あれこれdiary

海自OBによる偏見御免徒然あれこれdiary

三宅由佳莉さんの胸に輝く…

 海上自衛地東京音楽隊の皆さんは、いろいろな制服をお持ちです。もちろん自衛官ですから、一般の隊員と同じ制服もありますが、「演奏服」という音楽隊員だけが着ることのできる特別な制服も何種類かあります。昨年は120回以上の演奏会をこなした東京音楽隊、普通に平均しても3日に1回ですから、毎回服装を決めるだけでも大変そうですね。

 演奏服のことなどについて、あれこれ書いた記事へのリンクを貼っておきますので、興味のある方は訪ねてみてください。

retcapt1501.hatenablog.com

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 ところで、制服の左胸には「防衛記念章」というものが装着されています。これは、国家的な行事に任務で従事したり、海外派遣訓練に参加した場合や、職務精励により表彰された場合等、様々な事由で装着が認められるものです。

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 我が国では、叙勲そのものが大変ハードルが高く、現役の自衛官が受章することはまず100%あり得ません。そこで、諸外国軍隊であれば勲章授与に相当するような事由がある場合に、勲章の略綬に相当する「防衛記念章」を装着できるようにしたのです。

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 これは、三宅由佳莉さんが装着している防衛記念章です。左上から「第3級賞詞受賞者」「防災功労者表彰に係る業務従事者」「第1級賞状に係る業務従事者」「国内における大規模災害に係る業務従事者」として授与されたものです。

 この防衛記念章ですが、「演奏服」の時には装着されていないようです。音楽隊のドレスコードでそのようになっているのかもしれません。

 さて、三宅由佳莉さんの防衛記念章のうち、「…に係る業務従事者」とされる3つについては、東京音楽隊が部隊として表彰されたため、その時点で在籍していた隊員に装着が認められたものです。各隊員の精励あってこその部隊表彰だからです。

 そして、筆頭の防衛記念章「第3級賞詞」こそ、三宅由佳莉さん個人の功績に対する勲章なのですが、注目すべきは、入隊して初めて受けた賞詞が「第3級」ということです。第1級から第5級まである賞詞のうち、第1級・第2級は受賞する可能性がほとんどないと考えられているため、通常表彰では、第3級賞詞が事実上最高位の勲章ですし、幹部でさえ受賞者は限られるからです。海上自衛隊において、三宅由佳莉さんの功績がどれほど高く評価されているかがよく分かります。

 さて、第3級賞詞以上を受賞すると、防衛記念章のほかに「防衛功労章」を授与され、礼装の右胸に装着することができます。

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 この写真で、三宅由佳莉さんの右胸に輝くのが「第3級防衛功労章」です。

 三宅由佳莉さんは、まさしくこのバッジを装着するに相応しい方だと思いますし、今後のますますの活躍に期待しています。

 ちなみに、今後、いくつ防衛功労章を受賞しても、装着できるのは1個だけです。