あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの効能

 

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 私の記事には「三宅由佳莉さんの…」シリーズがとても多いです。正直な話、三宅さんのことを書きたくてブログを始めたと言ってもいいくらいなので、これからも続くでしょう。

 今回は、その理由について書いてみたいと思います。

 私は一昨年、海上自衛隊を定年退官し、自衛隊とは全く縁のない民間の会社に再就職しました。退官の際には、特段の感慨もなく「終わったね」という感じでした。

 3年目に入り、今の会社にも慣れてきた今年の5月下旬頃、なんとなく「君が代行進曲」が聞きたいなぁと思い、YouTubeで見ました(聴きました?)。いい曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=W1TZIbg1aZM

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 で、次々に行進曲が流れ、ついに…そうです「行進曲 軍艦」!

 出だしで、いきなりやられました。本当に聞きたかったのはこっちだったんだな。長年連れ添ったこの曲、退官以来2年間、一度も聴くことがなかったのですから。

https://www.youtube.com/watch?v=3eJwt06RMsE

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 そして、自衛隊観閲式や観艦式など、自衛隊関係の動画を見ていくなかで、東京音楽隊三宅由佳莉さんの動画に出会いました。

 現役の頃、音楽隊に初めての歌手が誕生したこと、CDデビューしたこと、レコード大賞企画賞を受賞したことなどはもちろん聞いていましたが、特に関心もなかった私は、「そうなの?」という感じでした。「祈り」という曲も、おそらくどこかで聴いてはいたのでしょうが、全く印象に残っていませんでした。

 ところがです、動画で三宅由佳莉さんの「祈り」を聴くうちに、涙が止めどなく溢れる自分に戸惑いましたし、なぜそんなことになったのか、訳がわかりませんでした。

 訳がわからないまま、メンタルは急に落ち込み、この曲が聴きたくて堪らず、毎日何度となく聴きました。この曲だけでなく、三宅由佳莉さんの歌を貪るように聴き続けました。どの曲を聴いても、何度聴いても、涙が溢れるので、本当におかしくなったのかと思ったほどでした。同期からの飲み会の誘いも全部断りました。

 そんな状態が2ヶ月以上も続くなかで、私はいろいろ考えました。そして、わかったのです。自衛隊を退官した後の私は、それまで海上自衛隊を通じて揺るぎない絆を感じていた愛する祖国との間に、新たな紐帯を見出せず、恐ろしいほどの喪失感を内に抱えながら、それに全く気付くことなく2年を過ごしてしまったのです。三宅さんの「祈り」を聴いた瞬間、私はその大きな喪失感に飲み込まれて崩壊したのだと思います。

 そして、三宅さんの歌、特に「祈り」は、様々な原因で喪失感を抱えている人に、そのことを気付かせ、そこから立ち上がるよう励ましてくれる、そんな存在なんだということを身をもって知りました。

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 現役の頃の私は、喪失感を抱えていないばかりか、日々充実していたため、三宅由佳莉さんの歌声を必要としていなかっただけなのです。

  「三宅由佳莉さんの効能」というタイトルは、このような私の体験から出たものです。もし、このタイミングで東京音楽隊三宅由佳莉さんの演奏に出会っていなければ、いずれ私は本当に崩壊してしまったに違いないと思っています。

 約3ヶ月間のミュージッック・セラピーのおかげで、私は心の安定を取り戻すことができました。そして、三宅由佳莉さんと東京音楽隊のことを発信して行こうと思いました。書くことが、セラピーのフォローアップでもあるとも思っています。

 つまらない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 でも、すっきりしました。

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