今日は、今上陛下の誕生日ですね。おめでたいことですし、残された日々をしっかり務めあげたいと仰ったお言葉に、改めて感謝申し上げた次第です。
御即位以来、最多の一般参賀者が訪れたそうですね。東日本大震災の被災地から、はるばる来たという高校生たちの姿がニュースで取り上げられていましたが、心温まる思いでした。
さて、天皇誕生日は、戦後、昭和23年に改称されるまでは「天長節(てんちょうせつ)」と呼ばれていました。何となく重みを感じますよね。なぜ、天皇誕生日などという無機質な名称になったのでしょう?
当時は、米国を中心とする連合軍総司令部(GHQ)による、日本の改造、日本人の精神の骨抜きを図るための政策が矢継ぎ早に施行されていたとする評価もありますので、その一環なのかもしれません。
戦後、昭和天皇は「人間宣言」をされました。この宣言によって、天皇を「神」だと信じ込まされていた日本国民は洗脳から解き放たれた......そんな風に習ったような気がします。
この話に違和感を抱くのは私だけじゃないはずです。戦前において、日本国民が天皇を敬愛していたのは、「神」だと思い込まされていたからではなく、それが天皇だからです。今も昔も、日本国民と天皇の関係は、少しも変わっていません。「人間宣言」などするまでもなく、天皇を「神」だと信じている日本人などいなかったのです。
欧米の啓典の民、つまり一神教の方々から見ると、資源もなく、国富の蓄えも十分ではないアジアの国である日本が、大東亜戦争を四年近くも戦い抜き、欧米列強を散々手こずらせたのは、天皇という邪教の神を盲信し、その命令に従った結果であるとしか理解できなかったのでしょう。
天皇に「人間宣言」をさせ、一般国民にはダーウィンの進化論を教えるため、大勢の教員が米国から派遣されたそうです。ところが、洗脳されているはずの日本人に進化論を教えても、「そんな当たり前のことを、わざわざ人を集めて教育するとは、アメリカ人も暇だな」という反応で、拍子抜けしたそうです。
それはそうです、ダーウィンの進化論が発表されたのは、江戸時代のことですが、当時の日本では、妥当な理論としてすんなり受け入れられていたのですから。
逆に、一神教の信者にとっては、創造主である神を冒涜する理論であり、受け入れには相当の抵抗がありました。米国においてさえ、未だに進化論を受け入れていない人が3割もいると聞いたことがあります。
彼らは、日本人の何を変えようとしたのでしょう。笑えます。
でも、彼らがまんまと成功したこともあります。それは、日本人から名誉と誇りを奪い去ることであり、あの大東亜戦争を戦った大義名分を取り上げることでした。
洗脳されているのは、戦前の日本人ではなく、今を生きている我々ではないのか。
天長節にあたり、改めて考えさせらせました。