタイムコンサートには東京音楽隊の隊員として初めて出演されているからです。
昨年6月に行われた横浜開港祭の演奏会での演奏もちょっとみてみましょう。ボサノバナンバーの「イパネマの娘」の中で目黒渚さんのフルートソロが披露されます。素敵な演奏ですよ。
こうして、現在は専らフルート奏者として活躍されている目黒渚さんですが、横須賀音楽隊時代の「歌手」としての活躍は、とても大きな意味があります。
自衛隊初の声楽枠で採用された三宅由佳莉さんが、震災後の「祈り」への圧倒的支持もあって大スターとなりましたし、それを追う形で横須賀音楽隊にも中川麻梨子さんが配属され、陸空自衛隊も合わせて声楽家歌姫の黄金時代を迎えていますね。
でも、吹奏楽と歌の組み合わせというジャンルを草分けとして切り開いてこられたのが、海上自衛隊では、村上(目黒)渚さんらの楽器演奏者たる歌手の皆さんだったのです。
ですから、声楽家に歌姫の座を譲った後も、彼女の歌声を聞きたがるファンの皆さんがたくさんいらっしゃるのだと思います。
そんな目黒渚さんは、三宅由佳莉さんをどうみているのでしょう。
そんなことわかるわけありません(≧∀≦)
でも、ちょっと下の動画を見て見ませんか?
ディズニーアニメ「モアナと伝説の海」の主題歌「How far I'll go」を歌う三宅由佳莉さんです。いつもの私なら、三宅さんの歌や振り付けの話をするのですが、今回は、三宅さんの後ろのバンド席にいらっしゃる目黒渚さんに注目してください。
三宅さんが表情豊かに熱唱される様子を見ながら、満足そうな笑顔で、慈しむようにご覧になっていますね。私は最初にこの動画を見たとき、目黒さんの笑顔に目が吸い寄せられました。 なんて素敵な笑顔の方なんだろうと思いましたし、三宅さんのことを本当に温かく見守ってくれているんだなと確信しました。
最後に、昨年の4月29日、ニコニコ超音楽祭に海上自衛隊東京音楽隊が初めて出演した際のショットです。演奏中の真剣な眼差しも、演奏終了後の柔らかい眼差しも、とても魅力的だと思います。